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Jazzmaster®コントロール大解剖

意外とシンプルながら多くのパターンを生み出すJazzmaster®のコントロール

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Jazzmaster®のファンなら誰しも、クラシックモデルと最新モデルの明確な構造の違いに気づいていることでしょう。特に、Blacktop Jazzmaster HS®、Lee Ranaldo model®、Thurston Moore model®、Squier Vintage Modified Jazzmaster Special®、American Professional Jazzmasterなど最近のスペシャルモデルは、コントロール・レイアウトがシンプルにデザインされています。


Classic Jazzmaster®のコントロール

一方でClassic Jazzmasterは、かなり精巧な構造にデザインされています。フェンダーの高級モデルの新たなラインナップとして1958年に発表されたJazzmaster。特に注目すべきは、ボリューム・コントロールとトーン・コントロールが独立したデュアル・サーキットのデザインです。

リード・サーキットには、フェンダー・ギターのスタンダード・コントロールであるマスター・ボリュームとトーン・コントロール、さらに3ポジションのトグル・スイッチ式のピックアップ・セレクターが同サイドに並びます。加えてこのモデルには、よりウォームなサウンドやダークなサウンドを実現するリズム・サーキットが組み込まれ、ギターのアッパー・ホーン部に独立したボリューム・ホイールとトーン・コントロール・ホイールが付いています。

American Vintage ’65 Jazzmaster®やSquier J Mascis Jazzmaster®に代表されるトラディショナル・モデルには、それら一連のマルチ・コントロールが再現されています。

シンプルなコントロール・システムに慣れた方は、Classic Jazzmaster®に搭載された多様な機能に、最初は戸惑うかもしれません。それでも「トラディショナル・モデルに挑戦してみたい」という方のために、理想のサウンドを得るためのクイックガイドをここに提供します。

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リード・サーキット

Jazzmaster®に内蔵されたリード・サーキットのコントロールは、前述の通り、マスター・ボリュームとマスター・トーンのノブが1つずつロウアー・バウトに配置されているだけのいたってシンプルな構造です。ピックアップ・セレクター・スイッチは3ポジションで、それぞれネック・ピックアップ、ブリッジ・ピックアップ、両ピックアップをセレクトできます。

リード・サーキットをアクティブにするには、アッパー・ホーンに配置されたスライドスイッチをダウン・ポジション(ネック側)へスライドします。

リズム・サーキット

Jazzmaster®のリード・サーキットとは完全に独立したリズム・サーキットをアクティブにするには、アッパー・ホーンのスライドスイッチをアップ・ポジション(ネックと反対側)へ動かします。

アッパー・ホーンのスライドスイッチと並ぶ2つのホイールは、リズム・サーキットのボリューム・コントロールとパッシブ・トーン・コントロールで、スライドスイッチに近い側のホイールが、ボリューム・コントロールです。

重要:リズム・サーキットをセレクトした場合、ネック・ピックアップのみがアクティブになり、ブリッジ・ピックアップは機能しません。Jazzmaster®のリズム・モードはブリッジ・ピックアップがアクティブになっていると勘違いしているプレーヤーも少なからずいるようですが、ご注意ください。また、リズム・モードでは、ロウアー・バウトのボリューム・コントロールとトーン・コントロールも機能しません。

ネック・ピックアップによる2種類の異なるサウンド

Jazzmaster®のネック・ピックアップをアクティブにするには、2つの方法があることを学びました。まずはリード・モードで、ピックアップ・セレクター・スイッチをネック・ピックアップのみにセットする方法。もうひとつは、アッパー・ホーンのスライドスイッチでリズム・モードに切り替える方法です。ここで注意すべき重要な点は、ネック・ピックアップを使用するこれら2つのモードからは、それぞれ全く異なるサウンドが得られる、ということです。

ネック・ピックアップのみを使用するリズム・サーキットのトーンは、リード・サーキットでネック・ピックアップのみをセレクトした場合と比較して、かなりダークなサウンドになります。これは、Jazzmaster®に内蔵された2種類のサーキット(リード/リズム)には、それぞれ抵抗値の異なるポテンショメータ(ポット)が採用されていることによるもので、セレクトするサーキットによって異なるサウンドが得られます。

以上で、トラディショナル・モデルのコントロールの基本は理解できたことでしょう。是非Jazzmaster®の幅広いサウンドを、あなたのレパートリーで試してみてください。


American Professional Jazzmaster®のコントロール

American Professional Jazzmaster®は、トラディショナル・モデルに採用されているコントロールからの脱却を図ったモデルです。最も明白な相違点は、American Professional Jazzmaster®ではリズム・サーキットが排除され、3ウェイのピックアップ・セレクターがストリングスの上側に移されたことです。3ポジションのトグル・セレクターは、ブリッジ・ピックアップ、ネック・ピックアップ、両ピックアップの3つのモードを切り替えます。

コントロールは、マスター・ボリュームとマスター・トーンの2つのノブが配置され、マスター・ボリューム・ノブには、ボリュームを絞ってもハイエンドを維持するトレブル・ブリード・サーキットが組み込まれています。

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