フジファブリック「フジファブリック LIVE TOUR 2017 “STAND!!”」

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北は札幌から南は福岡まで全10か所計12公演を行った「フジファブリック LIVE TOUR 2017 “STAND!!”」は追加公演となった2月24日(金)、中野サンプラザホールで大団円を迎えた。ツアー・ファイナルにふさわしい熱演がLINE LIVEでライブ配信されたことに加え、アンコールでは満員の客席をあっと驚かせるサプライズも飛び出して、10年1月に「志村會」=志村正彦(Vo, G)のお別れ会が開催された同会場でのライブは、メンバーにとってもファンにとっても思い入れのある会場にふさわしいスペシャルなものとなった。

演奏はアルバム『STAND!!』のオープニング・ナンバー「FREEDOM」でスタート。80年代のUKニュー・ウェーヴを思わせる淡々とした演奏の中、まるで引き裂くように山内総一郎(Vo, G)が手に入れたばかりの54年製テレキャスターでリフをかき鳴らす。今回のツアーから導入されたTHE EDGE DELUXE™の抜けの良いドライヴサウンドが心地よく響く。珠玉のバラードという言葉がふさわしい「Green Bird」につなげると、山内は代名詞とも言えるフィエスタレッドのストラトキャスターに持ち替える。同期で重ねたストリングスの音色の中からコード・ストロークの音が浮かび上がる。ちなみにこの日はステージに向かって左から金澤ダイスケ(Key)、山内、加藤慎一(B)、そしてサポート・ドラマーのBOBOが横並びに一列に並んでいるというちょっと不思議なセッティング。

そんな4人が「Green Bird」をじっくり聴かせると、“STAND!!”の文字を映し出したとたん、紗幕が落とされ、バンドの演奏は「SUPER!!」で一気に加速。早速、客席から挙がった無数の手に応えるように金澤がキーボードを離れ、山内のシグネイチャー・モデルである「SOUICHIRO YAMAUCHI STRATOCASTER」をかき鳴らすと、間奏では山内と加藤も前に進み出る熱演をアピール。そこからバンドは「ALONE ALONE ALONE」「Splash!!」とアップテンポの曲をたたみかけるように演奏して、客席を一気に盛り上げていった。

「コンセプチュアルな『BOYS』と『GIRLS』 という2枚のミニアルバムをリリース後、ツアーを回りながらバンドの状態がどんどん良くなっていることを感じたので、それならとコンセプトを決めずにパワーあるものを作ったら、いいアルバムができた」と山内はこの日、『STAND!!』について語ったが、中盤、披露したのはその『STAND!!』 から、「ラウドとか、バラードとか括れない、強いて言うならロック?な感じの」と紹介した曲の数々だった。跳ねるような演奏とやるせない歌詞の絶妙なマッチングが味わい深い「have a good time」、真っ赤な照明の中、山内がエレクトリック・シタールをあやしげに鳴らしたロック・ナンバー「炎の舞」。絶妙なコードの使い方がすこぶる印象的なバラードの「COLORS」、そして山内がストラトで炸裂させた轟音、ドローン効果満点の金澤のシンセに負けじと、今回のツアーから導入したAMERICAN PROFESSIONAL JAZZ BASSで加藤が重低音を唸らせ、シューゲイジングな魅力をアルバムよりも際立たせた「the light」――。それらの曲からはこの数年、『BOYS』と『GIRLS』で曲の幅を広げながら、彼らが追求してきた“フジファブリックの新しいスタンダード”を印象づける魅力が感じられた。その中でもライヴで大化けした「the light」でバンドが表現していた凄みは、ここに来てさらに急成長していきそうな予感にわくわくもさせられた。

「サンプラザと言えば…」と08年発表の3rdアルバム『TEENAGER』のツアーのファイナルと、前述した「志村會」で中野サンプラザのステージに立ったことを振り返りつつ志村の思い出を語ってから、「TEENAGER」からつなげた終盤はテレキャスターをかき鳴らしながらちょっと懐かしい曲の数々を披露。ファンを喜ばせると、ダンサブルな「夜明けのBEAT」と「ポラリス」の2連打でラストスパートをかける。山内は、自身のシグネイチャーストラトでファンキーなカッティングからの背面弾きのギター・ソロで客席を沸かせ、そして眩い光の中、チョーキングをふんだんに使い、ロックンロール風のギター・ソロをキメた、とびきりポップな「Girl! Girl! Girl!」で本編ラストを飾った。

話題のドラマ『山田孝之のカンヌ映画祭』に主題歌として提供した新曲「カンヌの休日 feat.山田孝之」のMVで着ているタキシードに着替えたアンコールでは、1曲目にその「カンヌの休日」を演奏。ワンコーラス歌い終わったところで、ステージ後方の幕が左右に開き、なんと山田孝之が登場! 観客の驚きの悲鳴と歓声の中、秋田のロケから駆けつけたという山田とフジファブリックの共演がライヴでも実現してしまった!! 

「こんな感じで何が起こるかわからないけど(笑)、元気いっぱいに歩みを止めずにやって行こうと思います」と客席に向かって、さらなる前進を誓った山内が赤いストラトに持ち替えると、バンドはさらに2曲――ファンキーかつシャープなカッティングとチョーキングによる泣きのフレーズを、山内が聴かせる「銀河」と、トラッド・フォークを思わせるギターによるインプロビゼーションからダイナミックな演奏になだれこんだ「STAR」を披露。フジファブリックにとって新たな始まりを象徴するその「STAR」ほど、ツアーの大団円にふさわしい曲はなかった、と眩いライトが会場全体を照らし出す中、観客の誰もがそう感じたに違いない。

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セットリスト
フジファブリック
「フジファブリック LIVE TOUR 2017 “STAND!!”」
2017年2月24日(金)
中野サンプラザホール

1. FREEDOM
2. Green Bird
3. SUPER!!
4. ALONE ALONE ALONE
5. Splash!!
6. プレリュード
7. 陽炎
8. have a good time
9. 炎の舞
10. COLORS
11. the light
12. TEENAGER
13. 流線形
14. 夢みるルーザー
15. 徒然モノクローム
16. 夜明けのBEAT
17. ポラリス
18. Girl! Girl! Girl!

EN1. カンヌの休日 feat. 山田孝之
EN2. 銀河
EN.3 STAR

 

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