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フジロック・フェスティバル2017 注目ギタリスト8人
7月28日(金)、29日(土)、30日(日)にかけて新潟県湯沢町苗場スキー場で開催されるフジロック・フェスティバル。出演アーティストから注目のギタリスト8人をご紹介します。
Photo by Kiyoshi Ota/Getty Images
トロイ・ヴァン・リューウェン(クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ)
「石器時代のオカマ」というユニークなバンド名を持つ彼らは、米国カリフォルニア州パームデザート出身のハードロック・バンド。1997年、カイアスのギタリストだったジョシュ・オムを中心に結成され、2002年のサードアルバム『ソングス・フォー・ザ・デフ』が、全世界で100万枚以上のセールスを記録し、その地位を不動のものとする。
ギターのトロイ・ヴァン・リューウェンは、トゥールのメイナード・ジェイムズ・キーナン率いるパーフェクト・サークルの元メンバーというキャリアの持ち主。自身のシグネイチャーであるTROY VAN LEEUWEN JAZZMASTERをはじめ、Classic Series '72 Telecaster Custom Electric GuitarやCustom Shop Double Neck Jazzmaster Guitarなどフェンダーギターを愛用し、ジョシュ・オムとともに壁のようなギターサウンドを構築。ストーナー・ロックの代表格として圧倒的な存在感を放っている。
ロミー・マドリー・クロフト(The xx)
英国はサウス・ロンドン出身の3人組。2009年にファースト・アルバム『エックス・エックス』をリリースすると、音数を極限まで削ぎ落としたミニマルなバンドアンサンブルと、アンニュイかつメランコリックな男女混成ヴォーカルによって一躍話題となる。メンバーそれぞれの課外活動を経て今年1月にリリースしたサード・アルバム『I See You』は、これまでになく華やかかつ躍動的な内容だった。
ロミーのギターは、歪みを押さえたクリーンなサウンドと、ディレイなど空間系エフェクターを駆使したフレーズが特徴的。Mustangなどを愛用している。フジロックには、これまで2度出演経験があり(2009年 レッド・マーキー、2013年 ホワイト・ステージ)、今年はついにグリーン・ステージに登場とあって期待が高まる。
野田洋次郎(RADWIMPS)
リードフレーズを紡ぐ桑原彰(Gt, Cho)とは対照的に、堅実なバッキングプレイが身上の野田洋次郎。使用モデルは多岐に渡るが、フェンダーギターも多数愛用している。彼らの人気を決定づけた映画『君の名は。』の「前前前世」MVでは、すべてローズウッドから作られたオールローズテレキャスターで撮影。また、希少材として知られるホンジュラスマホガニーを使用した、野田洋次郎、 フェンダー、ギターマガジンとのコラボレートモデルTELEMASTER “ACE”も愛用。ツアー「Human Bloom Tour 2017」でもメインギターとして重宝しており、今夏の大型フェスでもその姿を見られる機会は少なくないはずだ。
安部勇磨(never young beach)
1970年代のジャパニーズフォークと、南国テイスト溢れるインディーロックを絶妙に配合させた音楽性が魅力の“ネバヤン”ことnever young beach。日本人が心に秘めた郷愁感をくすぐる温かな音風景、その根幹を担うのが安部勇磨の声、そしてフェンダーの音色と言っても過言ではないだろう。軽やかなトーンが印象的なムスタングを愛用していたが、2016年に現在のメインギターである1965年製のテレキャスターを購入。アンプもフェンダーを使用しており、たおやかで美しいクリーントーンを創出している。9月からツアー「TOUR2017 “A GOOD TIME”」がスタート。
出戸 学(OGRE YOU ASSHOLE)
拠点を地元である長野に置き、あらゆる音楽を咀嚼しながら決してひと括りにすることのできない実験的な音楽をクリエイトし続けているOGRE YOU ASSHOLE。その中で作詞作曲を手がける出戸 学(Vo, Gt)がメインとして使用しているのがフェンダーのジャガーだ。アルペジオやバッキングが主体だが、エフェクトを用いた独創的なフレーズも得意としており、ジャガーらしいハリのあるクリーンから激情を表現するかのような荒々しいサウンドまでを鳴らす。アンサンブルが緻密に構成されていくライブパフォーマンスは一見の価値ありだ。9月からはD.A.N.との2マンツアー「optimo」を開催。
Nobuki Akiyama(DYGL)
2012年結成。2016年にアメリカ・ロサンゼルスのLolipop RecordsでレコーディングされたEP『Don’t Know Where It Is』をリリースすると、今年4月にはThe Strokesのギタリストであるアルバート・ハモンドJr.とThe Strokesのプロデュースであるガス・ オバーグを全曲プロデュースに迎えて1stアルバム「Say Goodbye to Memory Den」を完成。20代という若さでありながら、海外の空気感が漂う感性豊かなパンク、ガレージ、オルタナティブサウンドは国内外から高い評価を得ている。Nobuki Akiyama(Vo,Gt)はフェンダーのストラトキャスターを使用。無駄を削ぎ落とした、無垢に響き渡るプリミティブなトーンを生み出している。
杉本 亘(DATS)
2014年、バンド結成からわずか1年で「出れんの!? サマソニ!?」で入賞を果たし、その後は数々の大型フェスやアメリカの人気ドラマ「The OC」への出演、Foalsのオープニングアクトとしてオーストラリア・ツアーをまわるなど、日本だけでなく海外からも熱視線を浴びているDATS。ディスコ、UKロック、ガレージを抜群のメロディで独自の音楽へと昇華させるセンスは稀有。ロサンゼルス生まれワシントンDC育ちの杉本 亘(Vo, Gt)は、フェンダーのテレキャスターを使用。ギタリストの早川知輝もジャガーやジャズマスターなどを愛用している。6月7日にデビュー・アルバム『Application』をリリース。
Ryosuke Odagaki(The fin.)
2010年、神戸にて結成された4人組バンド、The fin.。1980~90年代のシンセポップ、シューゲイザー、USインディーポップやチルウェーブを基盤としたサウンドは、音を過剰に詰め込むというよりもシンプルに削ぎ落としている印象で、どこか非日常的な響きを持って聴き手を惑わせる。Ryosuke Odagaki(Gt)は、フェンダーのジャガーを使用。ディレイやリバーブなどのエフェクターを用いた浮遊感溢れるクリーントーンで、幻想的で淡いサウンドに一役買っている。現在、活動の拠点をロンドンに置いている彼ら。今年5月にはイギリス・ブライトンで開催されたフェス「The Great Escape Festival 2017」にも出演。今後、最も注目すべき次世代アーティストの急先鋒だ。
自然と音楽の共生、フジロック・フェスティバル
今から20年前の1997年夏、「自然と音楽の共生」をコンセプトとして富士山麓・天神山スキー場でスタートしたフジロック・フェスティバル。初年度は台風の直撃を受け、2日目が中止になるなど課題も多く残されたが、翌1998年に会場を東京の豊洲に移して開催。1999年からは苗場スキー場に会場を移し、試行錯誤を繰り返しながらも今や、「世界一クリーンなフェス」として国内外から高い評価を受けるまでになった。
20回目を迎えた昨年はなんと、初回からの総延べ入場者数が200万人を突破したという。ジャンルを問わず、様々な国から総勢234組のアーティストが集まるフジロック。ギターという楽器の多彩な魅力を楽しめる、という意味でも貴重な三日間となるだろう。
› フジロックフェスティバル公式ホームページ:https://www.fujirockfestival.com/