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マイケル・ランドウ × Kenスペシャル対談インタビュー

スティーヴ・ガッド・バンドの一員として来日を果たした世界有数のセッションプレイヤー、マイケル・ランドウ。L'Arc~en~Cielのギタリスト/ソングライターであり、ソロ名義での作品リリースやプロデュース業などでも活躍するKen。ストラトキャスターを愛する両者ならではのクロストークをお届けする。

Ken & Landau

セッションプレイヤーとしてピンク・フロイドやマイルス・デイヴィス、ジェイムス・テイラーなど様々なアーティストとの共演経験を持ち、その卓越したプレイによってスティーヴ・ルカサーと並び称されるギタリスト、マイケル・ランドウが、スティーヴ・ガッド・バンドの一員として来日を果たした。

一方、L'Arc~en~Cielのギタリスト/ソングライターであり、ソロ名義での作品リリースやプロデュース業など、多岐にわたって活躍している Ken。2人は共にフェンダー・ストラトキャスターを愛用しており、自身のシグネイチャーモデルを持つほどのフェンダー・フリーク。そこで今回フェンダーでは、2人の対談を実現。マイケルのシグネイチャーアンプ「Hot Rod Deville ML 212」を鳴らしながら、お互いの「ギター愛」を熱くぶつけ合ってもらった。

最初に持ったエレキギターはフェンダー・テレキャスター。
まるで恋に落ちたように夢中になったよ(マイケル)
 

―  2人がギターを始めたキッカケは?

マイケル   10歳の頃、母方の叔父がアコースティックギターを習っていて、ビートルズの曲をたくさん弾いていたんだ。それを見て、自分でも演奏してみたくなったのが最初のきっかけかな。それからエレキギターに持ち替えたのだけど、とにかくその音に魅了された。当時はビートル ズの他に、ジミ・ヘンドリックスやエリック・クラプトンなど素晴らしいギタリストがたくさん登場して、この世のものとは思えないようなサウンドを、次々と作り出していたからね。

Ken   僕は中学生の頃、姉がフォークギターを持っていて、弾けないからって家に放置してあったのを手に取ってみたのが始まりです。ただ、人の曲を弾こう思ってコード譜を見ても、すごく難しくて上手く弾けなかったんですよ。それで、開放弦を利用してEmをEm7にしてみたり、FをFMaj7にしてみたり、自己流で崩して弾いたときの、響きの美しさに魅了されて好きになりました。

マイケル   素晴らしい。多くの優れたギタリストたちはみんな、そうやってルールを破りながら、新しいサウンドを作ってきたんだよね。ヘンドリックスもそうだし、エディ・ヴァン・ヘイレンもそう。

Ken   確かに。そうやって気持ちのいい響きを見つけたり、いろんなギタリストの影響を受けたりしながらギターをマスターしていったんですけど、最近マイケルの演奏を観て、サスティン・コントロールを駆使した弾き方にものすごく感銘を受けました。

マイケル   本当に?ありがとう。サスティンの効いたサウンドは、例えばサックスとかホルンとか、そういう管楽器の音色にインスパイアされたものなんだ。そこに歪みやディレイをどのくらいブレンドしていくかによって、ニュアンスの変化を付けている。ところでKenは、いつも どうやって曲を作っているの?

Ken   ある時期までは、自分が今まで弾いたことのなかったコードを、最低でも一つは曲の中に入れるようにしていましたね。適当にギターを弾きながら、偶然見つけた響きとかそういうものを。

マイケル   なるほどね。僕もいろんな人のレコードを聴いたり、沢山のミュージシャンとセッションを重ねたりしながら、そこで学んだ新しいコードやプレイスタイルを、どんどん取り入れつつ独学で覚えていったよ。ギタリストの中では特に、アラン・ホールズワースの大ファンなのだけど、彼は常に変わったコードやヴォイシングを弾いていて、まるでジョン・コルトレーンがギターを弾いているみたいだよね。そこから学ぶことがすごく多かった。(ここで、変わった響きのコードをお互いに弾き合う)

Ken & Landau

―  現在、2 人ともフェンダー・ストラトキャスターを愛用されていますが、そこにたどり着くまでの経緯は?

マイケル   最初に持ったエレキギターはフェンダー・テレキャスターで、まるで恋に落ちたように夢中になったよ。ストラトキャスターに出会ったのは、16歳か17歳の頃だったかな。大好きなヘンドリックスが使っていたからね。ストラトキャスターの魅力は、これ一台で様々な音が出せるっていうこと。特にライヴだと、バンドに合わせて色んなサウンドを作らなければならなくて、そういうときに威力を発揮してくれるんだ。

Ken   僕はそれこそ幼稚園児くらいの頃に、テレビでギターを持っている人を観て、もちろんそのときはストラトだとは知らなかったけど、「あれ、いいなあ」って思ってましたね。ギターを始めた頃は、近所にストラトキャスターを扱う楽器屋がなくて、違うモデルを購入したんですけど、10代後半くらいになってようやく手にすることができました。

―  今日、お持ちいただいたシグネイチャーモデルの特徴は?

マイケル   まず、ピックアップが両方ともハムバッカーにしてある。それと、ブリッジの部分がリフトアップされているので、太いサウンドが出せるんだ。あともう一つ、1963年製のビンテージをシグネイチャーモデルとして改造してもらったギターがある。持っているギターの中では、あれがベストだね。

Ken   僕のシグネイチャーモデルは、マスタービルダーであるグレッグ・フェスラーさんのギターを前に手に入れて、それがすごくいいトーンバランスだったんですね。ピッキングに表情が付いてくるところが特に気に入って。そのことをグレッグさんに伝えて、あとは自分が弾きやすいように、ネックをちょっと太めにして。

マイケル   とってもセクシーなギターだね。セットアップは自分でやっているの?

Ken   ええ。例えばオクターブチェック一つ取っても、自分でやることで耳が鍛えられるし、他の人がオクターブチェックしたものを弾いても、やっぱり違和感があるから。ピッキングの強さでチューニングも変わってきますし。自分のピッキングの強さでセットアップしないとダメですね。

マイケル   そう、全然違うんだよね! 君の意見に全く同感だよ。特に若いギタリストには、自分でセットアップしてみることを薦めたい。......まあ、フレットを打ち直すなどの作業は、さすがに一人じゃ難しいけどね(笑)。でもいつかはそれも自分でやりたいな。

Ken & Landau
シンプルな設計でパワフルなアンプが好みなので、
「Hot Rod Deville ML212」は弾いていてすごく楽しい(Ken)
 

―  マイケルさんの、シグネイチャーモデルのアンプ「Hot Rod Deville ML212」についてはどんな印象?

Ken   通常212は、「クリーン」「ドライヴ」「モア・ドライヴ」の3ch使用ですが、ML212は「ノーマル」「ブースト」と、ものすごくシンプルな設計ですよね。「マスターボリューム」と「ドライヴボリューム」もなく、1ボリューム。僕自身、シンプルな設計でパワフルなアンプが好みなので、弾いててすごく楽しいです。

マイケル   うん、そうなんだ。マスターボリュームはギター本体で調整するので必要なかったし、歪みの回路を減らしたことで、サウンドの抜けが良くなったよ。

Ken   それに、高域のピーキーな部分が減って、ギター本体の音がよりダイレクトに鳴らされるようになった印象です。

マイケル   基本構造は ML212をアップデートしたものなのだけど、試作品を5台くらい用意してもらって、その中から改良を重ねてもらったんだ。スピーカーも「Celestion G12P-80」2発から、「Celestion V-Type」2発に変えている。そこはかなり大きな違いだね。それと、かなり重いアンプなので持ち手の部分も頑丈にしてもらっているよ。見た目もすごくいい。

―  今回、マイケルさんはスティーヴ・ガッド・バンドの一員としての来日ですし、Kenさんは自身のバンド活動以外にも、BAROQUEやMUCCなどのプロデュースを手がけています。そんな2人は、「バンドの中でのギターの役割」をどのように考えていますか?

マイケル   バンドというのは、基本的にはチームプレイだと思うし、お互いをサポートし合うことが大事だ。けど、ギタリストというのは時にはスポットライトを浴びながら、前面に立ってバンドを引っ張っていく役目も担っているよね。それに、ギターはベースやドラムと比べると、様々な音色を出すことが出来るから、楽曲に彩りを与える力もある。もちろん、キーボードにもそういう役目はあるけど、ギタリストはステージの上を自由に移動できるぶん有利だね(笑)。

Ken   同感です。マイケルが言ったように、音色面での多彩さもギターの特徴ですが、それに加えて奏法におけるバラエティの豊かさも、楽曲に彩りを与えてくれますよね。例えばコード弾きだったり、指弾きだったり、アルペジオだったり。ピッキングの強弱だけでも、様々なニュアンスを出せますしね。

マイケル   そうだね。ギターが作り出すサウンドのキャラクターによって、バンドがどういう方向へ進みたいのか、どんな音楽性を目指しているのかを、明確に示すことが出来る。そういう意味でも、ギターはとても大事な役割を持つ楽器なんだよね。Ken、今日は楽しい時間をありがとう。

Ken   こちらこそありがとうございました!

› Hot Rod Deville ML 212製品情報

Ken & Landau

› ライブレポート:マイケル・ランドウ参加のSTEVE GADD BANDのライブをレポート
› マイケル・ランドウ:http://mikelandau.com/
› Ken:http://www.ken-curlyhair.com/
› ブルーノート東京:http://www.bluenote.co.jp/jp/