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KEYTALK「横浜アリーナ ワンマンライブ 俺ら出会って10年目~shall we dance?~」レポート

9月10日(日)、横浜アリーナで開催されたKEYTALK「横浜アリーナ ワンマンライブ 俺ら出会って10年目~shall we dance?~」の模様をレポート。

KEYTALK

前身バンドであるrealが小野武正(G)、八木優樹(Dr)、首藤義勝(Vo, B)、寺中友将(Vo, G)という現在のラインナップになってから丸10年経ったことを記念して(realは09年にKEYTALKに改名)、KEYTALKが横浜アリーナに1万2,000人の観客を集め、これまでの活動の集大成と言えるコンサートを行った。

この日、KEYTALKが演奏したのはアンコールを含め全30曲。音源化していないreal時代の「view」から8月30日にリリースした最新シングル「セツナユメミシ」まで、新旧の代表曲の数々が熱演とともに印象づけたのは、ロックのみならず、アニソンやJ-POPとも互角に渡り合える振り幅の広い楽曲を、ライブハウス育ちならではと言えるアグレッシヴなサウンドで鳴らす新しいバンドの姿だった。

バンド名とコンサートのタイトルに続けて、楽屋からステージに向かうメンバーの姿を、巨大ビジョンに映し出したあと、カウントダウンからメンバーが突然、アリーナ後方に現れ、満員の観客を驚かせるというオープニングからコンサートはスタート。その後、レーザービーム、パイロをはじめ、アリーナにふさわしい演出もふんだんに交えながら、曲間で見せるメンバー同士のやりとりは、「下北沢からやってきました」と挨拶したとおり、いかにも下北沢のライブハウスやリハスタにいるような若者たちという点も新しかった。KEYTALKのようなバンドが先頭に立って、日本のロック・シーンに新しい流れを作ってきたことを改めて実感させられた。

この日、ギター/ベースの3人はほぼ楽器を持ち替えず、同じ楽器を演奏し続けたが、首藤が使っていたのは、最近、出会ったというソニックグレイ色のAmerican Professional Jazz Bass。これまでFender Precision Bassを使っていた首藤は、幅広い音色を出せるジャズ・ベースを探していたそうだが、そこで出会ったのがそれだった。確かに和風テイスト(「セツナユメミシ」)があったり、昭和歌謡風(「マスターゴッド」)があったり、ダンス・ポップ(「Love me」)があったり、祭囃子のリズムを取り入れたり(「MATSURI BAYASHI」)、メロコア風(「Oh!En!Ka!」)があったりと前述したように振り幅の広い楽曲を、いちいちベースを持ち替えずに演奏するならプレシジョン・ベースよりも、ジャンルやスタイルを問わずにオールマイティに使えるジャズ・ベースだろう。

この日もAmerican Professional Jazz Bassは大活躍。ドラムとともに演奏を支えたり、演奏の推進力になったりしながら、うねるように動き回るフレーズやバキバキと鳴るスラップを奏で、ある意味ベーシスト離れした存在感をアピールする首藤のベースプレイを存分にアピール。曲が進むにつれ、音の輪郭もよりパキっとしたものになっていった。

一方、バッキングに徹しながら、きつめに歪ませたサウンドで演奏にエッジを加えていた寺中が使っていた愛器Fender Road Worn Telecasterは(巨大ビジョンに映った)ボディの擦り傷から、愛器に対する寺中の並々ならぬ愛着が感じられた。

そんな彼らはこの日、「俺らどうなっちゃうんだろうって幸せな気分でいっぱいです」と感激しながら、ここがゴールじゃないと言わんばかりに「日産スタジアムや東京ドームでやりたい」と夢を膨らませたが、下北沢のライブハウスから新しい感性を持ってやってきたバンドがスタジアムやドームをいっぱいにする日が来たら楽しいだろう。そんなふうに、この日のコンサートは観る者の夢も膨らませたのだった。

なおこの日の3時間の熱演の模様は、12月20日(水)にBlu-ray / DVD作品「横浜アリーナ ワンマンライブ 俺ら出会って10年目~shall we dance?~」としてリリースされることが決まっている。

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