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SILENT SIREN「5th ANNIVERSARY SILENT SIREN LIVE TOUR『新世界』」レポート
7月2日（日）東京・EX THEATER ROPPONGIにて行われた全国ツアー「5th ANNIVERSARY SILENT SIREN LIVE TOUR『新世界』」の模様をレポート。
Photo: 結城さやか
6月10日（土）に埼玉・戸田市文化会館を皮切りに開催された、バンド最大規模の全国ツアー「5th ANNIVERSARY SILENT SIREN LIVE TOUR『新世界』」の東京公演が7月2日（日）東京・EX THEATER ROPPONGIにて開催された。
デビュー5周年を記念して行われる本ツアーは、ファイナルである11月13日（月）14日（火）日本武道館2daysを含む全26公演。ステージは「新世界」にちなんで航海をイメージさせるセットで、衣装も水色を基調とした新衣装。
1曲目に選んだのは、レーベル移籍後第一弾シングルとしてリリースされた「フジヤマディスコ」。ピンクのClassic Player Jazzmaster Specialを手にしたすぅ（Vo, Gt）の16ビートのカッティングで始まると、「六本木、行けるかー！」という叫びで超満員の会場を煽る。ボーカルの裏で歌いながら強烈なスラップを弾くあいにゃん（Ba）、パワフルな4つ打ちを刻むひなんちゅ（Dr）、ディスコ感を印象付けるカラフルなフレーズを奏でるゆかるん（Key）。歌詞にある「富士山のように大きなバンドになる」という決意表明を、力強いグルーヴで紡いでいく。
各パートのソロで会場を盛り上げたメンバー紹介コーナーを挟み、キーボードの旋律が際立つ「Pandora」ではバンドの情緒的な部分をくっきりと浮かび上がらせていく。鈴木秋則、いしわたり淳治とともに制作したこの楽曲もまた、今までの彼女たちにはない“挑戦曲”であり、たゆたう乙女心をアグレッシヴなプレイで表現。すぅはAmerican Deluxe Telecaster Thinline、あいにゃんはAmerican Proffesional Precision Bassに持ち替え、要所要所にキメを入れてスリリングさを醸成する。
これまでバンジージャンプや無人島での生活など、ハード目な罰ゲームを行ってきた恒例のサイサイコーナー。まだツアー中ということで内容は明かせないが、ヤラセなしのガチ勝負に会場は笑いに包まれる。キャラクターをさらけ出した4人の自然なやり取りも、SILENT SIRENのライブの見どころのひとつだ。
中盤に突入すると、「あわあわ」「Love Balloon」といった比較的新しい楽曲を中心にさらにライブは加速。キュートさが詰まったロックナンバー「あわあわ」ではみんなで振り付けを踊りながら一体感を高めていき、軽やかな裏打ちが印象的な「Love Balloon」では巨大バルーンが客席に放たれ、演出を交えながら楽曲の世界観を浸透させていく。
MBS/TBSドラマイズム『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』のエンディングテーマのために書き下ろした最新曲「AKANE」では、これまでのポップでカラフルなアッパーチューンとは打って変わり、歪みを抑えた繊細なサウンドで心情の起伏を描いていく。すぅのTelecaster Thinlineによるホロウボディならではの温かく芯のあるトーンと、パステルカラーにネイティブ柄のラインをあしらった、個性溢れるカスタマイズが施されたあいにゃんのJazz Bassから放たれる、抜けの良いミッド感が柔らかく響き渡る。
みんなのジャンプで会場が大いに揺れた終盤戦、すぅとあいにゃんはさらに機材をチェンジ。「みんなの声を聴かせて。一緒に歌おう！」（すぅ）という呼びかけから始まったライブ初披露の「Kaleidoscope」では、ギターをTelecaster ThinlineからDUO-SONICに、ベースをJazz BassからフィエスタレッドにリフィニッシュされたRoad Worn Precision Bassに変更。より強靭な迫真のサウンドで、バンド全体の音圧を底上げする。その後も代表曲やライブ定番曲を中心に、静から動まで自由に行き来するプリズムな光彩を放つ音世界でファンを魅了した。
「私たちのバンド人生において大切なツアー。みんなに新しい世界を見せたい」（すぅ）
最大規模のツアーを経て、ファイナルの武道館公演で果たしてどのようなステージを見せてくれるのか。新しい一歩を着実に歩み始めた彼女たちの目は、未来を強く見据えていた。
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