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チューブアンプを守る、スタンバイスイッチとは?

チューブアンプをベストの状態に保つ魔法のスイッチ

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チューブアンプの多くは、電源スイッチのすぐ隣にスタンバイスイッチを備えています。電源を切ることなくアンプから音が出ない状態にできるこのスイッチは、リハーサルやライブの休憩時に活躍します。

しかし実際には、スタンバイスイッチには、もっと重要な役割があります。それはアンプ内の真空管の破損を防ぐことです。

現在でも真空管が利用されていることを不思議に思う人もいるかもしれません。ハイテクとデジタル全盛の現代において、真空管はもはや過去の遺物のように思えることでしょう。ギターアンプというのは今も真空管テクノロジーが通用する数少ない分野のひとつであり、基本となる部分はその誕生時からほとんど変わっていません。そのいい例のひとつがウォーミングアップです。 昔のラジオやテレビ、そして1946年に誕生したENIACコンピューター(1万7468個の真空管を使用)と同様に、チューブアンプは電源を入れた後に1分間のウォーミングアップを必要とします。その複雑な仕組みを簡単に説明すると、真空管は使用時に高温である必要があります(エレクトロンの放出と関係)。強力な電気信号が送られてくる前に、真空管は触れると火傷をするくらいの高温となっている必要がありますが、真空管がその温度に達するまでには少し時間を要します。チューブアンプの電源を入れた後、真空管のウォーミングアップなしにボリューム全開で音を鳴らせば、アンプが破損する可能性があります。

スタンバイスイッチはそういった事態を避けるために用意されています。スタンバイスイッチを使用することで、アンプの電源が入った状態のまま、真空管が適温になるまで強力な電気信号が到達しないようにすることができます。このスイッチを利用することで、真空管の寿命を延ばすことができるのです。

スタンバイスイッチの表記は「オン/オフ」ではなく「オン/スタンバイ」となっています。アンプの電源を入れる時は、事前にスタンバイスイッチが「スタンバイ」に設定されていることを確認しましょう。そうすることで、真空管が適温に達するまでアンプから音が出ない状態にすることができます。その状態で15秒〜数分間待機した後で、スタンバイスイッチを「オン」にしましょう。その後はボリューム全開でギターを思い切り鳴らしても大丈夫です。

リハーサルやライブにおいては、何をおいてもまずはスタンバイモードでアンプの電源を入れる習慣を身につけるといいでしょう。そうすることで、あなたがエフェクターをセッティングしたり、ケーブルを繋いだり、楽器のチューニングをしたり、飲み物を頼んだり、手を洗ったりしている数分間の間に、真空管は十分に温まります。あとはスタンバイスイッチをオンにして、思う存分ロックするだけです。


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