耳に残る印象的なロック・リフ10選

『サティスファクション』から『クレイジー・トレイン』まで、誰もが聞き覚えのあるフレーズをピックアップ

10-instantly-recognizable-rock-riffs

Photo by Graham Wiltshire/Redferns/Getty Images

世の中には星の数ほどのギターリフが存在しますが、一般的に浸透し、広く受け入れられているものは意外と少ないでしょう。それらの中には、ギター初心者がまず飛びつくリフや、頭の中でリピートして離れないリフ、そしてミュージシャンだけでなく世界の誰もが愛するリフがあります。

以下に、時代を超えて世界中のギタリストに愛され、誰もがジャムセッションに利用してきた10のフレーズをピックアップしました。


1.『サティスファクション』/ザ・ローリング・ストーンズ(1965)

ローリングストーン誌によると、『サティスファクション』のキャッチャーなリフは、1965年のストーンズのツアー中、キース・リチャーズがフロリダ州クリアウォーターのモーテルの一室で寝ている時に夢の中で浮かんだそうです。ベッドから起き上がったキースはギターを手に取り、テープレコーダーに夢の中のフレーズを吹き込みました。そしてまたすぐに眠りについたとのこと。さらにレコーディングスタジオでは、また新たな展開がありました。キースは、ギターをファズボックスへつなぎ、このリフを弾いたのです。ファズボックスをロックで使用するのは、当時としてはまだ珍しいことでした。実は、キースは、歪んだギターフレーズの代わりにホーンセクションを入れたいと思っていました。所が(ファンとしては)ありがたいことに、他のメンバーたちがそのパートはギターで行くようにキースを説得したのでした。

 

2.『サンシャイン・ラヴ』/クリーム(1967)

心に残る超キャッチーなクリームのヒットソング『サンシャイン・ラヴ(Sunshine of Your Love)』(1967)のイントロは、ジミ・ヘンドリックスのコンサートにインスパイアされたジャック・ブルースがベースで書いたもので、そのフレーズをエリック・クラプトンがギターで味付けし、記憶に残るリフになりました。この曲はクラプトン自身もお気に入りで、ソロコンサートでも必ず披露しています。ジミ・ヘンドリックスも、まさか自分がこの曲にインスピレーションを与えた張本人だとは知らずに、ステージで時々カヴァーしていたといいます。

 

3.『パープル・ヘイズ(紫のけむり)』/ジミ・ヘンドリックス(1967)

1967年のもうひとつの偉大なリフは、ジミ・ヘンドリックスの代表曲『パープル・ヘイズ(紫のけむり)』。イントロではスタッカートのサイケデリックなサウンドが爆発します。“ヘンドリックス・コード”として知られるコード(E7(#9))を中心に展開するヒット曲のリフが奏でる特徴的な響きは、世代を超えてミュージシャンたちを魅了してきました。1969年のニュー・ミュージカル・エクスプレス誌のインタヴューでヘンドリックスは、『パープル・ヘイズ』は「自分が海の中を歩いている夢を見た体験について書いた曲なんだ」と語っています。

 

4.『胸いっぱいの愛を』/レッド・ツェッペリン(1969)

もしも“時代を超えた最も偉大なるギターリフマスター賞”なるものがあるとしたら、その栄誉は間違いなくジミー・ペイジに与えられるでしょう。アルバム『レッド・ツェッペリンII(Led Zeppelin II)』(1969)に収録された『胸いっぱいの愛を』のリフも、彼の素晴らしい代表作のひとつです。ブルージーかつ印象的でヘヴィなメインフレーズと、圧倒的なギターソロを聴かせるこの曲は、ツェッペリン・ファンにとって神聖なリフとなっています。

 

5.『アイアン・マン』/ブラック・サバス(1970)

ブラック・サバス初期の典型的なメタル・アンセム『アイアン・マン』。これほどまでにヘヴィで邪悪な臭いのするギターリフは、他にはないでしょう。1970年の大ヒットアルバム『パラノイド』に収録された『アイアン・マン』でトニー・アイオミが放つ威圧的なメインリフは、メタル・ファンの若者だけでなく、歳を重ねたファンにも世代を超えて愛されています。

 

6.『スモーク・オン・ザ・ウォーター』/ディープ・パープル(1972)

このリフを聴いて「ギターを弾いてみたい」と思った人も多いことでしょう。ギタリストのリッチー・ブラックモアが、世界で最も有名なこのギターリフを生み出した1972年以降、『スモーク・オン・ザ・ウォーター』は広く世界中の人々から愛されています。Gmのブルーズ・スケール4音に完全4度の和音を加えたこの有名なリフは、有名なブラックモアの黒い1968年製ストラトキャスター®から生まれました。この曲は、ディープ・パープルがスイスのモントルーで、バンドを代表するアルバムとなる『マシン・ヘッド』の製作中にレコーディングされています。

 

7.『ウォーク・ディス・ウェイ』/エアロスミス(1975)

ここにリストアップされた他のリフ同様、『ウォーク・ディス・ウェイ』も世代を超えて愛されているギターリフのひとつです。ギタリストのジョー・ペリーのファンキーでブルージーなリフが、スティーヴン・タイラーの速射砲のようなヴォーカルと絶妙に絡み合う、印象的で動きのある曲です。さらに、絶妙に跳ねたパワーコードのエクステンションとソロのキラーフレーズも加わり、最もギターフレンドリーな曲のひとつとなっています。

 

8.『クレイジー・トレイン』/オジー・オズボーン(1980)

オジー・オズボーンのデビューアルバム『ブリザード・オブ・オズ〜血塗られた英雄伝説』に収められた『クレイジー・トレイン』は、あらゆる面で桁外れに素晴らしい曲です。F#mのヘヴィなリフから度肝を抜くギターソロまで、偉大なる故ランディ・ローズの巧みなギターワークが光ります。イントロからエンディングまで攻撃の手を休めない『クレイジー・トレイン』は、リリースから30年以上経った今なお頻繁にオンエアされ、ギタリストの必修曲となっています。

 

9.『バック・イン・ブラック』/AC/DC(1980)

『クレイジー・トレイン』同様、『バック・イン・ブラック』もアンガス・ヤングによる攻撃的なリフと、ワイルドなギターフレーズが印象的な楽曲です。イントロのパワフルなEコードが聞こえた瞬間、誰もがこの伝説的なロック曲だとわかるでしょう。熱心なファンは、オープニングのハイハットを聴いただけでわかるかもしれません。

 

10.『スメルズ・ライク・ティーン・スピリット』/ニルヴァーナ(1991)

フェンダー・ムスタング®を手にしたカート・コベインの繰り出すエネルギッシュなリフは、ニルヴァーナのメガヒット・セカンドアルバム『ネヴァーマインド』(1991)がリリースされてからずっと、やり場のない怒りとパワーの興奮状態を煽り続けてきました。たった4つのパワーコードだけで構成されたシンプルながら説得力のあるこの楽曲は、ローリングストーン誌の選ぶ「オールタイム・グレイテスト・ソング500」の第9位にランクインしています。