アンチヒーローの登場

1958年に発表されたJazzmaster®は、ジャズアーティストの為に製作されましたが、その後に廃番となりました。質屋や倉庫などで埃まみれになっているところを、当時全く新しい音楽を想像していたサーフロック、ノイズ、シューゲイザーまたは、カントリーミュージシャン達に見つけ出され、受け入れられました。発表から60年経った今も、Jazzmaster®はクリエイティブな境界線を推し進める為に、新しい方法を模索しているアーティストや、アンチヒーローの為のツールとして、変わりなく存在しています。

KYLE HUNT: サイケデリックな魔法

BY ERIN BROMHEAD

The Black Angelsは音楽を作り続ける限り、サイケデリックバンドと呼ばれていくでしょう。テキサス州オースティンの5ピースバンドのその音を聞けば、なぜそう呼ばれるかすぐに理解できるはずです。しかしパーカッションやベースもプレイするマルチプレイヤーであり、バンドのキーマンであるカイル・ハントは自らをサイケデリックバントとは思っていません。「僕たちは、サイケデリックロックバンドだとは言いたくないんだ。バンドのサウンドはサイケデリックと言うにはヘヴィだし、それだけじゃないからね。」

「このバンドは、より実験的で、そのサウンドとレコーディングテクニックによって境界線を崩していってるんだよ。それにサイケデリックと呼ばれるバンドは、僕にとってそう、Grateful Deadに代表されるような、フラワーパワーのイメージがあるんだ。」

実際ハントは、それらを決して取り入れては来ませんでした。代わりに文字通り全く異なる「死」の暗い雰囲気からインスピレーションを得ていたのです。

「ニューヨーク見たVelvet Undergroundは、まるで吸血鬼のようだった。僕にとってはそれこそサイケデリックなものだったんだ。」私達はThe Black Angelsをどんなバンドと呼んだらいいの?と尋ねると彼はこう言いました。「人に聞かれた時は、こう答えるよ、ロックンロールバンドさ」

テキサスのロックンロールバンドは、アナログ機器を駆使して独特なサウンドを奏でることで知られていますが、ハントは純粋なアナログ主義者ではないと言います。新しテクノロジーをレコーディングプロセスに取り入れることをとても楽しんでいるのです。「僕はいい意味でこだわりがないんだ。必要なもの、役立つものを使ってるんだ。例えば新しいテープって今となってはファンキーだよね。でもレコーディングをして見たら使用済みのテープの方がうまく機能したから、使用済みのテープを使ったんだよ。でも、後から考えてみると、コンピュータに真っ直ぐ向かってたかもしれないよね。それほどアナログとデジタルを区別なく考えてるんだよ。」

もし、テクノロジーを取り入れるなら、抑制力を学ばないといけないでしょう。そうしないと、深みにはまり込み抜けられなくなってしまうからです。人々はサウンドやアイデアを託すことを恐れて来ました。でもテクノロジーをうまく使うことによって様々な実験ができるのです。例えば一つの楽器に10個のプラグインを使用するとか...。

どんな方法を使おうが、レコーディングのプロセスは家を改造するような作業です。土台がしっかりしていれば、どんなことでもできますが、土台が弱いと何をやってもうまくいかないでしょう。「ギターの音も、他の楽器の音もMIDI音源も、正しい音階に修正することができるけど、それで楽曲の質が向上するの?それって操作してるだけだよね。」

ハントとThe Black Angelsにとって、音楽製作のルールはありません。「僕にとっては、やってみて効果があるかを見極めるだけなんだ。もし、新しい地点まで連れてってくれるんだったら、何でも使ったらいいと思うよ。どんなリソースでも最大限活用した方がいい。」

60TH ANNIVERSARY TRIPLE JAZZMASTER®

60年前、レオ・フェンダーはエレクトリックギターの頂点としてJazzmaster®を発表しました。その後、カウンターカルチャーを牽引するプレイヤー達に愛されました。このモダンなトリプルピックアップは、クラシカルな楽器に流行を取り入れています。60th Anniversary Triple Jazzmasterは、そのカスタマイズ精神に敬意を評し、Jazzmasterをより特別なものとしています。(Coming Soon)