#FenderNews / AMERICAN ACOUSTASONIC™ TELECASTER®はどの様にして生まれたのでしょう
AMERICAN ACOUSTASONIC™ TELECASTER®はどの様にして生まれたのでしょう
この革新的なギターを開発した人々に、AMERICAN ACOUSTASONIC TELECASTERはどの様にして生まれたのかを聞いてみましょう。
「もし、私たちが現代的なアコースティックを作るとしたら、私たちに何ができるのだろう?」 3年程前に、製品開発部門のヴァイスプレジデントであり、プロダクトデザイナーでもあるブライアン・スワードフェガーがFender American Acoustasonicシリーズの製作を始めた理由です。
彼が考えたサウンドを実現するために、ブライアンは、ピックアップの開発者として名高いエンジニアのティム・ショウ、フィッシュマンのラリー・フィッシュマン、そしてフェンダーのチームと協力し、アコースティックの繊細なトーンから、力強いエレクトリック、そして、その間にある全てのサウンドを持つ、驚異的なギターを生み出しました。
この地を揺るがす様な、画期的なギターの登場によって、アコースティックとエレクトリックの境界線は明らかに変化し、プレイヤーは楽器を持ち替えることなく、様々なトーンを手に入れることができる様になります。
「ルールなんてありません」ブライアンは語ります。「私たちは新しい方法を考えることが許された世代です。デザイン哲学の一部として、現代のプレイヤーを観察してわかったことは、"スタイル"が不鮮明になってきている代わりに、様々な要素が融合して新しいものが生まれてきているということなんです。そのことにエネルギーを注いだ楽器を作ることができたら?と考えました」
「本当に重要なことが幾つかありました。フェンダーのギターですから、演奏しやすく、素晴らしいフィーリングを持っていなくてはなりません。膝の上で本当に素晴らしいサウンドを生み出さなくてはならないのです。そう、私たちは世界で一番のエレクトリックギターの会社。我々はフェンダーなんです。」
プロジェクトを立ち上げた初期の段階で、ブライアンは、ナッシュビルにいるサウンドのエキスパートであるティムに連絡をしました。長年フェンダーのピックアップ開発の第一人者として活躍しているティムは、このプロジェクトにとても興味をそそられました。
「私たちは、音の共鳴について、どうしたらその性能を最大限に引き出せるのかを話合いました」ティムは続けます。「本当に興味深かったのは、アコースティックの様に反応するにも関わらず、1 3/4(約5cm)インチの厚みしかなかったことでした」
スケッチは、3Dのデザインとなり、遂にプロトタイプが完成しました。
とても薄くて軽い、サテンフィニッシュのホローボディを持ったこのギターは、十分な音量で、素晴らしく共鳴するものでした。
次に重要な開発は、このギターに"声"を与えることでした。特許出願中の"Stringed Instrument Resonance System"と呼ばれるサウンドポートは、ボディ内部の空気の流れをコントロールするために滝の様なデザインが採用されています。
「私たちはそのサウンドポートの直径と深さを、いくつも試して見ることにしました。その結果、素晴らしいポイントを見つけたのです。これだ!ってね」ティムはその時のことを思い出します。
次のチャレンジは、エレクトリック部品でした。ブライアンとティムはフィッシュマンの社長であるラリーに連絡をし、幾つかのテストを行った後、遂に" Acoustasonic's Acoustic Engine"が完成したのです。伝統的なアナログの技術と、未来的な技術を使用した独自のブレンドは、ギター本来のナチュラルなサウンドを最適化し、共鳴を調整してきめ細やかな"声"を届けます。
「私たちは本当に驚かされました」ラリーは続けます。「この楽器のパフォーマンスは、予想を遥かに超えて素晴らしく、そこにいた多くの人たちが、一度に心から満面の笑みを浮かべました。そんな光景は今まで見たことはありません」
ブラインとティムは、この素晴らしい楽器をカリフォルニアのコロナ工場で生産することにしました。
「私たちが、ゲームチェンジャーを手に入れたと自覚した瞬間です」ブライアンは語ります。「このギターはコロナ工場で作るべきだと。USA製のモダンなアコースティックとして、フェンダーの思いを込めて」
「このギターが生み出す音楽は、次世代に影響を与えるでしょう。そう、インスピレーションを受けたいプレイヤーにとって。」
長年の努力の末、夢から始まったプロジェクトは、遂に現実のものとなりました。
「40年間頭の中にあった音が、今ここにあるんです」ティムは言います。「悪い音のはずがないでしょう。そこが私がフェンダーが好きな理由の一つなんです」
「フェンダーの楽器にプラグを挿せば、すぐにあなたが"プレイしたい"と思えるサウンドを手に入れることができるんです」