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70th Anniversary Fender Broadcasterとその歴史

1950年に世界初のデュアルピックアップのエレクトリックスパニッシュギターとして登場した"Broadcaster"は、その後の音楽を変えることになったのです。

70th Anniversary Fender Broadcaster

1950年の秋にデビューした"Broadcaster"は、その後の音楽シーンを大きく変えることとなるのです。

その夢は1940年代に始まりました。当時ラップスティールギターの中の一つとして認識されていたフェンダーは、製造が簡単で、 プレイアビリティが高く、かつ実用的なエレクトリックスパニッシュギターの製作を始めました。

そして誕生したギターは、とても新鮮で素晴らしいものでした。エレクトリックギター自体は1920年ごろから様々な形で存在はしていましたが、1940年代の終わりから50年代の初めにフェンダー製作したものは、それまでのものと違い、大量生産が可能なソリッドボディのエレクトリックギターでした。

発表当初「まるでボートのパドルのようだ」と言う人や、「シャベルみたいだ」と言う人も多くいましたが、ミュージシャンたちが手に取り演奏を始めると、すぐにその素晴らしさに気づいたのです。


 
 
 

"Broadcaster"と呼ばれたこの楽器は、優れたデザイン、卓越した演奏性そして値段も手頃でしたが、何よりも優れたそのサウンドが多くの人を惹きつけました。

ニトロセルロースラッカーで仕上げたホワイトブロンドのアッシュボディ、しっかりと安定性を確保するためにトラスロッドを採用した(ウォルナット製のスカンクストライプの入った)メイプルネック、シングルプライのブラックピックカード、2つのクリアなサウンドを出力するピックアップ、3種類のサウンドを操るスイッチングなど採用した"Broadcaster"は、フェンダーをエレクトリックギターの中心へと導いたのです。

しかし、"Broadcaster"の名前は長くは続きませんでした。

"BroadKaster"というドラムの商標を持っていたGretschの申入れにより、"Broadcaster"という名前は使用できなくなり、ヘッドのデカールからその文字が消えることになりました。その時期に生産されたギターは、"Broadcaster"の文字がないことから"Nocaster"と呼ばれています。

その後、この革新的なギターは、皆さんがご存知の通り"Telecaster"と呼ばれるようになります。一方、結局僅か250台しか生産されなかったと言われている"Broadcaster"は、必唾のコレクターズアイテムとなりました。

その誕生から70年が経った今、70th Anniversary Fender Broadcasterがリリースされ、この象徴的なギターの誕生に想いを馳せます。

シングルプライのフェノール製ピックガード、ブロンドカラーのアッシュボディ、Uシェイプのネック、Fender Custom Shopデザインの'50-'51 Blackguard ピックアップ、70周年を記念した特別なネックプレート、そして刺繍入りのスペシャルケースも付属しています。

通常のTelecasterと同じ配線を採用していますが、このモデルに付属するBroadcasterワイヤリングキット(15k抵抗、および配線図)を使用することで、オリジナルのBroadcasterに採用されていた"ブレンド"回路を再現することができます。

また、Fender Custom Shopからも、4種類の(NOS Time Capsule、Journeyman Relic®、Relic®、Heavy Relic®)のモデルが同時にリリースされています。

"Broadcaster"は、その短い歴史の中で大きなインパクトを与え、その影響は今でも続いています。


70TH ANNIVERSARY BROADCASTER®

70th Anniversary Broadcaster®

オンライン価格:243,000円(税抜)