#FenderNews / WHAT IS ORIGINAL? studied by HAMA_OKAMOTO #5

WHAT IS ORIGINAL? studied by HAMA_OKAMOTO

WHAT IS ORIGINAL? studied by HAMA_OKAMOTO #5 -Logo-

The NAMM Show 2018にて発表された、50〜70年代のフェンダーをリイシューした新シリーズ「American Original」。その誕生を記念し、フェンダーがどのような変遷を辿ってきたのかを各パーツごとに紐解く連載。Precision Bassをメインに愛用し、フェンダーに造詣の深いOKAMOTO'Sのハマ・オカモトを迎え、時代背景やプレイ・スタイルの変化といった考察も交えながらパーツの変遷について軽妙なトークを展開する。


やっぱりスパロゴはかっこいい

 

ハマ・オカモト(以下:ハマ)   まず“ロゴとはなんぞや?”ということですが、ヘッド部のフェンダーというブランド名と、Stratocaster、Telecaster、Jazz Bassなどモデル名が記されたシール(デカール)のことですね。分かりやすく言うとタトゥーシールに近いというか?

―  そうですね。最終的には手で貼るからすごくアナログな作業ですよね。

ハマ   今も手作業で貼っているんですか?

―  手作業なんですよ。

ハマ   ということはセンスが大事になるわけだ。もっとも個体差が出る作業と言っても過言ではないですね。

―  よく見ると、位置は少しずつ違ってたりします。

ハマ   そうですよね。新しく楽器を買うとなったときに、様々な要素がある中でデカールの要素って実は大きい気がしていて。少し位置がズレているだけでなぜか違って見えてしまったり。統計を取ったら面白いかもしれませんね。“この人いつも右寄りだな”とか(笑)。

―  あるかもしれませんね(笑)。Stratocasterはヘッドのアウトラインが目印になっているから、わりと正解の位置が見やすいんですけど、Telecasterは貼る位置が難しいですよね。だからTelecasterは比較的個性が出やすいかと思います。

ハマ   で、ロゴというのはつまりシールなわけで。そのシールの種類が時期によって変わると思うのですが、最初期のスパゲティロゴは何年まで使用されていますか?

―  ギターで言うと64年までですね。

ハマ   ベースも64年中期までなのでほとんど時期は一緒ですね。銀文字で黒縁の見た目がウネウネしているという理由でスパゲティロゴ、通称“スパロゴ”と呼ばれています。やっぱりスパロゴはかっこいい。

―  最初のロゴということですよね。シールだから周りを切ってるんだけど、その形だけで年代がわかる人もいるみたいですよ。

ハマ   え〜! シールの縁の切り方で!?

―  微妙に違うと。

ハマ   そのスパロゴが64年までで、そのあとはトランジションロゴ。通称“トラロゴ”。黒縁に金文字のロゴです。

―  Jazz Bassは発表の60年からトラロゴなんですよね。

ハマ   それではジャズベにはスパロゴの時期がないんですね。JaguarやJazzmasterは?

―  Jazzmasterにはスパロゴがありますが、Jaguarにはないです。

ハマ   なるほど。ではJazz BassやJaguarで一足先に使われていたトラロゴが、64年中期からその他の機種でも使われるようになったと。

―  Jazz Bassは60年に、Jaguarは62年に上位モデルとして開発されましたから、その証だったんだと思います。

ハマ   そして、トラロゴの次はモダンロゴですね。でっかいやつ(笑)。少し角ばってるデザインが男な感じで。楽器の流れについて念のため触れさせてもらうと、65年に工場がCBSの傘下に入って、デザインの方向性や楽器の色々なものが変わっていくフェンダーの歴史の中でも重要な年が65年で、それに伴って68年頃にロゴが大きくなっていくと。全体的に黒くなるというか。

―  より目立つようにハッキリ見えるようになるってことですよね。

WHAT IS ORIGINAL? studied by HAMA_OKAMOTO

ハマ   モデル名の変化なんて歴然ですもんね。

―  ライブやテレビでもハッキリ見えるように露出を考えたと言われています。

ハマ   なるほど。プロモーションというか広告的な考え方ですね。

―  確かに茶色系のヘッドに金文字の細いロゴが貼ってあっても、目立つ感じはしないですもんね。

ハマ   ましてやテレビと言ってもという時代ですし。目視しやすくなったということですね。

―  そのロゴを収めるためにラージヘッドになったという理由もありますよね。

ハマ   なるほど。ラージヘットは何年からですか?

―  66年ですね。と言ってもラージヘッドはStratocasterだけですけど。

ハマ   そうか、ということはストラトが一番売りたいモデルだったのかな。

―  それと、モダンロゴになると同時に、デカールを塗装の下に貼るようになります。それまでは塗装の上に貼っていました。

ハマ   なるほど。ブランドと商品名なので“消えちゃダメだ”と気づいた(笑)。

―  完全にそういう視点ですよね。数あるメーカーの中でも、塗装の上からロゴを貼ってるのってフェンダーだけでしたから。

ハマ   確かに。ブランド名だからエンブレムにしたいわけじゃないですか。だから手の込んだインレイにするメーカーもありますし。そこで、塗装の上からデカール貼るだけというのはフェンダーらしいですね。爪で剥がれたりしますし。

―  剥がれますね。弦を張り替えるときに弦が刺さってペロッてロゴが剥がれることもありますから。それが68年にやっと改善されました(笑)。

ハマ   ははは(笑)。

―  American Originalも、塗装の上からのシールを再現しているので扱い方によっては剥がれてしまいます。

ハマ   みなさん、モデルによってはせっかくのロゴが剥がれる可能性もあるので、クリップチューナーはなるべくヘッドの先端に装着しましょう。

AMERICAN ORIGINAL SERIES

OKAMOTO'S


中学校からの同級生で結成された4人組ロックバンドOKAMOTO’S。 メンバーは、オカモトショウ(Vox)、オカモトコウキ(Gt)、ハマ・オカモト(Ba)、オカモトレイジ(Dr)。全員が岡本太郎好きで、ラモーンズのように全員苗字はオカモト姓を名乗る。

2010年、日本人男子としては最年少の若さでアメリカ・テキサス州で開催された音楽フェス「SxSW2010」に出演。アメリカ七都市を廻るツアーや豪州ツアー、香港、台湾、ベトナムを廻ったアジアツアーなど、海外でのライヴを積極的に行っている。

これまでシングル8作品、アルバム7作品を発表。2015年9月にはメンバー渾身のロック・オペラアルバム「OPERA」を発売。2016年6月3日からは「OKAMOTO’S FORTY SEVEN LIVE TOUR 2016」と題した、キャリア初の47都道府県ツアーを敢行し、ツアーファイナルは日比谷野外大音楽堂にて開催された。

2017年8月2日には約1年半ぶりとなるオリジナルフルアルバム「NO MORE MUSIC」をリリース。また、同年10月には、東京・中野サンプラザにてキャリア初のホールワンマンを開催し、チケットは瞬く間に即完。その後アルバムを引っ提げ全国23か所を回るツアー「OKAMOTO’S TOUR 2017-2018 NO MORE MUSIC」を敢行。

2018年1月28日Zepp Tokyoにてツアーファイナルを開催、大盛況の内にツアーを完遂した。

› OKAMOTO'S:http://www.okamotos.net