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エリック・ジョンソンの驚くべきサウンド作りとは?

EJの絶妙なトーンを再現する機器やテクニックを分析

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ATLANTA, GA - FEBRUARY 27: Eric Johnson performs at Fox Theater on February 27, 2016 in Atlanta, Georgia. (Photo by Chris McKay/Getty Images)

ほとんどのギタリストは「エリック・ジョンソン」について語る時、まず深く息をつき、「どうしたら彼のようなサウンドが出せるようになるんだろう?!」と驚嘆の声を上げるでしょう。フレットボード上を踊るロック・インストゥルメンタル/エクスペリメンタルのプレーヤーとして知られるエリック・ジョンソンは、ブルーズ、ソウル、ニューエイジ、ジャズ・フュージョンにも精通しています。彼は、これらさまざまなジャンルの要素を(場合によってはさらに他のジャンルも)自身のプレイに取り込み、典型的なペンタトニック・スケールを超越した、メロディックな船で海図にも載っていない海への航海へと出発するのです。

彼の音楽がジミ・ヘンドリックスやジェフ・ベックから影響を受けていることは明らかですが、それらの音楽がエリック・ジョンソンのサウンドの中に溶け込んでいるというよりも、彼自身がヘンドリックスやベックの音楽を「分解」していると言えます。彼のテクニックは決して斬新なものではありませんが、彼のプレイは数百万ものファンを魅了し、1990年にリリースした『Ah Via Musicom』はプラチナ・アルバムとなりました。

エリック・ジョンソンの使用する基本的な機器やテクニック、そして言葉では説明できない彼の驚くべき特徴を見ていきましょう。


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エリック・ジョンソンのギター:ストラト、ストラト、そしてストラト。

エリック・ジョンソンモデルのStratocaster®を手に取ったことのある方や、(或いはさらに進んで)彼のモデルを所有しているプレーヤーは、通常のネックシェイプの常識を覆す'57年スタイルのハードVネックと、ストリングツリーのないヘッドストックという、2つの大きな特長に気づいたことでしょう。EJは、ギターのトーンに干渉する要素であるとして、ストリングツリーを取り除いてしまいました。もちろん、ただ取り除くだけでは、弦がアンカースロット内にしっかり固定されないというアングルの問題が発生します。この問題に対処するため、ヘッドストックのピッチを物理的にやや低くすることで、弦のアングルが自然に下向きになり、スタッガード・チューナーとの相乗効果で、ギターの自然な(かつ遮られることのない)サスティーンを維持しています。

彼の使用する弦のゲージは「.010、.013、.018、.026、.038、.050」です。


テクニック:ダウンワード・ピックスランティング

イングウェイ・マルムスティーンや、マーティ・フリードマンのプレイにもよく見られる、ダウンワード・ピックスランティング。それはエリック・ジョンソンのスムーズかつダイナミックなサウンドにも欠かせないテクニックとなっています。

いつも通り自然にピックを握り、ピックを持った手のアングルを下(床方向)へ傾けます。同時にピックの先端がやや上向きになるようにします。このポジショニングを維持することで下から上方向へのピッキングが容易になり、異なる弦間を移動する際も、ジャンピングやストリングホッピングよりも素早く弾くことができます。


エフェクター:トーンの種類別検証

クリーン・トーン
EJはクリーン・ステレオ・セットアップに、ステレオ・コーラスと伝統的なデジタル・ディレイを使用している、と言われています。

リズム・トーン
リズム・セットアップでは、ディレイ・ループを使用して別のアンプ/トーンへ飛ばし、オリジナルのアンプ/トーンをリピート再生しています。

ダーティ・トーン
ブレイクアップ/ダーティなリズム・セットアップにオーバードライブ(ゲインとボリュームはやや絞り気味)を使用していることが知られています。さらにビンテージのDallas-Arbiter Fuzz Face、Maestro Echoplex、最新のオクターブ・ファズを3番目の(リード)アンプへ繋いでいます。また、トレブルを2または0に設定しているという噂もあります


アンプ:アンプ・コレクター

トーンを作り出す最後の砦となるアンプ。EJは1台、いや2台以上のアンプをそれぞれ別の目的で使用しています。ただし、彼はそのすべてを同時に使用することはなく、各曲のプレイ中に使い分けています。ステレオ・リズム・セットアップには、Vintage Fender TwinとVintage Deluxe Reverbを切り替えて使用します。サウンドを圧倒することなく「ダーティ・リズム」を作るためにはMarshallヘッド1台(キャビネット付)を使用し、リード・トーンには別のMarshallを設置しています。さらに注目すべきことにEJは、各アンプに対応した異なるペダル・チェインを用意しています。A/Bボックスを使用してさまざまなアンプを駆使することで、無限の可能性が広がります。

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トーンにまつわる噂話

「エリック・ジョンソンはパーフェクトなトーンが得られるまで、ペダルにセットした9ボルト電池の電圧を消耗させている」という噂話を耳にしたことのある方もいるでしょう。中には、エフェクターのオン/オフを続けられる程度までに電圧降下した9ボルト電池のサウンドを再現するための(と思われる)「SAG」オプションを備えた、マルチアウトプット・ペダルボード・パワーサプライを提供するメーカーもあります。彼独自のサウンドは「すべてピッキング・テクニックによるもので、使用している機器はそれを伝える役割を果たしているにすぎない」と主張し、そのような噂話を鎮めようとしてきました。

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結論:EJのサウンドを追求することはやめられない

きっと多くの皆さんは「(EJのサウンドを再現するのは)複雑すぎてお金もかかる。いったいどうしたらいいんだ?」と思っていることでしょう。

お気に入りの中からどんなギターを選択したとしても、スウィートなシズル・サウンドを出すためにはブリッジ・ピックアップを選択してください。Fender Hot Rod Deluxe®のようにノーマル/ドライブ/モアドライブの3チャンネルを搭載したアンプがあれば一番よいのですが、チャンネル切り替えのないアンプの場合は、安価で使いやすいトゥルー・バイパス・ルーパーを入手することをお勧めします。チューブスクリマークローン、ディレイ、コーラス、ファズをひとつのチェインに繋げば、準備完了です。


エリック・ジョンソンのサウンドを再現するもうひとつの方法

エリック・ジョンソンのきらめくトーンを今すぐ再現してみたい場合は、どうしたらよいでしょうか? 新しいMustang® GTアンプ・シリーズに搭載さレテいる、彼の素晴らしいトーンにインスパイアされたプリセット「EJ」と「Green Cliffs」を試してみてください。

どちらのプリセットも、プリFXにオーバードライブやコーラスを繋ぎ、ポストFXスロットにテープ・ディレイを繋いだクラシック・ブリティッシュ・アンプをベースに作られたユニークなサウンドです。

MUSTANG PRESET: GREEN CLIFFS

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MUSTANG PRESET: EJ

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