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クォーターソーンネックの魅力

鮮やかなトーンを生み出す柾目のネックの秘密

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ハイエンドのギターやベースの多くには、クォーターソーンネックが採用されています。その理由は、なんでしょうか?

クォーターソーンとは木材を柾目状に切り出す手法のことです。柾目とは、年輪が平行な木目のことを言うのですが、柾目の木材を採用したネックは強度が高く、様々な面において板目のものよりも優れています。柾目の木材は希少でコストが高くなるため、クォーターソーンネックを採用したギターやベースは、一般的なものよりも価格が高くなっています。

アメリカでは木材の大半が、板目(または平びき)状に切り出されます。切り出された木材の木目は、平行になっている部分もあれば、60〜70度に弧を描いている部分もあります。丸太材にまっすぐ歯を立てるこのシンプルで簡単な切り出し方は、無駄な部分をほとんど生まないために、コストを安く抑えることができます。このような理由で、板目の切り出し方は世界的にスタンダードとなっているのです。

一方、柾目状に切り出された木材は、木目が縦にまっすぐ伸びているのが特徴です。柾目の木材は頑丈で反りにくいだけでなく、平行に走った木目の落ち着いた美しさも魅力です。

ハイエンドなギターの多くに採用されているクォーターソーンネックは、板目の木材から作られたネックと比較して、約1.5倍の強度を誇ります。柾目の木材は反りや伸縮に強いだけでなく、色付けという面でも有利なことから、ギターのネックには非常に適しているのです。

クォーターソーンを採用することで、木材からより多くの無駄な部分が生まれるということはありません。しかし、クォーターソーンがより多くの時間と技術、そして通常よりも大きな木を必要とするのは事実です。このためクォーターソーンネックを採用した楽器は、一般的なものよりも価格が高くなっているのです。