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Fender American Series Vol.1 | American Professional【前編】

 American Series

それぞれ特徴のあるシリーズ分けにより、幅広いラインナップとなったフェンダーのAmerican Series。現在はおもに3つのシリーズを展開しているが、ここでは、東京スカパラダイスオーケストラの加藤隆志、そして日野"JINO"賢二という、楽器パートを超えたトッププレイヤーによる対談から、アメリカで製作されたフェンダーの魅力を伝えたい。まずは、これまでAmerican Standard Seriesの後継機種として親しまれてきた新シリーズ、American Professionalから始めよう。

自分が思っている音や、自分のなかで流れている音楽をバッと出せることが大事。 ー 日野"JINO"賢二
 

加藤隆志(以下:加藤) JINO(日野"JINO"賢二)さんと一緒に音を出すのは初めてなので、今日は楽しみにしていました!

日野"JINO"賢二(以下日野) 僕もです! あれ? このギターのボディカラー、スーツにバッチリじゃないですか。

加藤 まさに最近、自分のメインギターで使っているのがこのAmerican Professionalなんです。僕はずっと65年製のヴィンテージのStratocasterを弾いていて。ピックアップはもちろん3シングルですし、ほとんどそれしか弾いたことがないっていうぐらい、フェンダーのヴィンテージ専門でここまで来たんですよね。でも、きっかけは、今、ハカランダ材の輸出入が難しくなっていて。

日野 そうらしいね。

加藤 海外ツアーの際、もしかしたら出国の際にひっかかるかもしれないっていう話を聞いたんです。それはちょっと大変だっていうことでフェンダーに相談したときに、American Professionalなど、現行のフェンダーのモデルで良いのがたくさんあるから試してみませんか?っていう提案があって。一番最初はSonic grayのシングルコイルだったんですけど、サウス・バイ・サウスウエストっていうフェスに出演する際に持っていったら、“あっ、これ、けっこう自分に合ってるかも!”って思って。そのあと、雑誌の取材でリアがハムバッカーのタイプを初めて弾いたんです。ハムバッカーなんだけど、意外とシングルとのちょうど中間点みたいな感じで、現代風のサウンドにすごく合うなと思って、1本入手したんですよね。

日野 へ〜! バッキングするときはいつもフロントを使ってる? それともハーフトーンでやってるの?

加藤 これがまさに、ディストーションをかけて少しヘヴィなリフを弾くときはリアを使うんです。で、今、セッションしたみたいな、オーセンティックなスカのときには、シングルのセンターピックアップに切り替えて。

 
 
 

加藤 最高です! JINOさんのスカ、ヤバいですね。

日野 その音楽を聴けば、こう弾けっていうのが聞こえてくるんですよね。で、指が自然に行っちゃう。僕もオールドの楽器は大好きで。加えて、楽器店に行ってもたくさん弾いてチェックするんですけど、フェンダーの音が他のベースと何が違うかって、ちゃんとローとミッドとハイが出ることなんですよ。

加藤 確かに。

日野 ドンシャリだったりローがいっぱい出たりする楽器は多いんですけど、フェンダーはバランスが良いんですよね。そして弾きやすい。今弾いているはアルダーボディにローズウッド指板だけど、軽量なのもいいし、ピックアップがとても良い。無理に力を入れなくてもこのトーンが出るっていうのも、フェンダーのすごいところですよね。優しく弾いてもローがしっかり出るし、強く弾いても暴れない。

〜日野によるベースプレイ〜

加藤 気持ちいい! 1拍の情報量がすごいですね。本当に気持ちいいです。

日野  弾きやすい楽器だからね。自分が思っている音や、自分のなかで流れている音楽がバッと出せる楽器っていうことが大事。とにかくトーンがいい。

加藤 ストレスなく、ですね。

日野 そうそうそう。それは大事ですよね。

加藤 今、サウンドが本当に気持ち良かったですね。びっくりしました。JINOさんと言えば、ファンクっていうイメージが強いので、レゲエやルーツミュージックも感じるのが新しい発見でした。JINOさんのプレイは、レゲエとファンクなどいろんなものがミックスされていて、めちゃくちゃ気持ちいいです。

日野 いや、本当にこのベースのおかげですよ。

加藤 “ちょっとお酒をもらおうかな”みたいな気持ちになってきました(笑)。最高です。あと、自由にリズムが作り出せるので、今回みたいなドラムレスのセッションもいいですね。


American Professional Series

ヴィンテージのサウンドとモダンなプレイアビリティを融合させたハイブリッドなモデル。American Professionalシリーズは、クリエイティビティと表現の境界を押し広げ、従来の表現の域を超えようと願うすべてのプレイヤーのために開発されました。新開発のV-Modピックアップは複数種類のアルニコマグネットを独自にミックス配列し、よりヴィンテージなトーンを実現します。ハムバッカーに関しては再デザインされたShawbuckerを搭載。ナロートールフレットを採用、ネックシェイプについてはAmerican Professional StratocasterAmerican Professional Telecasterでは、「モダンC」と「U」の中間ともいえる「Deep C」。また、American Professional Precision Bassは'63プレシジョンベースネック形状を、American Professional Jazz Bassはパフォーマンスを追求したスリムかつモダンな「Slim C」ネック形状がスムーズな演奏をサポートします。

PROFILE

加藤隆志(東京スカパラダイスオーケストラ)
ジャマイカ生まれのスカという音楽を、自ら演奏する楽曲は"トーキョースカ"と称して独自のジャンルを築き上げ、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、南米と世界を股にかけ活躍する大所帯スカバンド。アメリカ最大のフェスティバル、Coachella Music Festivalでは日本人バンド初となるメインステージの出演を果たした。オーセンティックなSKAからジャズ、ロックまでをも提示できるミュージカルパフォーマンスで世界中のSKAバンドの中でも特筆すべき存在であり、海外のアーティスト、音楽関係者も来日の際にはスカパラの音源を手に入れるためレコード店に足を運ぶなど、世界中のSKA愛好家たちにとってその名は憧れの対象であり続けている。89年、インディーズデビュー。幾度となるメンバーチェンジを乗り越え、現在のメンバーは合計9人。今なお常に最前線で走り続けている。
› Website:http://www.tokyoska.net


日野"JINO"賢二
ベーシスト、ソングライター、シンガー、アレンジャー、音楽プロデューサー。東京に生まれ、7歳の時に家族でNYに移り住む。NYの音楽と芸術の専門高校へ入学し、同学校の卒業生にあたるマーカス・ミラーに影響を受ける。またその頃にジャコ・パトリアスに師事。卒業後、アポロシアターでのハウスバンドをはじめ、Joe,ジェシカ・シンプソン,メーシー・グレー,ネーザン・イースト,ブロンディ−のデボラ・ハリー、数多くのアーティストと活動を共にする。 2003年、初のリーダー・アルバム『ワンダーランド』、続いて『JINO』をユニバーサル・ミュージックよりリリースし,グループとしてでは: 『TKY』(Sony),Faz Jaz (Vega),TetsuJino (King),Tri-Horn Buffallo(CJE)これを機に活動拠点を日本に移す。

近年はMISIAツアーメンバーやレコーディングに参加。数々のアーティストの作曲,アレンジャーやプロデューサーとして、Boyz II Men,AI,Def Tech,西野カナ,黒木メイサ,May J.,さかいゆう,Minmiなど数々のライブ/レコーディング・ワークスで活躍している。三枚目のリーダーCD最新アルバムは2014『JINO JAM』,DJ Jeff Millsのバンド「スパイラル・デラックス」三枚目2018年9月15日リリース
› Website:https://www.facebook.com/kenji.hino


› Vol.1 American Professional【前編】
› Vol.2 American Professional【後編】
› Vol.3 American Original【前編】
› Vol.4 American Original【後編】
› Vol.5 American Elite【前編】
› Vol.6 American Elite【後編】(近日公開予定)


 American Series

› フェンダー X デジマートのスペシャル企画。3つのAMERICANシリーズを徹底解剖。詳しくはデジマートの特集ページで。