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Fender American Series Vol.3 | American Original【前編】

 American Series

ルーツを継承しながら、多様化する現代のプレイヤーに向けて開発されたAmerican Originalシリーズ。「50年代、60年代、70年代の代表的な仕様の再現」を軸にそれぞれの年代の特徴を捉えつつ、9.5インチという、ややフラットな指板ラディアスを採用するなど、現代的なアレンジも加えられている。自然発生的に生まれたふたりのセッションを通じて、このシリーズに対して加藤とJINOが感じたこととは?

その人が有名になったとき、その顔となる1本になるかもしれない。ー 加藤隆志(東京スカパラダイスオーケストラ)
 

加藤隆志(以下:加藤) JINOさんと音を出すのは本当に気持ちいい。JINOさんとだったら何時間でもやれますね。このまま夜のライヴもやろうかな(笑)。

日野"JINO"賢二(以下日野) あはは。スカパラではStratocasterを使っているの?

加藤 そうです。ちょうどこの楽器(American Original ‘60s Stratocaster)のモデルとなっている年代で、65年のレイクプラシッドブルーのストラトを97年ぐらいに購入しました。それからずっと弾いているんですよね。ボディの塗装もボロボロに剥げちゃって。

日野 塗装が剥げているの、カッコいいよね。そういうギター、大好きです。

加藤 海外で持って行くと、そのギター、そろそろ休ませたほうがいいんじゃないの?って言われるくらい、海外のフェスでもヴィンテージを弾いているバンドが少なくなってきていて。それでも勇敢に弾いていると、いろんなミュージシャンから声をかけられるんですよね。

日野 ヴィンテージはケアが大変だからね。誰かが間違えて倒して壊れたりもするし。そういう意味で、Fender Custom Shopの楽器を使っている人も多くて。でもFender Custom Shopの楽器は価格的にも、なかなか買えないじゃないですか。一方、この値段でこのレベルの音が出せるっていうのは、やっぱりすごいと思う。

 
 
 

加藤 僕が使っているAmerican Professionalはブリッジが2点支持だったんですけど、実は僕、6点支持のブリッジが大好きで、それだけ交換させてもらったんですよね。だから、弾いている印象はAmerican Professionalよりも、6点支持であるこのAmerican Originalのほうがしっくりくるというか。価格設定的には、高校の頃からバンドをやっていて、大学生になってバイトができるようになった人が、バイト代をはたいて買うときの1本っていうイメージ(笑)。そのタイミングに買ったギターって、その人がプロになって有名になったときに、その人の顔になったりするじゃないですか。だから一番大事な1本になるかもしれないです。僕の場合は、それからヴィンテージにハマっていって。当時はめちゃくちゃ高価で、これはもう実家に戻れないぞ、みたいな感覚でしたからね(笑)。

日野 じゃあ、このAmerican Originalを弾いていても違和感はない?

加藤 そうですね。むしろ、実際に僕が弾いてきたものに近いかもしれません。JINOさんにとって、一番最初にプロを意識したときに使っていたベースは?

日野 66年のパドルペグのムスタングベースですね。で、いつかジャズベースもプレシジョンベースもお金を貯めて買えればいいなあ……っていうくらい、高校生の頃はフェンダーフェチで。

加藤 へえ〜! それはニューヨークにいた頃ですよね?

日野 そう。あとはジミ・ヘンドリックスのウッドストックのビデオもよく観ていて。ノエル・レディングも、ビリー・コックスもジャズベースだから。そしてジミはストラトじゃない? あれを観たら影響を受けちゃうよね。ああいう音が本物の音なんだ、と。

加藤 確かに、あのバンドのメンバーはずっとフェンダーでしたよね。


American Original Series

フェンダーのルーツとなる「50年代、60年代、70年代の代表的な仕様の再現」を軸に、現代のプレイヤーに向けて開発されたのが、このAmerican Originalシリーズ。例えば、American Original ‘60s Stratocasterはラッカーフィニッシュのアルダーボディで厚めの"60s C”ネックシェイプという組み合わせとなり、American Original ‘50s Stratocasterはラッカーフィニッシュのアッシュボディに厚めの"Soft V”ネックシェイプという組み合わせで、両者とも9.5インチR指板を採用するなど、当時の伝統的な特徴とモダンなスペックを持ち合わせている。

PROFILE

加藤隆志(東京スカパラダイスオーケストラ)
ジャマイカ生まれのスカという音楽を、自ら演奏する楽曲は"トーキョースカ"と称して独自のジャンルを築き上げ、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、南米と世界を股にかけ活躍する大所帯スカバンド。アメリカ最大のフェスティバル、Coachella Music Festivalでは日本人バンド初となるメインステージの出演を果たした。オーセンティックなSKAからジャズ、ロックまでをも提示できるミュージカルパフォーマンスで世界中のSKAバンドの中でも特筆すべき存在であり、海外のアーティスト、音楽関係者も来日の際にはスカパラの音源を手に入れるためレコード店に足を運ぶなど、世界中のSKA愛好家たちにとってその名は憧れの対象であり続けている。89年、インディーズデビュー。幾度となるメンバーチェンジを乗り越え、現在のメンバーは合計9人。今なお常に最前線で走り続けている。
› Website:http://www.tokyoska.net


日野"JINO"賢二
ベーシスト、ソングライター、シンガー、アレンジャー、音楽プロデューサー。東京に生まれ、7歳の時に家族でNYに移り住む。NYの音楽と芸術の専門高校へ入学し、同学校の卒業生にあたるマーカス・ミラーに影響を受ける。またその頃にジャコ・パトリアスに師事。卒業後、アポロシアターでのハウスバンドをはじめ、Joe,ジェシカ・シンプソン,メーシー・グレー,ネーザン・イースト,ブロンディ−のデボラ・ハリー、数多くのアーティストと活動を共にする。 2003年、初のリーダー・アルバム『ワンダーランド』、続いて『JINO』をユニバーサル・ミュージックよりリリースし,グループとしてでは: 『TKY』(Sony),Faz Jaz (Vega),TetsuJino (King),Tri-Horn Buffallo(CJE)これを機に活動拠点を日本に移す。

近年はMISIAツアーメンバーやレコーディングに参加。数々のアーティストの作曲,アレンジャーやプロデューサーとして、Boyz II Men,AI,Def Tech,西野カナ,黒木メイサ,May J.,さかいゆう,Minmiなど数々のライブ/レコーディング・ワークスで活躍している。三枚目のリーダーCD最新アルバムは2014『JINO JAM』,DJ Jeff Millsのバンド「スパイラル・デラックス」三枚目2018年9月15日リリース
› Website:https://www.facebook.com/kenji.hino


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› Vol.6 American Elite【後編】(近日公開予定)


 American Series

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