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Code "F" Vol.5 | ヤジマレイ、レイ キャスナー(FAITH)

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ビギナーにとって最初の難関と言えるテクニックが“F Chord”。このコードを上手く押さえられずにギターを辞めてしまう人が多いが、ミュージシャンやプレイヤー人生においても、難関を超えられずに無限大の可能性を前に挫折してしまう人が多くいる。そんな中、困難を乗り越え、音楽業界の大海原に漕ぎ出した可能性に満ちたミュージシャン/プレイヤーにスポットを当てる『Code“F”』。彼らはどうやって最初の難関を乗り越え、そして今どのような景色を見ているのだろうか。第5回目は、平均年齢20歳の男女5人組バンド“FAITH”から、ヤジマレイ(Gt,Vo)とレイ キャスナー(Gt,Vo)が登場。


すべての弦をセーハしていないと気づいた時、すぐに弾けるようになりました

―  ギターを始めたきっかけは?

レイ キャスナー(以下:レイ)  お兄ちゃんが中学3年ぐらいの時にギターを買って、友達とバンドをやり始めたんです。で、兄ちゃんのバンドメンバーの弟がFAITHのドラム(ルカ メランソン)に当たるんですけど、そいつと僕らも“バンドやろうよ”って。それから兄ちゃんの中古のギターをもらって練習を始めたんです。それが中学2年、14歳くらいの時でした。

ヤジマレイ(以下:ヤジマ)  僕は親がもともと音楽好きで、その影響もあって音楽をずっと聴いていたんです。小学5〜6年の誕生日にアコギをプレゼントしてもらって、それからアコギを弾き始めました。その時は、ゆずさんとかYUIさんなどのJ-POPを弾き語って、中学校に上がったタイミングでエレキを始めて、それからエレキに目覚めました。

―  ちなみに…ヤジマさん、今おいくつなんです?

ヤジマ  今20歳で、今年21歳になります。めちゃ若く見られるので、その質問はよくされます(笑)。

―  ビギナーの最初の壁、バレーコードのFコードはどうやって乗り越えましたか?

レイ  僕の場合はパンク志向だったので、最初はパワーコードから始めました。その流れで行くと、けっこうFは弾きやすかったかもしれないですね。オープンコードのCとかDコードのほうが最初は難しかった。でも、ギター教室に通っていたので、そこでコツを教えてもらって、あとはひたすらそのコードが登場する曲を練習していたら弾けるようになりました。

ヤジマ  僕はアコギから始めたので、逆にオープンコードばかりに慣れてしまって、すべての弦を押さえないといけないFコードは最初から苦手意識があったんです。でも実際に弾いてみると、人差指で押さえる弦は実は1・2・6弦の3本のみだなと。コードを分解してみて、人差指ですべての弦をセーハ(1本の指で同フレット上の複数の弦を同時に押さえること)してないなと気づいた時に、すぐに弾けるようになったんです。

―  それにしても、ヤジマさんはかなり手が小さいですね。

ヤジマ  中学生の時から手の大きさが変わらないんですよ。いつか大きくなるから頑張ろうと思っていたんですけど、まったく変わらなくて(笑)。ずっとこの小さい手で弾いています。手が小さいのは有利ではないけど、不利とも思っていないですね。

―  フェンダーのギターとの出会いは?

ヤジマ  僕は2本目に買ったギターがフェンダーのJaguarでした。最初はストラトタイプの安い初心者セットを買って弾いていたんですけど、ずっとフェンダーに憧れがあったので、中学2年の時にJaguarを買いました。それからずっとフェンダーです。今日持ってきたStratocasterは、高校1年の誕生日に買ってからずっと使っています。

―  ヤジマさんはレフティなのでギター選びも大変ですか?

ヤジマ  そうですね。しかも最初にフェンダーを買った時は、まだ長野県に住んでいたので、わざわざ東京まで来て試奏してから買いました。レフティ用のギターって店に数本しかないから、何軒も回らなくちゃいけなくて(笑)。

レイ  僕はずっと中古のギターを弾いていたんですけど、高校に入って他メーカーのエレキギターを買ったんです。でも、ヤジマがピッカピカのフェンダーのStratocasterを持ってきて、“あ!フェンダーめっちゃカッコいい!”、僕も欲しいなと思って。それまではずっとハムバッカーのギターを弾いていたのですが、ちょうどシングルコイルのほうが好きだなと思い始めてた時だったんです。でもヤジマがストラトを弾いていたから、ちょっと差をつけたいということで“じゃあテレ(Telecaster)じゃない?”という話になって、僕も長野から東京までギターを買いに行きました。地元の楽器屋にも置いてあったけど、東京の楽器屋に行って“わー!フェンダーだ!ヤベー!”ってテンション上がりましたね。ということでTelecasterを愛用していますが、テレキャスはストラトよりもシンプルだけど、そこがまたいいんですよ。真っ直ぐな感じが好きですね。

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―  FAITHは今ものすごく勢いのあるバンドですが、どうやって可能性を切り開いてきたのでしょうか?

ヤジマ  何でしょうね。でも、ひと目で他のバンドよりも個性があると思っています。男女混合でメンバー5人中3人がハーフだし、全編英詞なのもあって、興味を持ってもらいやすいのかなと。あと、ライヴに来たお客さんをどうやってハッピーにさせるかはかなり考えています。

―  確かにライヴのステージングは特徴がありますが、誰のアイディアですか?

ヤジマ  みんなでスタジオに入りながら動きや流れを考えるんです。最近はダンスも取り入れてMVで踊っているダンスをライヴで再現したりもしています。僕がダンスにめっちゃハマっているので、積極的に提案していますね。(笑)

レイ  逆に楽曲を作る時は、バンドということをあまり意識していなくて、ポップアーティストだという意識です。アメリカなどのメインストリームの音楽を吸収して取り入れていきたいと思っています。“バンドがめっちゃ好きです”という人じゃなくても取っ付きやすいと思うし、アーティスト集団のようになれたらいいなと思っています。

―  曲作りはどのように?

ヤジマ  最初のネタを誰かが作って、それをみんなで作り上げていく感じですね。ポップが軸にありつつも、みんながその時に好きな音楽を取り入れる方向で曲を作っています。

レイ  みんなで作り上げていく過程で、最近は僕が全体の指揮をとって1つの曲としてまとめていくことが多いですね。

―  最後に、FAITHとして今後の野望はありますか?

ヤジマ  直近の話だと、まだ詳しくは言えないのですがレコーディングが先日終わったので… アナウンスを楽しみにしていてください!(笑) 野望としては海外進出ですね。欧米、アジア、ともに進出したいです!

レイ  アジアも行きたいし、コーチェラ、グラストンベリーなど世界的なフェスにも出たい!

―  戦略はありますか?

レイ  海外のファンの方も反応できるようなエッセンス…例えば日々の発信を英語も含めてやっています。あと、インスタグラムで『FAITH TIME』という企画をやっているんです。ゲストを迎えてラジオのように話すのですが、英語だけの回をやったりもして、SNSやYouTubeなどでも英語での反応も増えてきました。

―  アジア進出のめどは?

ヤジマ  行けるならすぐにでも行きたいです。

レイ  その準備はできています!

PROFILE


FAITH
長野県伊那市発の平均年齢20歳の男女5人組バンド。メンバーは、Akari Dritschler[アカリ ドリチュラー](Vo)、ヤジマレイ(Gt,Vo)、レイ キャスナー(Gt,Vo)、荒井藤子(Ba)、ルカ メランソン(Dr)。2015年、別々の高校に通うメンバーが伊那GRAMHOUSEに集まり結成。メンバーのうち3名が日米のハーフというユニークな構成。90年代洋楽をルーツに感じさせるサウンドに、メインストリームのメロディが融合した、新世代が鳴らすグローバルポップ。ヴォーカルAkariの瑞々しく伸びやかな歌声も魅力。 2017年開催の10代限定夏フェス〈未確認フェスティバル2017〉ファイナリスト。同年11月リリースの1st Mini Album『2×3 BORDER』が、Apple Musicの今最も注目すべき新人アーティスト作品に選出される。 2018年12月、“ロックプリンセス” クリッシー・コスタンザ率いるAgainst The Currentワールドツアー東京公演のオープニングアクトに抜擢。 2019年4月にリリースされた2nd EP『Yellow Road』は、タワーレコードの推薦作品 “タワレコメン”に選出。 2020年1月15日、メジャー1st Album『Capture it』をリリース。全編英詞の新人としては異例となる全国71ものラジオ/TV局・番組でアルバム収録曲がパワープレイに選出され、ラジオオンエアチャート2020年上半期2位を獲得するなど、音楽へのピュアな熱量とボーダーレスな本格サウンドを兼ね備えた新時代のニューカマーとして話題を呼んでいる。
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