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Jazzmasterレジェンド、ケヴィン・シールズとメインギター。

Kevin Shields

Jazzmasterプレイヤーとして知られているMy Bloody Valentineのケヴィン・シールズが、Jazzmasterを手にするまでには、少しだけ時間がかかりました。


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それまで使用していた廉価版のギターを置いて、最初のFender Jazzmasterを手にしたのは、すでにMy Bloody Valentineが活動を始めてから5年経った時のことでした。友人であるビル・キャリーから借りた、ユニークなトレモロアームと一見複雑そうなスイッチ類がついた艶かしいルックスの1964年製Jazzmasterに最初は戸惑いを感じたものの、それはシールズにとって、運命的な出会いとなりました。「そのギターにはとてもヘヴィな弦が張ってあって、弾くのが難しかった。でも2本の弦を同じ音程にチューニングして、ベンディングしてみたら、しっくりきたんだよ」とシールズは当時を振り返ります。

この出会いがきっかけとなり、ベンディングはシールズのギタープレイには欠かせないユニークな奏法となったのです。

My Bloody Valentineのギターとヴォーカルを担当するシールズは、激しい歪み、迫りくる轟音、浮遊するようなピッチの極意を追求し続け、ついには自分のサウンドを象徴する奏法へと昇華させていったのです。この奏法は後に"Glide Guitar"と呼ばれるようになりました。

その洗練されたテクニックは2本の同じ音程にチューニングされた弦のビブラートから生まれました。世界にシールズの名前を知らしめることになったこの奏法は、実は彼がJazzmasterに出会ってからわずか数時間で編み出されたものだったのです。

「そのギターを使って作曲した最初の曲は、"You Made Me Realise" EPに収録されている"Thorn"だ」「"Slow"では、初めて溶解するようなエフェクトサウンドを使ってみた。リバースリバーブを使用して、トーンを絞ってみたらコピーを繰り返した後の狂ったカセットテープ見たいなサウンドになった。そして、速弾きしながらトレモロを使い始めたら、すごいことになっていった。たった1日で、世界が変わるサウンドを生み出すことができたんだ」


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もしあの日、'64 Jazzmasterとの運命的な出会いがなければ、私たちは1998年にリリースされたMy Bloody Valentineを代表するアルバム "Isn't Anything" と、その後にリリースされた "Loveless" を聴くことはなかったでしょう。彼の複雑怪奇なサウンドは、Jazzmasterのフローティングトレモロと、膨大な数のエフェクター(ツアーで使われているエフェクターの数はなんと、63個!)から生み出されています。

2枚のアルバムはMy Bloody Valentineの名を世界に知らしめただけでは無く、Radiohead、Hole、Smashing Pumpkins、Mogwai、Deerhunter、the Yeah Yeah Yeahsなど、無数のバンドに影響を与えました。

「90年代はほとんどJazzmasterしか使わなかったよ」シールズは続けます。「以前からJazzmasterの形は大好きだったけど、この楽器の本当の威力は、このトレモロユニットを触って初めて発見できたんだ」。

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