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Style of Modern

Vol.1 : マーティ・フリードマン

Style of Modern

想像を超えたヘヴィサウンドで、現代のプレイヤーを刺激する日本製のモダンスペックシリーズMADE IN JAPAN MODERN SERIES。本シリーズのインプレッションを動画と写真で切り取る『Style of Modern』。常に新しいものを生み出し続けるアーティストたちにとって、MADE IN JAPAN MODERN SERIESはどのように映るのか。第1回目はマーティ・フリードマンが登場。


ストラトの音でありながらモダンでメタル
すごくハイブリッドなギターです
 

―  コロナ禍の自粛期間中は、どのように過ごしていらっしゃいましたか?

マーティ・フリードマン(以下:マーティ)  秋に発売予定の新しいアルバムを作っていて、ちょうどTD(トラックダウン)のタイミングだったんです。自宅スタジオでの作業がたっぷりなので、タイミング的には何も邪魔されないで作業に集中していましたね。

―  レコーディングとライヴ、どちらが好きですか?

マーティ  ライヴです。レコーディングも大好きなんですけど、レコーディングをいっぱいするとライヴが好きになります。ライヴを続けると、またレコーディングがしたくなる。でも、今はライヴをしていない時間が長すぎる。ライヴをやりたくて仕方がないです。

―  配信ライヴなどは?

マーティ  企画しています。ただ、家からのメッセージビデオも正直あまり好きじゃないんです。僕にとってギターを弾く環境は、ライヴ会場かスタジオ。自宅スタジオはアイディアを出して編曲する場所であって、パフォーマンスをする場所ではないんです。でも、ファンのために何かをしてあげたい。ファンはずっと僕を応援してくれるから、今の時期に“ありがとう”という気持ちを返したくて。気に入ってもらえるなら、自宅でも演奏してみようと思っています。もしかしたらそれが面白いことになるかもしれないし、ハイブリッドでやってみるのも楽しいかもしれない。僕は新しくて進化している音楽が大好きだから。

―  マーティさんにとって、新しい音楽とはどのような音楽ですか?

マーティ  僕は常に新しい音楽を追求しているんです。新しいジャンルという意味ではなくて、もっと意味が深く、メロディも深く、センスも広く、英語で言うと“Depth”を追求しているんです。子どもの頃は、表面的に“ラウドならいいじゃん!”と思っていました。それはそれでいいんですけど、僕は複雑な味やモチーフを入れながら成長していきたいんです。だからアルバムも、前作よりもさらに進化していないとダメ。次作が15枚目のアルバムだから、どんどん難しくなるんですよ。でも、Depthの追求はずっとずっとしています。

―  そのDepthはテクニカルなことだけではなくて?

マーティ  テクニックよりもセンスですね。ティーンエイジャーの頃から印象的なテクニックを聴いてきたけど、もうお腹いっぱいなんですよ。だって、テクニックだけでアルバムを聴きたくなるわけではないので。テクニックがすごいとYouTubeでの再生回数は高いけど、アルバムとしては買わないと思う。“おぉ!すげえ!”とは思うけど、クルマの中では絶対に聴かないと思うし、彼女が家に来た時も聴かないと思う。一時的な素晴らしいテクニックを目指すのではなくて、“伝えたいことは何ですか?”というところに向かって行きますね。だって、言いたいことがなければアーティストではないので。歌詞とは関係なく、僕の今の複雑な気持ちをどうやって音楽で人に伝えるか。それがExpression、つまり表現ですから。

 
 

―  さて、MADE IN JAPAN MODERN STRATOCASTER® HHをすでに使っているんですよね?

マーティ  はい。最初はフェンダーさんのイベントで弾いたのがきっかけで、その後家やスタジオでも弾いています。僕はフェンダーの楽器に詳しい人ではないんですけど、フェンダーのストラトの音はみんな知っています。伝統的な有名な音です。でも、このモダンシリーズは、ストラトの音でありながらモダンでメタル。すごくハイブリッドなギターです。

―  イベントで最初に弾く時に不安はなかったですか?

マーティ  そのイベントまでモダンシリーズを触ったことがなかったので、正直、サウンドチェック前に“このギター、使い物にならなかったらどうしよう?”と思いました。でも弾いてみて、“あ、いいじゃん”って。調整なしで100%でした。そのイベントで僕が演奏した曲は、伝統的なフェンダーのストラトの音と、ロックな音が必要な曲だったんです。僕もストラトを持っていましたが、ギターソロの時に音が細いという印象があって。細い音が好きな人もいますけど、僕の曲は太い音、メロディが多いから、音が細すぎると僕の演奏に向いていないんです。でもこのギターは太い音で僕のメロディに対応できているから、感動しました。

―  確かにストラトは、太い音でメロディを弾くイメージではないですね。

マーティ  ハードなリズム、ヘヴィなリズムで弾こうと思ったら“ストラトをください”って言わないと思うんです。でも、モダンシリーズのストラトは太い音も出るので、“え、本当?嘘でしょ!”という感じでした。新しいアルバムの中の数箇所で、モダンシリーズのストラトを弾いています。アルバムも全体的にハードなイメージですが、ストラトだから物足りないということはなくて、もう大事な道具になったと思います。

―  今後、ライヴで使っていく可能性は?

マーティ  もちろんありますね。僕は今までアーミングをしないポリシーだったのですが、せっかくだからレコーディングでもアームを使いました。マーティの小学生のアーミングが、新しいアルバムでは聴けるんです(笑)。

―  今日はモダンシリーズのMADE IN JAPAN MODERN TELECASTER® HHを弾いていただきましたが、テレキャスは?

マーティ  ひょっとしたら1回しか弾いたことがないかもしれないです。5枚目のソロアルバム『Music for Speeding』(2003年)で、エンジニアをギタリストのリッチー・コッツェンがやってくれたんですよ。リッチーの自宅スタジオはすごくちゃんとしているので、彼のスタジオで作業したのですが、そうしたら彼のフェンダーシグネイチャーTelecasterを弾かせてくれて、それがすごく良かったんです。だからそのアルバムでは彼のテレキャスをたくさん弾きました。

―  久しぶりにテレキャスを弾くんですね。

マーティ  どんなギターでも弾いてみるんですけど、弾くきっかけがないと発見がないので。モダンシリーズのストラトでもたくさんの発見があったので、今日のTelecasterも本当に楽しみです。


MADE IN JAPAN MODERN TELECASTER® HH

MODERNシリーズは演奏の技術レベルが著しく向上している現代のプレーヤーに最高峰のプレイアビリティとトーンを提供するために開発された日本製シリーズ。TELECASTER® HHには、チューニングの安定性を提供するロッキングチューナー、ブリッジには6連タイプのブロックサドルを搭載。各弦の弦高、オクターブチューニングやブラス製ブロックサドルからは倍音成分を含んだトーンが得られます。

 

PROFILE


マーティ・フリードマン
アメリカでの音楽活動を経て、2004年に活動の拠点を日本・東京へと移す。 2005年からテレビ東京で放送された伝説のロックバラエティ番組『ヘビメタさん』にレギュラー出演し、日本国内のヘヴィメタルファンだけではなくYouTubeを通じて世界のヘヴィメタルファンを驚かせた。続編レギュラー番組『ROCK FUJIYAMA』は世界各国で話題の番組となる。 その後、テレビ番組に多数出演。雑誌や新聞でも連載を持ち、初の執筆書籍『い~じゃん! J-POP だから僕は日本にやって来た』はベストセラーに。2008年には映画『グーグーだって猫である』『デトロイト・メタル・シティ』にも出演。ギタリスト、作曲家、プロデューサーだけにとどまらず、テレビ、ラジオ、CM、映画などさまざまな分野で活躍している。

「TOKYO JUKEBOX3」2020年10月21日発売!シリーズ史上最強の楽曲ラインナップ!最新のヒット曲に加え、不朽の名曲をマーティがギターで歌い上げる渾身の力作!

› Website:https://www.martyfriedman.com