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SUMMER SONIC 2018 Interview with Marmozets
Photo by 中野敬久
「原点回帰」のコンセプトで、例年になく海外アーティスト比率が高かったのが今年のSUMMER SONIC。ビッグネームだけでなく、今後が期待されるニューフェイスのパフォーマンスも大いに盛り上がる年となった。 中でも現在海外の各メディアから賞賛を受けている英国出身の兄弟バンドMarmozetsのメンバー3人に話を聞いた。
― 2度目のサマーソニック、東京公演キャンセルは残念でした。※東京公演はヴォーカルのベッカ・マッキンタイアの体調不良でキャンセルとなった。(大阪公演は実施)
サム・マッキンタイア(G. 以下:サム) 前回のライヴが素晴らしかっただけに、演奏できなくて本当に残念だね。でも仕方ない、こんなこともあるよ。
ジョシュ・マッキンタイア(Dr. 以下:ジョシュ) 今日は残念だったけど、自分にとって日本は驚きにあふれた国。また戻って来ることが出来て、こんなに嬉しいことはないよ。
― まず、楽器との出会いについて教えてください。
サム 僕に関していえば、「自然な出会い」ではなかったかも知れない。6歳くらいの時に最初のギターを手に入れたんだけど、しばらくは何もしなかった。ともかく、どうやって弾くのかすら分からなかったんだ。それから5年くらい経った頃、2本指だけで弾ける簡単なDのパワーコードを教えてもらって、それで世界が開けたよ。そこから基本的な事を学び始めて、練習して練習して、次第に楽器に慣れていったって感じだったな。
ウィル・ボトムリー(Ba. 以下:ウィル) 僕は父親がギターを弾いていたので、もともとはギタープレイヤーだったんだ。その後バンドを始めるにあたってベースを弾き始めた。8年か9年前のことだよ。ともかく、始めたのがギターだった影響で、ベースを始めた頃は「4本弦のギター」という感覚で演奏していたと思う。今はもうギタープレイヤーとしてではなく、より良いベースプレイヤーに成れるように努力しているけどね。笑
― 楽器を始めたばかりの頃のあなた達に影響を与えたアーティストは?
サム 僕らのバンドのジャック(・ボトムリー ※Marmozetsのもう一人のギタリスト)だよ!ウィルの兄さん、ジャックはいつも僕に影響を与えてくれる偉大なギタリストだよ。彼は素晴らしい才能を与えられたギタリストだね。それ以外だと・・・ジャック・ホワイト(The White Stripes)は素晴らしいし・・・沢山居過ぎて挙げるのが難しいね!
ウィル 僕は最近ではポール・マッカートニーだよ。 彼のベースラインはただただ素晴らしくて、最近ハマってる。 子供の頃で言うと・・・たぶん僕もジャック・ホワイトだよ。 人生で初めて行ったギグはBlackpoolでのThe White Stripesだった。 初めて音を聴いた時、初めてギグを観た時、ともかく感動した記憶が残ってる。
サム マドリードでのフェスに出た時、彼に会えたんだ。 アディダスのスニーカー履いててさ、クールだったね!
― 楽器の練習はどうやって行っていましたか?
サム 俺たちはともかく「聞いて」「練習」だったよな?
ウィル そうだね。僕は楽譜も読めないし、ともかく「聞いて」「練習」だったな。
― おすすめの練習方法はありますか
サム 僕が思う一番良い練習方法は、好きなCDをかけて、そのアーティストがどうやって演奏しているかを頭で想像しながら聞くこと。
ただ単に音を聞くだけじゃなくて、どうやって弾いているかを考えながらね。
何度も何度も巻き戻しては聞いて、僕は毎日何時間もそんなことをしていた。
そのやり方がとても楽しかったんだ。
ともかく言いたいのは、やり方はなんでも良いから、「楽しい」と思う方法を見つける事が大事なんだと思うよ。
人によってはTAB譜を読んでCのコードを覚えるやり方が楽しい人もいるだろう。
なんでもいいんだ、一番楽しいやり方を見つけ出すことだよ。
だって、ギターを弾くって事は楽しいことだからね。
― フェンダーとの思い出があれば教えてください。
ウィル ブルーのボディにゴールドのピックガードがついていて、プレシジョン・ベースとジャズ・ベース両方のピックアップが付いた、最高のベースを持ってたんだ。
でも実は酔っ払って売ってしまったんだけどね・・・
ただ、売ったのは仲の良い友達だったから、まだ近くにはあるよ。笑
それから、American Deluxe Seriesのプレシジョン・ベースを手に入れて、
最近ではAmerican Original '70s Jazz Bass®を弾いてるんだけど、これが最高なんだ!
サム 僕はフェンダーしか弾かない!世界一のギターだよ。 これに関して議論の余地はないね。
― 違いはどこにあると思いますか?
ウィル 作りが違う。 (取材中もPlayer Precision Bass®を弾きながら) ビギナー向けに作られているこのベースでさえこの素晴らしい弾き心地。信じられないことだよ。 アンプも同じで、僕は以前違うアンプを使っていたんだけど、1年に5回も壊れるようなことがあった。フェンダーのアンプに変えてからは全くトラブルがなくなったよ。僕はSuper Bassman®を3年間使ってるんだけど、なにひとつ問題が起きないし、もちろんベース自体も何のトラブルもない。 まさに僕は「Fender All The Way」、全てがフェンダーだね。
― これからアーティストを目指す新しいPLAYERたちにメッセージをお願いします。
ウィル 弾き続けよう。そして弾くことを楽しもう。 練習して、自分の音楽を楽しむことだよ。
サム 自分自身を楽しむことだね。それが一番大切な事。 そして音楽を演奏するんだ。音楽は世界で一番美しいものだよ。 演奏を楽しむことができれば、一日中だって続けることができるんだ。 音楽を通して素晴らしい人との出会いもある。 SNSでは世界中の人たちが音楽を中心にしたコミュニティを作っていて、世界中に友達ができる。素晴らしいことだよ。 ギターのコミュニティサイトに行ったら、楽しくてギターの話が永遠に止まらないよね。笑
― 日本のファンにひとことメッセージをお願いします。
サム ギターを弾いて、ロックバンドを作って、ともかく演奏と音楽を楽しんで欲しいね。
ウィル そうだね、エキサイティングなバンドが日本から出てきてほしい。 僕らはいつも世界中の新しい音楽を聴いてるから、君たちの音を聞けるのを楽しみにしてるよ。
サム ペダルに、ギターに、音楽にのめり込もう! そして世界を驚かせるんだ!
ウィル あと、大事なのは「リスクを取る」ということ。 僕が一番伝えたいことはそれかな。笑
東京公演がキャンセルとなった直後の取材となった為、インタビュー開始当初はテンションが低めだった彼らも、音楽と楽器の話になれば我先にと質問に応えてくれた。 演奏を、音楽を楽しむことの重要さを何度も語っていた若きブリティッシュバンドの再来日を楽しみに待ちたい。
[Artist Profile]
Marmozets
イギリスはウェスト・ヨークシャーにあるビングリー出身、2007年結成。 マッキンタイア兄弟とボトムリー兄弟からなる5人組のマーモゼッツは、在学中からバンド活動を行っており、そのカオティックなパフォーマンスで地元を中心に大きな注目を集めるようになる。 2012年にはGALLOWSのレーベルでもあるVenn Recordsよりファースト・シングル「グッド・デイズ」を発表、2013年には自主制作という形でセカンド・シングル「ボーン・ヤング・アンド・フリー」を発表、BBCラジオやKERRANG!といったメディアから絶賛され、一躍イギリス全土にその名を響かせる存在となる。 2013年、バンドはROADRUNNER RECORDSと契約を交わし、同時にまずUKヘッドライン・ツアーを敢行。Kerrang!は「米国の若手バンドナンバーワン」とも形容し、同年のKERRANG! AWARDでは「ベスト・ブリティッシュ・ニューカマー」にノミネート、Big Cheese Magazineからは「ベスト・ニュー・UK・バンド」を受賞するなど、楽曲/パフォーマンス共に今最も注目すべきニュー・アクトとして大きな話題を呼ぶこととなった。 2014年には地元イギリスでまずデビューアルバム『The Weird And Wonderful Marmozets』を発表、同年にDOWNLOAD FESTIVALを含むヨーロッパ各地で行われたフェスティヴァルへも出演を果たし、前評判以上のパフォーマンスで観客を魅了していった。 2015年にはMETAL HAMMER誌が主催するゴールデン・ゴッズでも「ベスト・ニュー・バンド」にノミネートされる中、3月にイギリス以外の国でのリリースが決定、7月に日本デビューが発売されることとなった8月にはここサマー・ソニック2015に出演し、大きな話題を呼んだ。
http://www.marmozets.co.uk/