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Why We Play vol.14:平井 大【後編】

音楽と人、そして楽器。さまざまな表現手段の中から、なぜギターを選んだのか?そんな素朴な疑問にフォーカスを当て、プレイヤーの内面に深く迫る連載企画「Why We Play」。今回は、日本のサーフポップの若きパイオニア、平井 大が登場。後編ではお気に入りのフェンダーアコースティックギターを弾きながら、ギタープレイについて語った。

Why We Play
フェンダーのギターを弾いていると 固定観念を壊していけるような 可能性を感じる音を出せるんです
 

―  さて、インタビュー後編では、フェンダーのアコースティックギターについて伺えればと思っています。

(ギターを試奏)

平井 大(以下:平井) 気持ちいいですね。そして、いい箱鳴りですね!

―  ありがとうございます。フェンダーらしいのが、アコギなのにペグがエレキギターのようにワンサイドなんです。フェンダーのギターは技術面では妥協はないのですが、その一方で固定観念にとらわれない。そして、平井さんの音楽も伝統的なブルースなどをしっかりと踏襲しつつも、固定観念にとらわれない音楽を作ってらっしゃるなと。

平井 そう言っていただけると嬉しいです。実は僕も固定概念っていうのは必要ないなって思っているんです。そして、フェンダーのギターも固定概念のないギターだと思います。実際にフェンダーのギターを弾いていると、いろんな固定観念を壊していけるような可能性を感じる音を出せるんです。フェンダーギターのそういうところが僕は大好きなんです。やっぱりあるじゃないですか? “こうじゃなければいけない”ものって。でも、“こうじゃなきゃいけない”っていう考えは誰が考えたんだ?って僕は思っちゃうんです。そう考えると、固定概念って全然必要なくて。そんな僕にとてもフィットする楽器を、フェンダーは作ってくれているなと思います。

―  平井さんが音楽を奏でる上で、あるいは作る上で、一番大切にしているのは固定概念を超えることですか?

平井 一番かどうかはわかりませんが、固定概念を破っていくのは大切にしているし意識しています。やっぱり気づくと、自分の中で固定概念を作っていることはあるんです。だから常日頃、自分に問いかけていますね。例えば、ライヴをする時もそうです。こうやるって決まっていることを、ただ決まったようにやってないかとか。新しいことに挑戦できているのかってことはいつも自問自答していますね。

―  本当は決まった枠に収まったほうがラクなのでしょうけどね。

平井 そうですね。でも、そんなの音楽ではないしライヴじゃないですよ。僕も感情の起伏があるので、“今日ライヴしたいな”って時はすごく挑戦的なライヴになりますし、“今日はライヴしたくないな”って時はやっぱり内向的なライヴになっていますから。でも、それでいいと思うんです。その時、自分が表現できる100%を表現することが一番大事だと思うので。やりたくない時にやる気をどうにか頑張って出しても、疲れちゃうだけですからね(笑)。

―  確かに。そして嘘になってしまいますからね。

平井 そうなんですよ。だから、ここ何年かは音楽との向き合い方に関して言えば、素直に向き合うっていうことをすごく大事にしています。

―  ライヴと言えば、平井さんのライヴは軒並みソールドアウトで、平井さんのライヴを観てギターを始める人も大勢いると思うのですが、そういう人たちにアドバイスをするとしたら?

平井 僕がまだまだですから、アドバイスをするような立場ではないんですけどね。でも、ひとつ言えるのは、好きなようにやったほうがいいっていうことです。楽しむことが大切です。だから、心を柔軟にして、頭を空っぽにして、指が動くままに動かすというか、感じるままに音を奏でればいいと思います。

―  ちなみに、ギターを弾いていて良かったと思う瞬間ってありますか?

平井 もちろんありますよ! ライヴをしていると、けっこう瞑想状態に近い状態になるんですよ。そういう時は、自分では何も考えてないのに指が勝手に動き出すことがあるんです。そういう時、仕事をしている中で一番生き甲斐を感じる瞬間ですよね。何かとつながれた感覚というか、つながることができたような瞬間はすごく気持ちいいですし、あとあと映像を観てみても、そういう時はいい演奏をしていることが多いんですよ。

―  そういう状態は予期せぬ時にやってくるものなんですか?

平井 そうですね。どうやってそうなれるのかがわかれば早いんですけど、なかなか難しいです。まぁ、たまにある感じです(笑)。ライヴを10回やって、1回あるかないかの感じです。でも、そういう状態になるともうプレイが止まらなくなっちゃって、あとあと怒られるんですよね(笑)。

―  (笑)。ギターソロはギタープレイの醍醐味なので、長いソロも大歓迎ですけどね。

平井 もっとギターソロを弾く人が増えればいいんですけどね…。最近ライヴを観ていても、ギターソロがない曲もいっぱいあって…。正直、つまらないですよね。そうなってきちゃうと。

―  70年代のロックでギターソロがないなんて考えられなかったですからね。若い人たちにその魅力を伝えていただければなと。

平井 はい。頑張ります(笑)!

―  お願いします! では、最後の質問です。ズバリ、平井さんにとってギターとは?

平井 “永遠のおもちゃ”ですかね。いつも遊び心を持たせてくれますし、ギターを弾いている時が一番リラックスできますし一番楽しいです。そういった意味では、永遠のおもちゃですね。

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Newporter Classic

Why We Play

音量を抑えながら素晴らしいレゾナンスを実現するブレイシング、素晴らしいサスティーンのためにアップグレードされたボーンナットとサドルを搭載。Newporterのボディ シェイプに合わせて特別にフェンダーとFishman®がデザインしたプリアンプシステムにより、アンプを通してもギターのナチュラルサウンドを損なうことなく聴かせる。
› Newporter Classic 製品ページ

PROFILE


平井 大
91年5月3日、東京都出身。ギターとサーフィンが趣味の父の影響で幼少の頃より海に親しみ、3歳の時に祖母からもらったウクレレがきっかけで音楽に興味を持つ。印象的な耳に残る優しい歌声と歌詞、キャッチーなメロディーラインは聴く人の気持ちを癒し、穏やかにしてくれる。2013年7月、ミニアルバム「Dream」でメジャーデビュー。2017年11月、ディズニーのカバーアルバムとしては2枚目となる「HIRAIDAI plays DISNEY」をリリース。
› Website:http://hiraidai.com