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Why We Play vol.8:トモ藤田 インタビュー【前編】

ジョン・メイヤーの師匠であり、25年もバークリー音楽大学でギターを教えながら、世界的なギタリストとして活躍するトモ藤田。“世界が認めた”トモ藤田のギター哲学。その前編をお届けします。

Why We Play
ギターが持っている底のない世界に引き込まれた
 

―  まずはギターを始めたきっかけから聞かせてください。

トモ藤田(以下:トモ)   きっかけはCharさんですね。12歳の時にテレビでCharさんを見た時に、とにかくカッコ良くて、13歳からギターを始めました。だから少年時代は「闘牛士」のイントロが弾けただけで嬉しかったですね。あとはその頃、ザ・ビートルズも好きで、そのままレッド・ツェッペリンとかディープ・パープルも聴くようになったんです。その手の音楽って「FMレコパル」というFM情報誌で紹介されていて、それでラジオを聴いていくうちにジェフ・ベックも知るようになったんです。そこから当時流行っていたリー・リトナーやラリー・カールトンを知ってラリー・カールトンにはハマりました。

―  Charさんを見てカッコいいと思って、すぐにギターを買いに行ったのですか?

トモ   すぐには買ってないです。友達の友達がギターを弾いてて、そのギターを借りてちょっとコードを教えてもらって弾いてみたんです。最初に教えてもらったのはEマイナーです。それだけは覚えています。その後にいろいろなコードを覚えて、何かを弾けるようになったらすごくハマってしまって。それからは本当にギターが好きになりましたね。

―  ギターの何に惹かれたんでしょうか?

トモ   もう30年以上も弾いてるので、言葉にするのは難しいですけど、今になって思うのはドラムやベースと違ってギターだけでリズム、ハーモニー、すべてが弾けるんですよね。そういうギターが持っている底のない世界に引き込まれたんだと思います。

―  ギターを始めた頃はどんな練習をしていましたか?

トモ   もっぱら好きな曲を雑誌を見ながら弾いていましたが、一番はじめにやった練習はクロマチックの運指練習でしたね。なぜかと言うと、僕は空手をやっていたのですが、空手の先輩がクラシックギターを弾いてて、その人が“これだけやったらいいから”と教えてくれたのがクロマチック練習だったんです。スケールを弾ける前にクロマチックから始めたので、テクニックが安定したと思うし、基礎がしっかりしていたから何かを学ぶ時にすぐに学べたと思うんです。

―  プロになろうという意識はいつからあったのですか?

トモ   14歳〜15歳でラリー・カールトンに憧れた時点で、ロスに行ってスタジオミュージシャンになりたいと思ったんです。実際に中学の時、友達や先生にいつも“アメリカに行きたい”って言ってました。13歳から新聞配達のバイトをして初めてエレキギターを買ったんですが、それは無メーカーのエレキでした。その次にちゃんとしたエレキをおばあちゃんに買ってもらったんです。それがフェンダーのMustangでした。Mustangにした理由はやっぱりCharさんですよ。今だったらストラトを買うと思うんですけど。

―  確かにトモさんと言えばストラトのイメージですが、ストラトとの出会いは?

トモ   高校に入った頃、ラリー・カールトンにハマっていたのでセミアコを弾いていたんです。けれど、高1の時に入ったのがヘヴィメタルバンドで、メンバー全員からセミアコだとカッコ悪いと言われて楽器屋に連れて行かれてストラトを買ったんです。だから彼らは“俺たちがトモをストラト弾きに変えた”と言うんです(笑)。その後、21歳で渡米して、翌年からバークリー音楽大学に行くことになるんですけど、渡米する時にストラトを持っていったんです。それからストラトが僕のメインギターになりました。


クリスマスがあるのも正月があるのも知らなかった
それくらいギターにしか興味がなかったんです
 

―  中学の頃からアメリカに行くのが夢で、バークリー音楽大学入学まで果たしたわけですね。実際に行ってみていかがでしたか?

トモ   渡米するまで僕は京都にいたので、たいした経験もしていなかったんです。で、バークリー音楽大学に行って、アメリカのライヴハウスで素晴らしいミュージシャンを身近で見ることができたことで、自分のレベルもかなり上がったと思います。やはりアメリカには上手い人はいっぱいいるので、言葉にならない素晴らしさを感じことができました。それはやはり経験しないとわからないんです。その経験ができただけで、アメリカに行って良かったなと思いましたね。

―  バークリー音楽大学への入学が87年で、91年にはボストンのギタリストコンペティションで日本人初の1位に輝いています。その間、どんな努力や練習をしたのでしょうか?

トモ   最近でもよく聞かれるのが“何時間練習するんですか?”という質問なのですが、今は時間は気にしていません。でもその当時は、クリスマスがあるのも正月があるのも知らなかった。それくらいギターにしか興味がなかったんです。実際、渡米した最初の2年くらいはクリスマスのパーティに行ったこともなく、ギター、ギター、ギターでした。でも、ツラくはなかったですよ。渡米してわりとすぐにいろんな人に認めてもらって、仕事ももらえていたんです。僕はファンクが好きだったので、ファンクだったらけっこう弾けました。それでいろんなショーでの演奏に誘われたりして仕事をもらっていたんです。で、仕事で一緒に演奏していたバンド仲間の推薦でバークリーの先生のロックバンドに入り、その縁でギタリストコンペティションにも挑戦することになりました。

―  そうだったんですね。

トモ   ボストンと言えばロックなので、コンペディションを観ているとみんなディストーションを使ってバーン!って弾いてるわけです。それを観て、全部をクリーントーンで演ったほうがいいし、そのほうがファンク好きの自分の良さが出ると思ったんです。ファンクと言えばクリーントーンなので。多分僕だけだと思いますよ、全部をクリーントーンで演ったのは。だから反対に目立ったと思います。ギターはもちろんストラトでした。で、そのコンペティション用に作ったのが「Just Funky」のイントロなんです。

―  なるほど。しかし、日本人がコンペティションをファンクで戦ったのもすごいです。今となってはトモさんと言えばファンキーなカッティングですが、あの唯一無二のファンキーなカッティングはどうやって生まれたのですか?

トモ   あのカッティングのこともよく聞かれるんです。で、そもそもなぜファンクをやるんだと言ったら、親父の影響があると思います。親父はギターを弾かないんですけどレコードが好きで、ジャズっぽい音のレコードと、ディスコのレコードばかりを聴いていたので、それがひょっとしたら影響しているのかもしれません。それと、僕にクロマチックを教えた空手の先輩に“お前もこのコンサートに行ったほうがいい”と連れて行かれたのが、アース・ウィンド・アンド・ファイアーのコンサートでした。それが小6の時です。その時の原体験が残っているのかもしれません。そんな要素が重なって、知らない間にファンクが体に入っていましたね。

―  では気が付いたらあのカッティングも弾けていたと?

トモ   あのカッティングは18歳の時にはもう弾けていました。もともとはローランド・バティスタというギタリストの真似をしようと思っていたら、いつの間にかああなっていたんです。

› 後編に続く

 
Tomo

動画で使用したフェンダーギター

American Original '60S Jazzmaster
ヴィンテージ好きなトモだが、実用性を加味して使用。「今までヴィンテージのJazzmasterを持ったことがなくて、新しく出たAmerican Originalシリーズがヴィンテージ仕様でなおかつ指板がモダンなラディアスなので、ヴィンテージを買うよりもこちらのほうが使いやすいなと思って選んだんです」
› American Original '60s Jazzmaster®製品ページ

Malibu Classic
ショートスケール、スモールボディで弾きやすく初心者にもオススメの1本。「いろいろなコードが弾きやすいし、指弾きもすごく弾きやすい。一番いいのはヘッドもそうだけどネックがエレキっぽくて、ボディも小さいから弾きやすい。すごくいいギターですね」
› Malibu Classic製品ページ


トモ藤田
世界で活躍する日本人ギタリスト、ギターインストラクター。米バークリー音楽大学ギター科助教授。バークリーでの授業は、毎年受講希望者が殺到し、オープン数時間で満員になるほどの人気ぶりである。教え子には、世界的ミュージシャンであるジョン・メイヤー、エリック・クラズノなど多数。日本人向けに個人レッスン、通信レッスンも行っており、そのグルーヴにこだわる独自のレッスンは、世界中から高い評価を受けている。ブルースをルーツとしたグルーヴ溢れる即興演奏を得意とし、各地でライヴを行うなど、プレイヤーとしても世界で活躍中。
› http://www.tomofujita.com

RELEASE INFOMATION


■DVD

トモ藤田 Guitar World USA & JAPAN
〜トライアドの先へ Lecture & Documentary〜
¥3,500+税
アルファノート
5月末発売

■BOOK

トモ藤田 Guitar World
~トライアドの先へGuitar talks ~
¥1,500+税
アルファノート
5月末発売

【SEMINAR INFORMATION】

5月12日(土)島村楽器・新所沢パルコ店
TEL:04-2998-8255 担当:山岡、橋爪

5月13日(日)島村楽器・松本パルコ店
TEL:0263-38-2260 担当:林、吉川

5月19日(土)島村楽器・吉祥寺パルコ店
TEL:0422-38-2260 担当:有馬、堀

【LIVE INFORMATION】

「Tomo Fujita Solo Guitar Show 2018!」
5月17日(木)築地・汐留 BLUE MOOD
5月18日(金)築地・汐留 BLUE MOOD
› http://blue-mood.jp

「Tomo Fujita×Kelly SIMONZ Guitar Academy 2018 with The EXThunders Yosuke & Hayata ~世界屈指の競演を見逃すな!~」
5月24日(木)京都・都雅都雅
5月25日(金)大阪・PANHEAD GROOVE

「飛騨高山ジャズフェスティバル2018」
5⽉26⽇(⼟)⾶騨の⾥
› https://hidatakayama-jazz.com/
› https://hidatakayama-jazz.com/artists/tomofujita/
› info@hidatakayama-jazz.com(飛騨高山ジャズフェスティバル実行委員会)

【LESSON INFORMATION】

東京での個人レッスンを開催。日程は5月20日(日)21日(月)22日(火)の3日間。詳しくはメールにてお問い合わせください。
› http://www.tomofujita.com