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Ken meets Mustang™ GT

最新ワイヤレス・テクノロジーを搭載した次世代デジタルアンプ、Mustang™ GTシリーズ。Fender TONE™アプリを使用する事でその可能性はさらに広がりを見せる。今回、そのFender TONE™ アプリを介して日本人アーティスト監修によるプリセット配信が実現。INORAN(LUNA SEA)、Ken(L'Arc~en~Ciel )、山内総一郎(フジファブリック)にスポットを当て、プリセット作成までのプロセス、そして音作りのこだわりに迫る。第二弾ではKenの音作りの模様をレポートする。

Mustang GT
僕が好きなギュッと引っ掛かるようなエッジーな部分が出る
 

各音域が同じ音の張りになるようセッティング

理想とするリードトーンを目指し、いつも通りの順序で音作りをしていくKen。まずはアンプを70'S Britishに設定。キャビやゲートポジション、ノイズゲート、パワーサプライ、TUBEバイアスなどを設定したのち、各EQを詳細に調整。特にトレブルやプレゼンスといった高音域帯は納得のいくまで何度も微調整を繰り返していく。

「アンプでの音作りでは、エレキギターをジャーンって6弦から1弦まで弾いてみて、弾いたときと同じ雰囲気がアンプから出るかどうかを大事にしています。例えば、もっと明るい音がいいと思ってハイを上げるとするじゃないですか。すると、1弦のハイフレットでは音が大きいのに、3弦7フレットあたりでミドルが引っ込んで、6弦でまた音が出てくるってときがあって、いろんなポジションで弾けないセッティングになってしまうんですね。だから、ハイ、ミドル、ローと弾いて同じ音の張りになるようにアンプをセッティングしつつ、自分の好きな音になるようにしていきます。」

歪みはディストーションBlackboxで調整

アンプでの音作りが終わったら、次にBlackboxで歪みを作っていく。その際、先ほどのアンプのローからハイまでのバランスを邪魔しないようにセッティング。ディストーションレベルをゼロ、レベルとフィルターを最大に設定しているのが特徴。

「ディストーションレベルはほぼゼロでレベルを上げました。理由は、エフェクターをオンにした瞬間にミッドが抜ける(落ちる)感じがして、それを調整するためにフィルターだけじゃ追いつかなかったから、レベルを上げたら意外とミッドがついてきたんですね。もうちょっと下げたい気持ちはあるけど、レベルを上げたらミッドがついてきたから良し!と思って。実際にエフェクター/アンプをセッティングするときも、そういうことがあるんですよ。トーン以外で、レベルを上げたり下げたりすることで張ってくる音域が違うから、レベルを上げたほうが意外とミッドが出てきたと。」

大会場での鳴りを意識したLarge Room Reverb

歪みをBlackboxで作ったら、次にStereo Tape DelayとLarge Room Reverbで音に広がりを加えていく。Stereo Tape Delayはワウレベルを上げることで音に広がりを出し、ステレオスプレッドをやや絞ることで実音をタイトに。大会場での豊かな鳴りを意識してLarge Room Reverbも追加している。

「ベースだったりドラムだったり他の楽器が入っていると、それだけでステレオ感が出るから普段ギターはモノラルで送っていることが多いんだけど、ステレオ仕様なのでせっかくだからStereo Tape Delayを使ってみました(笑)。自分が弾くフレーズに合うようなディレイタイム(500sec)にしています。音の広がりが出るようにワウフラッターを上げて、ステレオスプレッドはちょっと絞ったほうが実音がタイトに聴こえたのでこの設定に。この位置が気持ちいいなと。会場が広いと、ギターの音に加えて会場の鳴りでギターの音を感じたりするんですけど、そういう場合ならLarge Room Reverbかなと思って。バイパスを解いてもらうと、よりその気分で弾けると思います。」

僕が思うリードトーンを目指してサウンドを作ってみました
 

「MUSTANG™ GTは思ったよりも僕が好きなギュッと引っ掛かるようなエッジーな部分が出るアンプだから、いいなと思いましたね。今回は、自分が思うリードトーンを目指してサウンドを作っていきました。音作りの順序もいつも通りですね。アンプは歪ませすぎずクランチ程度に作っておいて、大きな入力が入ったときに音が潰れないようなセッティングにしています。

 このセッティングだとわりとゲインが上がっているから、アンプの目の前で弾くとフィードバックを起こすんですね。ただ、自分もアンプやエフェクターで歪ませるとき、リードを取るときはそのくらいのセッティングで弾いています。だから、弾くときはフィードバックが鳴る前に弾くみたいな(笑)。その代わりに、フィードバックがある分、普通に弾くよりもサステインは伸びるんです。よく、ロングトーンを弾くときにサステインがないっていう話を聞くけど、僕の場合、サステインはフィードバックで作っていたりします。リードトーンの中で優しい音にしたいなと思ったら、ボリュームを10から9に落とすだけで音量がそんなに変わらないまま歪み感が変わるんです。MUSTANG™ GTもボリュームを絞ったらいいトーンだったので、その音色も楽しめるかなと思います。」


Galaxy Red Leadプリセット概要
アンプは「70'S British」に設定し、プリFXとして「Blackbox」、ポストFXとして「Stereo Tape Delay」「Large Room Reverb」を接続。数値の詳細「70'S British」がGain 7.2/Middle 6.8/Presence 3.9/Volume 7.8/Bass 5.7/Treble 4.9。「Blackbox」はGain 1.0/Level 10.0/Tone 10.0。「Stereo Tape Delay」はWow Level 3.7/Feedback 3.7/Stereo Spread 4.5/WetLvl 5.3。「Large Room Reverb」はDwell 1.9/Level 3.9/Tone 3.3/Decay 5.5/Diffusion 4.0。

› Fender TONE™:Galaxy Red Lead

Mustang GT

Fender TONE™アプリ経由でダウンロードする方法
スマホからFender TONE™アプリを立ち上げ、「Browse→ARTIST」のリスト画面から「Galaxy Red Lead」を選んで「ADD」をクリックするか左上の検索アイコンをタップして「Galaxy」で検索し、「Galaxy Red Lead」を「ADD」するとコネクトしているアンプにプリセットが追加されます。(※ ダウンロードするにはアンプのファームウェアアップデートでバージョンが最新になっている必要があります。)

› スマホを経由せずアンプ本体から直接ダウンロードする方法はこちら
› アンプ本体のファームウェアアップデート方法はこちら


Mustang GT

Mustang™ GT
フェンダーが提案する次世代アンプのスタンダード「Mustang™ GT」。Mustang™アンプシリーズとしては第3世代となるMustang™ GTには、世界を驚かせる最新鋭のモデリングテクノロジーが詰まっており、「’59 BASSMAN」や「’62 TWIN REVERB」など往年のヴィンテージ・アンプサウンドを21種類、高品位エフェクトを47種類内蔵している。最大のイノベーションは、世界で初めてWi-Fiを搭載している点だ。これにより、PCに接続しなくてもMustang™ GT単体でファームウェアのアップデートや、アーティストや世界中のユーザーが作成したプリセットを簡単にアンプに追加することができる。さらに、無償提供のスマホアプリFender TONE™をダウンロードすることで、スマートフォン側でプリセットマネージメント、エフェクトエディット、セットリスト作成に加え、プレイヤーやクリエイターたちが集うコミュニティに直接アクセスが可能だ。

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Ken
1994年、L'Arc~en~Cielのギタリストとしてメジャーデビュー。2012年に開催された「L'Arc~en~Ciel WORLD TOUR 2012」では世界14都市17公演で約45万人もの観客を動員。また、2002年からはSONS OF ALL PUSSYSのヴォーカル&ギター、2006年からはソロとしての活動もスタート。近年では、盟友とのライブイベント「PARTY ZOO」の主宰や、MUCCやBAROQUEなど他アーティストの楽曲プロデュースも行っている。2011年には、カスタムショップよりシグネイチャーモデル「Ken Stratocaster® Galaxy Red」を発売。2017年、より手の届きやすい価格帯の日本製モデルを発売する。

› LArc-en-Ciel:LArc-en-Ciel.com
› ken-curlyhair:ken-curlyhair.com