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Official髭男dism「HIGEDAN acoustic one-man live 2018」レポート

2018年2月3日(土)Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて行われた「HIGEDAN acoustic one-man live 2018」の模様をレポート。

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とびきりキャッチーなメロディーを、ソウル、R&B、ファンク、ロック、ポップスといったグッドミュージックに乗せて紡ぐピアノポップバンドの“ヒゲダン”ことOfficial髭男dismが、アコースティックワンマン「HIGEDAN acoustic one-man live 2018」を開催した。

ステージ中央には最新のアーティスト写真にも登場したソファが配置され、そこに置かれた藤原聡が使用するであろうアコースティックギターにスポットが当たっている。この日はスタンディングではなく全席指定ということもあり、間接照明が柔らかくステージ上を照らし、プライベートな空間に招かれたような特別な雰囲気に包まれている。

演奏もグルーヴも、バンドのネイキッドな部分が露呈されるアコースティックライブはある意味挑戦とも言えるが、「愛なんだが・・・」「SWEET TWEET」などの定番曲や最新曲の「Tell Me Baby」「LADY」に加え、サザンオールスターズ「涙のキッス」、ビリー・ジョエル「ニューヨーク・ステイト・オブ・マインド」などのカバー、さらに「相思相愛」「115万キロのフィルム」といった未発表曲など、過去と現在を行き来しつつ彼らの音楽的なバックボーンに迫る全18曲を堂々たるパフォーマンスで披露。約2時間という濃密な時間は温かくもエキサイティングで、アーティストとしての表現力とプレイヤーとしてのスキルの高さを証明するには充分だった。

使用機材に目を移すと、ニューギアの姿も多く見られた。小笹大輔(Gt)はフェンダーのアコースティックParamount PM-1を計13曲で使用。太くふくよかな音色はプリミティブな楽曲群に相応しく、「Tell Me Baby」では小気味良いカッティングを刻み、ソウルフルな「Happy Birthday To You」では美しい旋律のソロを響かせる。ただギターをかき鳴らすだけの凡庸なプレイではなく、多彩なリードプレイにも果敢に挑むことができるのは、スキルの高さはもちろんエレキギターからの持ち替えにもストレスなく対応するPM-1の功績も大きいだろう。

楢崎誠(Ba)はフェンダーのAMERICAN ORIGINAL ‘50S PRECISION BASS®を計9曲で使用。これまでジャズベースタイプを使用することが多かったが、ひとつひとつの楽器がより際立つアコースティックライブにおいて、ピュアで推進力のあるプレベサウンドは存在感を放ちながら一音一音をしっかりと聴かせる。

ライブは、藤原聡(Vo,Pf)がアコースティックギターを弾きながら歌ったレアな「LADY」、ニューアルバムに収録予定の不器用な愛の歌「相思相愛」、松浦匡希(Dr)を含むメンバー全員で熱唱したサザンオールスターズの「涙のキッス」など、4人の息遣いさえも聞こえてきそうなロマンティックな歌と演奏を披露。アンコールでは“聴きたい曲は聴けた?”という藤原聡の問いかけから、観客からリクエストのあった「ニットの帽子」「始発が導く幸福論」「未完成なままで」を演奏するというサプライズも。

聴き手の心のいびつな部分をなぞり、心象を音像化したような雄大な世界を作り上げたこの日。4月11日リリースのニューアルバムへの期待が、より一層高まる一夜となった。


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