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OKAMOTO'S「OKAMOTO'S 90'S TOKYO BOYS IN HALL」レポート

2017年10月7日(土)中野サンプラザにて行われた、初のホール単独公演「OKAMOTO'S 90'S TOKYO BOYS IN HALL」の模様をレポート。

OKAMOTO'S

開演時間が近づき、客席が総立ち状態で彼らの登場を待つ中、幕が上がるとそこに現れたのは、スタジオを模したセット。壁にはOKAMOTO'Sの歴代のアルバムジャケットが貼られ、メンバー私物のギターやアンプが雑然と配置されている。客電も点き、おもむろに現れた4人は中央のテーブルに座るなり、まるで「オカモトーーーク」(OKAMOTO’Sが配信しているYoutube番組)さながらのトークショーを始めた。

そう、実は本公演は2部構成となっている。第1部は「オカモトーーークIN中野サンプラザ」、第2部は特設サイトにて開催されていた「楽曲総選挙 」なるファン投票の結果を元に組んだ、スペシャルセットリストによるライヴであることが明かされると、ファンからはどよめきと笑いと拍手が、同時に沸き起こった。

第1部の「オカモトーーークIN中野サンプラザ」は、ハマ・オカモト(Ba)のMCによって進行。まずは、OKAMOTO'Sのスタッフによる人気曲ベスト5が発表される。その中から4位に選出された「Phantom(By Lipstick)」をセットに飾られた機材を使用し、ジャムセッション風に披露。オカモトコウキ(Gt)がエレピを演奏し、オカモトショウ(Vo)がアコギを弾くというイレギュラーな編成に、ファンからは喜びの声が上がった。ショウが手にしていたParamount PM-2の小ぶりなボディが、リラックスした”部屋感”によく似合っていた。ハマはAmerican Professional Precision Bassをチョイス。

その後も「新宿で聞いた人気曲BEST3」を発表したり、事務所の先輩であるYO-KING(真心ブラザーズ)からのコメントを紹介したりしながら、「虹」や「告白」などのレア曲の演奏を交えつつ、親密さと笑いに包まれた彼ららしいひと時となった。

第2部は、小林克也のナレーションに導かれ、「青い天国」からスタート。先ほどのゆるい雰囲気とは打って変わり、渦巻くグルーヴとエモーショナルなオカモトショウのボーカルパフォーマンスがフロアを沸かす。続く「SEXY BODY」では、Fender Custom Shop Jazz Bassを手にしたハマがスラップのソロを繰り出し、それに応戦するかのようにコウキがギターソロを畳み掛けると、会場はさらにヒートアップ。「ラブソング」では、Fender Telecasterに持ち替えたコウキが、オカモトレイジ(Dr)によるタイトなセカンドラインの上で、“いなたい”リズムを刻んでいく。その音の粒立ちは抜群で、歪んでいてもコードの響きがクリアに耳に届いた。また、コウキとショウのツインボーカル曲「Border Line」では、1965年製 Fender Stratocasterを使用。カッティングとオブリガードをミックスしたギターリフは粘り気があって、バンドアンサンブルの中でもハイからローまで、非常に抜け良く聴こえてきたのが印象的だった。

一方、ハマはザ・ストーン・ローゼズ「Fool's Gold」を彷彿とさせるクールなファンキーチューン「Beek」では、1968年製 Fender Precision Bassを操りファットでドライな低音を轟かせた。また、OKAMOTO’Sと同世代のヒップホップグループKANDYTOWNから、RyofuとMUDをゲストに迎えて演奏した「NEKO」では、ハマはAmerican Professional Jazz Bassを使用。レイジとともに一歩引いたところで、楽曲のボトムをしっかりと支えていた。この“抜き差し”の按配も、20代とは思えぬセンスだ。

ファン投票によるセットリストということもあって、次から次へと人気曲を畳み掛ける怒涛の展開。極めつけは、唯一上位にランクインした提供曲「勝手に仕上がれ」で、イントロが鳴り出した途端、鼓膜が破れんばかりの黄色い悲鳴が響き渡る。メンバー全員がボーカルを取るという演出も、ファンには嬉しいサプライズだった。

アンコールでは、投票結果を20位まで発表した後、最新作『NO MORE MUSIC』から「BROTHER」と「90'S TOKYO BOYS」を演奏。ハマはMCで「同級生の“放課後的なノリ”を、中野サンプラザに持ち込むなんて俺たちにしかできないよ?」などと言ってオーディエンスを笑わせていたが、それこそまさにOKAMOTO'S最大の魅力であり、強味だろう。

抜群のトークスキルを持つ、親しみやすく愛すべきキャラクター。マニアックな音楽愛に溢れながら、それをエンターテイメントへと昇華する卓越したソングライティング能力。そして、幾つもの修羅場をくぐり抜けた、百戦錬磨の演奏能力。それらすべてを兼ね備えた若手バンドなど他にいない。そんなことを、改めて実感した夜だった。


OKAMOTO'S

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SET LIST

第1部:アコースティックセット
1.Phantom(By Lipstick)
2.虹
3.告白

第2部
1.青い天国」
2.SEXY BODY
3.Wanna?
4.ラブソング
5.Beek
6.Boder Line
7.マジメになったら涙が出るぜ
8.なんかホーリー
9.NEKO feat.呂布/MUD
10.勝手に仕上がれ
11.Let's Go! Hurry Up!
12.JOY JOY JOY

アンコール
1.ヤバコウキ
2.BROTHER
3.90'S TOKYO BOYS
 

› OKAMOTO'S:http://www.okamotos.net/