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「SUNBURST SOUL SESSIONS」レポート

8月23日(水)、東京・LIQUIDROOMにて開催されたソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)とフェンダーのコラボイベント「SUNBURST SOUL SESSIONS」の模様をレポート。

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ソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)とフェンダーのコラボイベント「SUNBURST SOUL SESSIONS」が8月23日、東京・LIQUIDROOMにて開催された。出演アーティストは、フェンダーからシグネイチャーモデルを発表している山内総一郎(フジファブリック)、ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)と、日頃からフェンダーのギターを愛用している澤竜次(黒猫チェルシー)、Reiの4人。

フェンダーミュージック株式会社社長エドワード・コールのオープニングスピーチ後、まずは、ドラムにオカモトレイジ(OKAMOTO’S)を迎えた5人編成で、オープニング・セッションがおこなわれた。3コードで構成されたファンキーな楽曲を、肩慣らしでもするかのように楽々と弾きこなすフロントの4人。楽曲全体を見渡し、的確なフレーズを落とし込んでいく山内、荒々しさの中にも、どこか繊細なきらめきを感じさせる澤、ハマ曰く「規格外」のぶっ飛んだフレーズを繰り出すRei、そして、楽曲のボトムを支えながらツボを押さえたプレイに徹するハマと、それぞれのキャラクターが滲み出るようなソロの応酬に、早くもフロアは熱狂の渦に包まれた。

オープニング・セッションが終わり、山内と澤がステージを去ると入れ替わるようにヴォーカル のオカモトショウ(OKAMOTO'S)、ギターのオカモトコウキ(OKAMOTO'S)が登場。まさに「OKAMOTO'S featuring Rei」とでもいうべき編成で第一部がスタートした。

米国のブルース・ミュージシャン、メンフィス・スリムが1959年に録音&発表し、のちにエリック・クラプトンが取り上げ有名になった名曲「Steppin' Out」や、 Reiのオリジナル曲「Route 246」、そしてOKAMOTO'Sのオリジナル曲「Beek」を立て続けに披露。どの曲にもリレーやバトルのようなソロが用意されるなど、普段のライヴよりも各々の見せ場が多いアレンジに、全員が生き生きと楽しそうだ。

「とにかく今日は、楽器のソロがたくさん聞けるライヴですよー!」ショウがそう呼びかけると、会場からは歓喜の声が上がった。

続いてReiがアコギに持ち替え、フェアグランド・アトラクションの名曲「Perfect」をカヴァー。さらにゲスト・ヴォーカルの渡辺大知(黒猫チェルシー)を迎え、彼が人生初のライヴでカヴァーしたという、思い出のラモーンズ「The KKK Took My Baby Away」を畳み掛ける。この曲は、“パンクの流儀”に倣い、ハマも含めたフロントマン全員が“ダウンピッキング”で演奏した。

その後もシックの「Good Times」や、ザ・フーの「Summer Time Blues」など往年の名曲を次々とカヴァー。「Summer Time Blues」では、もちろんオカモトコウキがピート・タウンゼントばりの“ウィンドミル奏法”をキメる。最後はReiのオリジナル曲「BLACK BANANA」を演奏し、第一部は終了した。

第二部ではステージに椅子が用意され、山内、澤、ハマ、Reiの4人によるトークセッションがおこなわれた。事前に募った4人への質問を司会者を務めたオフィシャルメディアGiGSの重松編集長が読み上げ、それに一人ひとりが答えていく、というもの。例えばハマは、フェンダーPrecision BassとJazz Bassの音の違い、ピック弾きと指弾きの音の違いなどを、実際に演奏しながら説明した。また山内は、「ライヴ中にギターを持ち変えるのは何故か?」という質問を受け、曲によってギター弦のチューニングが違うこともあること、ベースと同じように、ギターも種類によって音に大きな差があることなどを実演してみせた。

第3部は再びライヴ演奏で、山内と澤が主役。ベースに宮田岳(黒猫チェルシー)、ドラムに岡本啓佑(黒猫チェルシー)、そしてキーボードに金澤ダイスケ (フジファブリック)を迎えた5人編成で、ジェフ・ベックの「Led Boots」や、ホワイト・ストライプスの「Seven Nation Army」、サンタナの「Soul Sacrifice」を熱演。メドレーのように切れ目なく楽曲をつなぎ、お互いに目配せしたり、笑い合ったりしながらギターを弾く山内と澤。 黒猫チェルシー「LIFE IS A MIRACLE」、フジファブリック「虹」と言ったオリジナル曲も披露されたステージは、普段、自分たちのライヴではあまり見せないような、心からリラックスした表情を眺めているだけで、こちらも幸せな気分になった。

アンコールでは、再びフェンダー社長もステージに上がり、出演者全員でチャック・ベリーの「Johnny B. Goode」をカヴァー。この日のメニューは全て終了した。

それにしても、素晴らしい試みが盛りだくさんのイベントだった。中盤のトークセッションでは、楽器そのものの面白さ、セッションの楽しさなどを、若いリスナーたちも分かりやすく学ぶことができ、このイベントを体験する前とした後では、きっと音楽の聴こえ方も変わったことだろう。是非第二回も開催してほしいと願わずにはいられないライブとなった。

› American Professional


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ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)

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Rei

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山内総一郎(フジファブリック)

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澤竜次(黒猫チェルシー)

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トークセッションの様子

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フロアにはAmerican Professional Seriesも展示


› OKAMOTO'S:https://www.okamotos.net/
› REI:https://guitarei.com/
› フジファブリック:https://www.fujifabric.com/
› 黒猫チェルシー:https://www.kuronekochelsea.jp/