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GRAPEVINE club circuit 2018 レポート

2018年11月27日(火)新木場STUDIO COASTにて行われた、クラブサーキットツアー「GRAPEVINE club circuit 2018」最終日の模様をレポート。

GRAPEVINE

2017年にデビュー20周年を迎え、9月に通算15枚目となるアルバム「ROADSIDE PROPHET」をリリースし、その後もアルバムツアーや各地のフェス出演など精力的な活動を続けているGRAPEVINE。2018年11月3日からスタートしたツアー「GRAPEVINE club circuit 2018」が11月27日、新木場STUDIO COASTでファイナルを迎えた。

「旅から帰ってきたぜ! 東京は久しぶりですね。今日も始めていきましょう、よろしく!」(田中和将)

簡潔なMCですぐに「ピカロ」がスタートした。田中和将(Vo,Gt)が歌詞を一言ずつ噛みしめるように歌い、ゆったりと会場の空気を温めていく。「SATORI」では、あえて隙間を生かした最小限の音によるアンサンブルで繊細なメロディーをじっくりと歌い、明るいタッチの「1977」では歪んだギターがじわじわと気持ちを高揚させてくれる。勢い任せではない、キャリアを積み重ねてきた安定感のあるサウンドとヴォーカル。冒頭の数曲で観客の心をわしづかみにしていくのが実感できる滑り出しだ。

「21周年記念ツアーへようこそ。お察しのとおり、今年は何のリリースもしておりません(笑)。21周年記念ツアーと題して廻ってきましたが本日が最終日です。だからといって何の感慨も抱いておりません。なぜなら来年、22周年記念ツアーをするからです(笑)。今日は自由に気楽に最後まで過ごしていってくれたらいいなと思います。心をあちこちに飛ばして、いろんな想像をしつつ聴いてくれたら嬉しいです」(田中)

「East of the Sun」では田中がセミアコからアコギに持ち替え、西川弘剛(Gt)がAmerican FAT Telecasterに持ち替える。しっかりと太さを持つAmerican FAT Telecasterのサウンドはふくよかで、アルペジオや単音弾きの時には芯のあるトーンとともに艶を感じさせてくれるほどだ。さらに、スライドプレイなど多彩なプレイを盛り込んで魅了する。

田中もStratocasterやTelecaster、セミアコ、アコギと、使用ギターを頻繁にチェンジして楽曲の世界を彩る。田中のAmerican Original ‘60s Telecaster Fiesta Redは、ヴィンテージ感を残しながらも粒立ちのいいサウンドが特徴。鋭いカッティングでも1音1音がクリアに聴き取れるほどのブライトさで迫る。

切ない曲調の「その日、三十度以上」、パワフルな「FROGEMASTER」など、さまざまな曲で熱量を上げていくが、ファンキーなサウンドで一気に会場を盛り上げたのは「マダカレーツクッテナイデショー」。田中のシャウト気味のヴォーカルが炸裂し、2人のギターが呼応するかのようにフレーズで響き合い、ダンサブルなビートを刻む亀井亨(Dr)のドラムが最高のグルーヴを生み出していた。

ライヴ中盤にはメランコリックな「Weight」と「Dry November」が続き、これ以上ないほどの細やかな音と歌の重なりに場内も聴き入る。そして、ファルセットを主体とした「BABEL」のキャッチーなメロディーが後半になると熱を帯び、どんどん攻撃的になっていく場面も彼らならではの見せ場だ。1曲の中に同居するいくつもの感情が、演奏や歌でさまざまな表情を浮かび上がらせる。それは、繊細さと骨太さ、静と動といったコントラストによる彼らの音楽性のダイナミズムが確実に感じられる瞬間でもあった。

後半になると、重い4つ打ちビートの「HESO」、メロディアスな「白日」、アッパーな「シスター」といった強い個性を持った楽曲が切れ目なく並ぶ。中でも「EVIL EYE」ではハードな音とソウルフルなヴォーカルが一体となって生々しく迫り、この日最強の熱を生み出していた。

アンコールでは「Reverb」「会いにいく」といった、憂いのあるメロディーが生かされたナンバーを用意。どっぷりとその世界に浸ったあとは、思いっきりブルージーな「ナポリを見て死ね」、そしてバンドのリアルな姿を刻印した曲「Arma」で幕を閉じた。

感動の余韻のまま会場の外に出ると、巨大な壁面に映像で告知が投影されるという演出が。そこでは、2019年2月6日にニューアルバム「ALL THE LIGHT」がリリースされること、そしてアルバム収録曲となる新曲「Alright」がライヴ当日の24時から先行配信されることが発表され、帰路につく観客たちに強烈なインパクトを残した。

20周年という節目の時期を超え、新次元に突入して制作されたニューアルバム「ALL THE LIGHT」、そしてリリース後の2月に予定されている話題のシンガー中村佳穂との対バンツアー、4月から始まる全20公演におよぶ全国ワンマンツアーも楽しみだ。


GRAPEVINE

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(Photo by 藤井拓)


セットリスト
1. ピカロ
2. SATORI
3. 1977
4. EAST OF THE SUN
5. TOKAKU
6. その日、三十度以上
7. FORGE MASTER
8. MAWATA
9. マダカレークッテナイデショー
10. Weight
11. Dry November
12. BABEL
13. Silverado
14. HESO
15. 白日
16. シスター
17. EVIL EYE
18. 公園まで
19. うわばみ

ENCORE
1. KOL
2. Reverb
3. 会いにいく
4. ナポリを見て死ね
5. Arma


› GRAPEVINE:https://www.grapevineonline.jp/

最新配信曲「ALL THE LIGHT」
配信開始日:2018年11月28日(水)
iTunes Store、Spotify他主要配信サイトおよび定額制聴き放題サービスでも配信

Artist

NEWアルバム「ALL THE LIGHT」
発売日:2019年2月6日(水)
初回限定盤:CD + DVD ¥4,500(税抜)VIZL-1505
※DVDの内容については後日発表いたします。
通常盤:CD ¥3,000(税抜) VICL-65092


ライブ情報「GRAPEVINE SOMETHING SPECIAL」
Guest:中村佳穂(全公演)
2月21日(木) 名古屋クラブクアトロ
2月22日(金) 心斎橋BIGCAT
3月01日(金) マイナビBLITZ赤坂


ツアースケジュール「GRAPEVINE tour2019」
4月12日(金) LIQUIDROOM
4月14日(日) 新潟LOTS
4月20日(土) 神戸ハーバースタジオ
4月21日(日)  Live House浜松窓枠
4月27日(土) 札幌ペニーレーン24
5月11日(土) 熊本B.9 V1
5月12日(日) 鹿児島CAPARVO HALL
5月18日(土) 岡山YEBISU YA PRO
5月19日(日) 松山Wstudio RED
5月25日(土) 金沢EIGHT HALL
5月26日(日) 長野CLUB JUNK BOX
6月1日(土) 盛岡Club Change WAVE
6月2日(日) 仙台Rensa
6月8日(土) 福岡DRUM LOGOS
6月9日(日) 広島クラブクアトロ
6月14日(金) 名古屋ボトムライン
6月15日(土) なんばHatch
6月22日(土) 宇都宮HEAVEN’S ROCK VJ-2
6月23日(日) 郡山CLUB#9
6月28日(金) Zepp DiverCity