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INORAN TOUR 2018 “Override 66”

2018年9月29日(月)品川ステラボールにて行われた「INORAN TOUR 2018 “Override 66”」ファイナルの模様をレポート。

INORAN

最新作「Override」を引っ提げた全国ツアー「INORAN TOUR 2018”Override 66“」のファイナルを品川ステラボールで迎えたINORAN。この日、9月29日はINORANの誕生日にあたることから、「NO NAME? MENBERS’ LIMITED LIVE-INORAN PREMIUM B-DAY-」と銘打っての、ファンクラブ「NO NAME?」会員限定プレミアムライヴとなった。

大歓声を受けてサポートメンバー(Yukio Murata/Gt、u:zo/Ba、Ryo Yamagata/Dr)とステージに登場したINORAN。ギターをかき鳴らす「REDISCOVER ON ANOTHER」でスタートすると、えぐるような鋭いサウンドが場内に響き渡った。

黒いボディのフェンダーINORAN Jazzmaster #1 LTDをメインに、弾き手の感情がストレートに伝わるプレイで魅了。衝動に直結した荒々しさ、全身全霊でぶつかってくる激しいライヴパフォーマンスとともに、硬質なギターサウンドがダイレクトに突き刺さってくる。

さらに、ユニゾンのフレーズが心地いい「We’ve Lost Control」、キャッチーなリフとともに高らかに歌い上げる「Awaking in myself」、強烈に歪ませたギターとドライヴ感あふれるバンドサウンドが轟音で迫る「grace and glory」など、グランジやオルタナ系の影響を感じさせるエモーショナルなギターサウンドで、攻めの姿勢を崩さない。

「ヘイヘイ、東京! ツアーファイナル、最高の一日にしようぜ! 俺は各会場で、今回のツアーは嵐になると言ってきた。音の雨と音の風圧で、お前らが好きに踊ってくれるよう、俺は嵐になってきた。今日も思う存分、踊ってくれるか? お前らの思い、笑顔、熱を俺に託してくれ! 最高の夜にしようぜ!」

そして、伸びやかで爽やかなメロディの「Daylight」、キレのいいボーカルを聴かせる「Hide and Seek」、グルーヴ感あふれるサウンドに乗せて自由に泳ぎ回るような歌を披露する「2 Lime s」、マイナーのメロディを切々と歌う「Something about you」など、さまざまなタイプの楽曲で歌のアプローチも変化させ、多彩な場面を形作っていく。

「みんな、暑いか? 俺のライヴはエクササイズ。顔を見て、ハードル上げるからな。みんな、NO NAME?の人だよね? だとしたらもっと(歓声を)くれてもいいよね。もうちょっとエクササイズしようぜ! 俺の思いは届いてますか?」

そんな煽りのMCに続けて披露した「Turn It Around」はこれまでになくポップで明るい曲調の楽曲。ミラーボールに照らされ、サイケデリックなカラーを持ったナンバーが会場の空気をじわじわと変えていく。「Override」でも印象的な曲だったが、この日のライヴでも大きなアクセントとなる重要なポジションに置かれていた。

サポートメンバーによるセッションの後、未発表曲「adore」ではサポートメンバーがパートチェンジを行うという珍しい場面も。シンプルなロックンロールでありながら、親しみのあるメロディが耳に残るナンバーだった。

ここで、スペシャルゲストのDJ BASSが登場。「raize」では巧みなターンテーブルさばきで華やかなスクラッチプレイを生み出し、Jazzmasterから放たれるキラキラとしたINORANのギターと絡んでみせる。そして、「みんなが思っている、うまくいかないこと、つらいこと。それをここに捨てて、吹き飛ばしていこうぜ!」と促され、観客がタオルを回しながら合唱し、一体感が高まる「Rightaway」へ突入。

続けて、じっくりと歌を届ける「Beautiful Now」、観客とのコール&レスポンスで盛り上がっていく「Get Laid」と、ラストに向けてますますライヴは熱を帯びていく。「I’m Here for you」では、パンキッシュなJazzmasterサウンドと熱いコーラスが音楽へのひたむきな思いをぶつける。音も歌も、一切加減することなく全力で叩きつけるといっていいエネルギッシュなプレイだった。

「今日は48年前、俺が生まれた日であって、何でもない日なんだよ。みんなにとってそれぞれ、特別な日があると思うけど、それを隣で喜んでくれるのは、友達だったり家族だったりする。その人を大切にすること、その人の特別な日を一緒に喜んであげること、それが絆、繋がりだと思うんだ。だから今日、僕の何気ない一日に集まってくれたみんなとは強い絆で結ばれていると思う。君たちの何気ない日、特別な日を、僕はギターをかき鳴らして歌を歌って応援して、君たちの背中を押せるよう日々精進していきたい。音楽と真摯に向き合って、ステージに立って、CDに魂のこもった音を吹き込んで、君たちの背中を押したいと思うので、これからもよろしくお願いします!」

ラストに用意されていたのは「All We Are」。ゆったりとしたビートで大きなウネリを感じさせるサウンドに乗せ、ドラマチックに歌い上げるINORANの姿が圧倒的な感動を呼ぶエンディングだった。

これで終了と思っていると、客席から“ハッピーバースデー”の合唱。そのままステージ上にバースデーケーキが運ばれてくるというサプライズに、INORANも目を細めていた。

そして、年末のアンコールツアーが12月27日・大阪、30日・東京(NO NAME?限定ライヴ)で開催されることもアナウンスされた。「アンコールが見たかったら来てくれ。みんな必ず会いに来いよ!」と叫んでステージを去ったように、こちらはINORANの2018年の活動を締めくくるライヴになりそうだ。


INORAN

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セットリスト
1.REDISCOVER ON ANOTHER
2.We’ve Lost Control
3.Awaking in myself
4.grace and glory
5.時化
6.Daylight
7.Hide and Seek
8.2Lime s
9.Something about you
10.Turn It Around
11.Shine for me tonight
12.Drum&Bass&Guitar Session
13.adore
14.raize
15.Rightaway
16.Beautiful Now
17.Get Laid
18.I’m Here for you
19.All We Are


› INORAN:http://inoran.org/