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L’Arc-en-Ciel「25th L'Anniversary LIVE」

L’Arc-en-Ciel「25th L'Anniversary LIVE」:東京ドームで開催された結成25周年記念ライヴの模様をレポート。

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L’Arc-en-Cielが4月8日(土)、9日(日)に東京ドームにて結成25周年記念ライヴ「25th L'Anniversary LIVE」を開催した。1年7カ月ぶり、13回目の東京ドーム公演となった今回の模様は、国内外の映画館にてライブビューイングも実施された。今回は8日(土)の公演をレポート。

客電が落ち、巨大なLEDスクリーンでオープニングムービーが上映されると、5万人を超えるオーディエンスが固唾を呑むように見守る。そして、「L'Arc-en-Ciel」のロゴが大きく映し出された瞬間、割れんばかりの歓声が巻き起こった。

まずは、今から約20年前にリリースされたシングル「虹」からスタート。鮮やかなペイズリーがペイントされた、Fender Custom Shop Ken Stratocaster Paisley Fantasy by Greg Fesslerを抱えたken(Gt)が爪弾く、きらびやかなアルペジオが流れ出した途端、会場からは「おおー!」というどよめきが起きた。エキゾティックな衣装に身を包んだhyde(Vo)が力強い歌声を響かせ、あっという間にオーディエンスの心を掴む。

続く「Caress of Venus」では、kenがリズミカルなギターカッティングで会場を煽ったかと思えば、ミュートピッキングで紡ぎ出されるカウンターメロディを、hydeの歌と絡ませ立体的な音像を構築していく。一方yukihiro(Dr)は、歌心たっぷりのドラミングで楽曲に躍動感を与え、赤いジャケットを羽織ったtetsuya(Ba)がステージ狭しと動き回りながら、隙間を縫うようにベースをドライヴさせる。この4人でなければなし得ない「鉄壁のグルーヴ」が今、目の前で展開されている事実にただただ圧倒されるばかりだ。

hydeのハーモニカから始まる「flower」や、kenのファンキーなカッティングが引き立つ「Lies and Truth」、tetsuyaのメロディックなベースラインが印象的な「forbidden lover」など、’90年代後半の名曲たちを寄せ集め、昔からのファンを悶絶させる。照明や映像、レーザーなど曲ごとの演出も凝りに凝っていて、「Shout at the Devil」では火炎のみならず花火まで打ち上がり、会場を大いに驚かせた。

さらに驚いたのは中盤の演出だ。「REVELATION」でtetsuya とyukihiroがギターを抱え、hydeとkenがスタンディングドラムを高らかに打ち鳴らすと、突然ステージがゆっくりと動き出しアリーナを縦断していく。大掛かりな仕掛けに、唖然とするオーディエンス。アリーナ後方のサブステージに到着した4人はおもむろにセッティングを済ませ、「この曲がL'Arc-en-Cielの原点です」とhydeの紹介を合図に「Voice」を演奏した。ここではFender Custom Shop Ken Stratocaster Galaxy Redに持ち替えたkenが、1曲の中で、クリーントーンやクランチ、オーバードライヴなど様々な音色を繰り出していく。特に驚いたのは、クリーントーンの抜けの良さ。この日kenはクリーントーン用にFender 68 Custom Deluxe Reverb Ampを使用。ドームという、PA音響としてはかなり不利な環境で、驚くほど透き通ったトーンを響かせていた。

ポリスハットを被ったhydeが、官能的なファルセットヴォイスで歌う「X X X」の後、4人は再びメインステージへ。ステージが暗転し、バックステージの様子や撮影現場のオフショットなど秘蔵映像を上映したのち、1998年に連続リリースしたシングル「花葬」「浸食 -lose control-」「HONEY」を立て続けにドロップ。「花葬」のミュージッククリップのような衣装、メイクで登場したhydeは、ゾクゾクするほど危険な美しさだった。

「MY HEART DRAWS A DREAM」のイントロは、kenによる即興演奏。アームやボリュームツマミを駆使しながら、ピッキングの強弱で歪みのグラデーションを作っていく。続く「NEO UNIVERSE」では、American Professional Stratocaster HSSに持ち替えたken。今回、この曲のみハムバッカーを搭載したギターを使ったのだが、E-Bowを用いたロングトーンのフレーズも、芯の太い音色でしっかりと鳴り響いていた。

後半は、再びFender Custom Shop Greg Fessler Builder Selectをメインで使用。キラキラとしたアップテンポな楽曲「Driver's High」では、粒立ちの良いギターサウンドを奏でていた。

まるでマンハッタンのブロードウェイのような、ド派手な映像とともに「READY STEADY GO」を演奏し、インターバルを挟んでいよいよライヴは終盤へ。レーザーが飛び交う中、最新曲「Don't be Afraid」を、過去のメンバーの映像とステージ上のメンバーを、同時にバックスクリーンに映しながら「Blurry Eyes」を演奏。さらに「Link」では9年ぶりのメンバー紹介を間奏に挟み、最後は全員で「あなた」をシンガロングし全ての公演は終了した。

「(バンドを)始めた頃のことは、昔過ぎてあまり覚えてないけど、夢と『根拠のない自信』だけはありました。そこからの25年間は、すごく長かった気がするな」と、この日最後のMCでしみじみ話していたhyde。「みんなからは順風満帆に見えたかもしれないけど、本当に山あり谷ありの25年間でした。今もこうしてドームに立っていられるのは、スタッフやメンバー、そして何よりここにいるみんなのおかげです。君たちがいなかったら、今日ここに立つことはなかった」。そう話す彼は、こみ上げる思いをぐっとこらえているように感じた。

ロックスターとしての理想的な佇まいと、美しい楽曲、チャーミングな人柄に、溢れんばかりのサービス精神。L'Arc-en-Cielというバンドが持つ魅力の全てがぎゅっと凝縮した、夢のようなひと時だった。

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(撮影/岡田貴之、緒車寿一)


2017.4.8 SET LIST


Caress of Venus
the Fourth Avenue Café

flower
Lies and Truth

fate
forbidden lover
Shout at the Devil

REVELATION

Voice
X X X

花葬
浸食 -lose control-
HONEY

MY HEART DRAWS A DREAM
NEO UNIVERSE

STAY AWAY
Driver's High
READY STEADY GO

Don't be Afraid
Blurry Eyes
Link
あなた

 

› L'Arc〜en〜Ciel Official WebSite:https://www.larc-en-ciel.com/