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LUNA SEA 30th Anniversary LIVE LUNATIC X’MAS 2019 レポート

LUNA SEAが12月21日(土)22日(日)さいたまスーパーアリーナにて『LUNA SEA 30th Anniversary LIVE LUNATIC X’MAS 2019』を開催。その22日(日)の模様をレポートする。

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結成30周年を迎えたLUNA SEA。12月18日 最新アルバム「CROSS」がリリースされた直後、12月21日(土)22日(日)にさいたまスーパーアリーナにてクリスマスライヴ『LUNA SEA 30th Anniversary LIVE LUNATIC X’MAS 2019』を開催した。

超満員の会場に頭上から降り注ぐ光の演出による厳かなオープニング。メンバーがステージに現れると、「宇宙の詩~Higher and Higher~」が始まった。真矢(Dr)とJ(Ba)のコンビネーションから生まれるしなやかなビートに乗せ、SUGIZO(Gt)が空間を切り裂くような鋭い音色でリフを奏で、INORAN(Gt)が輝きのあるダイナミックなカッティングを響かせる。そんな盤石のバンドサウンドとともに、RYUICHI(Vo)の歌声がこれまで以上にたくましく力強く迫る。

立て続けに「The End of The Dream」に突入し、「ROSIER」「DESIRE」と次々に披露。過去にも増して音の迫力に圧倒される。より音が近くに聴こえ、今のバンドのタイトさや、生の音がダイレクトに伝わってくる。代表曲が続いて演奏され、INORANの澄み切ったストローク音で始まる「IN MY DREAM(WITH SHIVER)」ではコアなファンからの反応が牽引して会場全体が盛り上がりをみせる。やはり浸透している一曲だ。じっくり聴かせたあと、RYUICHIが会場を見渡して語りかける。

「みんな、LUNA SEAの30周年を楽しんでる? この30年間の奇跡は、この5人が変わらずここに立っているということ、そしてみんなが支えてくれているということ。一緒にさらに高みを目指して、未来に向かって走っていきたいと思います」(RYUICHI)

続く「Sweetest Coma Again」でJはAmerican Ultra Precision Bass Arctic Pearlを使用。定番のプレベサウンドからエッジの効いたアクティヴサウンドの両方が出せる最新機材。よりヘヴィなベースサウンドでボトムを支え、今回から最新鋭のエレクトリックドラムを導入している真矢のドラムサウンドと相まって、曲ごとのサウンドの違いをこの曲では特に体感できた。

機材面を見てみるとJazzmasterを使用しているINORANは曲によってCustom Shop製の#1 (Black)、#2 (Olympic White)、 #3 (Lake Placid Blue) を使い分けている。クリーンで抜けの良いサウンドはもちろんだが、ラウドな歪みもJazzmasterならではの明瞭さであった。どのギターもメインと呼べる程の使用頻度だ。

Jは曲によって複数のPrecision Bassを使い分けているが、基本となっているのはFENDER CUSTOM SHOPグレッグ・フェスラーが製作した’57 Precision Bass Relic Reverse Head Black Gold。ハードなサウンドにも埋もれることなく、前面に出て強固な存在感を発揮するモデルだ。

続いて演奏されたTM NETWORKのカヴァー「BEYOND THE TIME 〜メビウスの宇宙を越えて〜」では、INORANのクリーントーンとSUGIZOのクランチサウンドが重なり合い、幻想的な音の広がりを生み出す。

また、物悲しいメロディを全力で歌い上げるRYUICHIの姿が印象的だった「悲壮美」は、彼のヴォーカリストとしての凄みに圧倒されるナンバー。その余韻のまま、SUGIZOの弾くヴァイオリンから始まった「闇火」では、INORANのアコースティックギターも加わり、さらに深みのある音とともに熱唱を聴かせてくれた。

能のお囃子と共演の真矢のドラムソロ、歪ませた音で唸りを上げるJのベースソロでオーディエンスから熱量の高いレスポンスを受けたあと、「このままの勢いで次の曲コールさせていただきます」とJが切り出す。「Jesus don’t you love me!!!!」なんと、Jのシャウトで「JESUS」へ突入。会場内がはじけるような盛り上がりをみせた。SUGIZOのリフと、INORANのシャープなカッティングでお馴染みのスリリングな曲に思わず歓喜。コーラスではRYUICHIのメインメロディに続くハーモニー部分をオーディエンスがシンガロング。会場の一体感は凄まじかった。

そして、『機動戦士ガンダム40周年プロジェクト』記念テーマ曲である「THE BEYOND」。美しいイントロアルペジオから始まるこの曲、楽器隊の演奏の上に乗る雄大なヴォーカルメロディは本当に胸に残る。RYUICHIがエモーショナルに歌い上げた。

曲が終わり、終幕~復活といったLUNA SEAのこれまでの歴史を語るRYUICHI。長めのMCだと思っていると、実は機材トラブルが起きていることをSUGIZOが明かし、時間をつなぐためにメンバー間のトークが始まる。

「ここからテレビ中継を観た人、どう思うんだろう。トークライヴです!(笑)」(J)
「脱線LUNA SEA(笑)、みんな好きかー!」(INORAN)
「今日のライヴ、神回だよ。30年間でこんなライヴ、1回もないから」(J)
「これだけトラブっていると、本当なら僕らステージを一回降りるんです。でも神回として、今日はいるか」(SUGIZO)


さらに、SUGIZOは初めて竿(ギター)を持たないでメンバー紹介されることになり、自ら“ギャイ~ン”と叫ぶという、まさに“神回”な光景が見られた。

SUGIZOのディレイ系統の音が出ないとのことで20分ほどの中断の後、「BLACK AND BLUE」で再開。SUGIZOはディレイを使わず、ライヴ後半はダイレクトなギターサウンドで臨むことに。しかし、5人がフリートークで見事につないだことで、30年間に渡るメンバーの絆をあらためて感じさせてくれた。観客もそれに応えるよう更なる盛り上がりをみせる。偶発的な要素が加わり、より印象深くなったライヴと言えよう。

そこから吹っ切れたようにテンションの高い演奏と歌を聴かせていく。「STORM」でSUGIZOは感情をぶつけるように生々しい音でソロを弾き、Jは太く豪快なサウンドで「SHINE」のベースラインを鳴らす。そして、INORANがきらめくようなサウンドでカッティングする「BELIEVE」で本編を終了。

観客1万5千人が合唱する「きよしこの夜」のアンコールに応え、再登場した5人。雪の降る映像をバックに「HOLY KNIGHT」が始まった。この曲のみ、JはFender Custom Shopディレクターとして活躍しているクリス・フレミングがマスタービルダー時代に製作した ’55 Precision Bass Teal Green Metallicを使用。INORANはFender Custom Shopマスタービルダー、デイル・ウィルソンによって製作された’52 Telecaster Bigsby Ice Blue Metallicを使用。オールドタイプのプレシジョンベースに、ビグスビービブラート付きテレキャスターというルックスと音色が、楽曲の雰囲気にマッチしていた。

そして、クリスマスには欠かせない「White Christmas」から「I for You」につなげるドラマティックな展開は彼らならでは。緻密な音と燃えるような歌が織り込まれ、濃密な時間が流れていく。

一転して、INORANのワイルドなカッティングで始まる「TONIGHT」で視界が広がる。Jazzmasterの粒立のいい音がくっきりとした輪郭を描き、SUGIZOのワウカッティングが曲に熱を注ぎ込む。さらに、明るくはじける「WISH」ではRYUICHI、J、SUGIZO、INORANの4人がステージ前面に並び、客席を煽っていた。

ラストに披露された、最新アルバム収録曲の「LUCA」は、今回初披露されたナンバー。抜けのいい音のSUGIZOのアルペジオとINORANのストロークのマッチング、真矢のマーチングドラムのようなロールと芯のある低音で支えるJのベース、そして未来を歌うRYUICHIの高らかなヴォーカルといった、すべての要素が素晴らしく調和したこの楽曲で幕を閉じた。30周年を締めくくるに相応しいスペシャルなライヴであったと言えよう。

2020年2月1日から最新アルバムを携えた全国ホールツアーを行うLUNA SEA。30年間の絆とともに新たな扉を開く年になりそうだ。


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セットリスト
01.宇宙(そら)の詩(うた) ~Higher and Higher~
02.The End of The Dream
03.ROSIER
04.DESIRE
05.IN MY DREAM(WITH SHIVER)
06.Sweetest Coma Again
07.BEYOND THE TIME ~メビウスの宇宙を越えて~ ※TM NETWORKカヴァー
08.悲壮美
09.闇火
10.Dr.Solo & Bass Solo
11.JESUS
12.THE BEYOND
13.BLACK AND BLUE
14.STORM
15.SHINE
16.BELIEVE

ENCORE
01.HOLY KNIGHT
02.White Christmas 〜 I for You
03.TONIGHT
04.WISH
05.LUCA


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