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MIYAVI「Japan Tour 2019 "THE OTHER SIDE"」レポート

5月4日のZepp Nagoyaからスタートしたサムライギタリスト、MIYAVIによる「Japan Tour 2019 "THE OTHER SIDE"」。東京公演はZepp DiverCity 2days公演となった。その1日目の熱演をレポート。

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(Photo by 平野大輔)

開演を待ちきれない観客のMIYAVIコールが響き渡る中、ライヴは7月24日にリリースするニューアルバム「NO SLEEP TILL TOKYO」から、いきなり新曲の「Stars」でスタート。ドラムのBOBOとシーケンスを操るDJ Johnnyを従えたエネルギッシュな演奏に加え、ステージから満員の客席に向け、放たれるレーザービームのまばゆい光にさっそく、スタンディングのフロアはもちろん、あっという間に2階席もヒートアップ。一度走り出したら止まらない暴走マシーンと化したMIYAVIら3人が、そこから畳み掛けるようにお馴染みの曲の数々を、“叫べ!”“足りねえよ、東京!”“頭振ろうぜ!”と煽りながらつなげると、低音をこれでもかと鳴らしたダンサブルなビートと、MIYAVIが自在に操るフェンダーカスタムショップ製のTelecasterから放つファンキーなリフとエモーショナルなソロに応え、観客がジャンプ。序盤から大きな盛り上がりが生まれた。

中盤では“ニューアルバムが出ます。ついて来られるか!?”と、「NO SLEEP TILL TOKYO」から表題曲の「No Sleep Till Tokyo」に加え、「Tears On Fire」「Other Side」を披露。その3曲に前述した「Stars」、本編の最後を飾った「Under The Same Sky」を加えたニューアルバムからの5曲は、リリース前の新曲を、いきなり観客にぶつけるというチャレンジも含め、この日の見どころのひとつだった。打ち鳴らすトライバルなビートが印象的な「No Sleep Till Tokyo」では、この日、初めて聴いた観客がほとんどだったにもかかわらず、シンガロングを求めるMIYAVIに応え、観客の多くが声を上げた。

そして、この日のもうひとつの見どころが、今回のツアーから新たに導入したAmerican Acoustasonic Telecasterだった。

「新兵器をゲットしました。NAMM Show 2019でも弾き倒して運命を感じてます」と紹介しながら、American Acoustasonic Telecasterを中盤の「MOON」「HA!!!」「GANRYU」「SURVIVE」とアンコールの「Hands to Hold」でプレイ。

ボディを叩きながら生音を鳴らした「MOON」では、ラテンのパッションとメランコリーが1曲の中で絶妙に溶け合う歌とギタープレイを、観客がじっくり聴き入る中、単音はもちろん、コードをかき鳴らしても弦の1本1本が立って聴こえるAmerican Acoustasonic Telecasterの粒立ちと音の抜けの良さをアピール。そこから一転、「HA!!!」からは音色を存分に歪ませ、ここからさらに盛り上がっていくぞと後半戦の始まりを印象づけた。「SURVIVE」でガガガと鳴らしたミュートカッティングの音の太さにも注目したい。

一方、アンコールで演奏したバラードの「Hands to Hold」では、再び生音でコードを鳴らして、フルホロウボディならではのAmerican Acoustasonic Telecasterの音の厚みを印象づけた。

そんなAmerican Acoustasonic TelecasterはMIYAVI自身、“運命を感じている”と語っていた通り、今後、アコギとエレキの追求という意味でも、音のバリエーションという意味でも、ギターの本数や音色に頼らず、フレーズやプレイで真っ向勝負を挑んでいるMIYAVIにとって頼もしい相棒になるに違いない。

そして、American Acoustasonic Telecasterから再びTelecasterに持ち替えた「Fire Bird」以降は、EDMを思わせるダンスビートを際立たせた曲の数々を畳みかけるようにつなげ、フロアを揺らしながらクライマックスに向け駆け抜けた。本編の最後を飾ったアンセミックな「Under The Same Sky」でギターの歪みを抑え、歌をより一層際立たせたのは、曲に込めた“世界中、どこにいても同じ空の下にいる”という思いをしっかりと届けたかったからだ。クランチーに鳴らしたコードの歯切れのいい音色が、耳に心地良かった。

そして、前述した「Hands to Hold」から、MIYAVIのライヴには欠かせない「WHAT’S MY NAME?」まで、アンコールではさらに4曲を披露。曲に込めた思いを端的に語るぐらいで、ムダなMCは挟まずに計21曲を、高温の熱気をぎゅっと凝縮するように演奏した90分一本勝負とでも言いたいステージングからも、“サムライギタリスト”の異名を持つMIYAVIのストイックさがうかがえた。


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(Photo by 今元秀明)

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(Photo by 平野大輔)


セットリスト
01.Stars
02.Flashback
03.In Crowd
04.Bumps In The Night
05.Dim It
06.No Sleep Till Tokyo
07.Tears On Fire
08.Other Side
09.MOON
10.HA!!!
11.GANRYU
12.SURVIVE
13.Fire Bird
14.Raise Me Up
15.DAY 1
16.Dancing With My Fingers
17.Under The Same Sky

ENCORE
01.Hands to Hold
02.The Others
03.Long Nights
04.WHAT’S MY NAME?


› MIYAVI: http://myv382tokyo.com/