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THE BAWDIES「Thank you for our Rock and Roll Tour 2004-2019」レポート

2018年4月22日（日）新木場Studio Coastにて行われた「Thank you for our Rock and Roll Tour 2004-2019」の模様をレポート。

今年、結成15周年目＆メジャーデビュー10周年目のアニバーサリーイヤーに突入した4人組ロックンロールバンド、THE BAWDIESが4月22日（日）新木場Studio Coastにて「Thank you for our Rock and Roll Tour 2004-2019」の初日を迎えた。

2階席まで埋め尽くされた満員御礼のスタジオコースト。ROY（Ba,Vo）がステージ中央に立ち、彼を挟んで両端がTAXMAN（Gt,Vo）、JIM（Gt,Cho）というフォーメーションが彼ららしく独特でクール。曲の途中でROYが、“15年間の感謝とロックンロールへの愛を、一緒に叫んでいただけますか！”とオーディエンスに問いかけると、割れんばかりの歓声が上がる。「NO WAY」では、イントロの4つ打ちキックに合わせて全員がジャンプ。フロアが抜けるんじゃないか？と半ば本気で心配になるくらい、床が揺れまくっていた。

「I BEG YOU」では、MARCYのタイトなドラミングに合わせてROYのベースが唸る。ザ・ビートルズの「I Saw Her Standing There」を思わせる印象的なリフだ。Fender Custom Shop ’52 Telecaster w/humbucking（Sunburst）を抱えたTAXMANは、宙を切り裂くようなサウンドでジャキジャキとリズムを刻み、JIMのハムバッカーサウンドはそんな3人の演奏をギュッとひとつにまとめる“接着剤”的な役割を担っているようだ。

「YOU GOTTA DANCE」や「LEMONADE」、「NICE AND SLOW」といった曲では、本ツアーから新たに導入されたFender American Original '50s Stratocasterに持ち替えたTAXMAN。こちらは前出のTelecasterと比べて中低域にクセがあり、クランチ気味の音で弾くとアンサンブルの厚みが増したように感じる。「今だから新品のきれいなギターを使っても、ちゃんとTHE BAWDIESの音を出せる自信がどこかにあった」というTAXMANの言葉通り、この10年間の成熟を感じさせるサウンドとなっていた。

彼がリードヴォーカルを務める「LOVER BOY」では、イントロを弾き始めた瞬間にどよめきが上がる。しゃがれたソウルフルなROYの歌声とは対照的に、伸びやかで透き通るような彼の歌声がTHE BAWDIESの心地良いアクセントとなっているようだ。

中盤、突然ステージが暗転し、冬季オリンピックの“カーリング女子”をモチーフとした寸劇が始まった。これがびっくりするくらい面白く、思わずゲラゲラ笑ってしまう。そう、クールでトラッドな音楽性とは裏腹に、MCではMARCYをいじったり、逆にROYがTAXMANやJIMにツッコまれたりと、プロ芸人顔負けの“お笑い”も披露しているのだ。そんな、飾り気のない気さくな一面も、彼らが長い間人気を誇ってきた理由のひとつなのではないだろうか。

老若男女を踊らせる演奏力と、玄人を唸らせる黒人音楽への敬愛、そして芸人顔負けのユーモア。THE BAWDIESは、まるでアイドルだった頃のザ・ビートルズがそのまま大人になったような、愛すべきバンドなのである。彼らの10周年は始まったばかり。全国のライブハウスでロックンロールを鳴らしながら来年1月17日の武道館まで駆け抜けるだろう。

› THE BAWDIES：http://thebawdies.com/