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Tokyo Hot Spots Surrounded by FENDER

最高の音が彩る、東京のクリエイティヴな空間。

ロック、ポップ、ヒップホップ、EDM、ダンス、ジャズ、レゲエetc.、さまざまな音楽のジャンルにおいて欠かせないフェンダーのサウンド。1946年のブランド創設以来72年間もの間、多くのアーティストとともに音楽カルチャーを築き上げてきたフェンダーが、音楽の魅力を余すことなくクリアに、かつ緻密に表現するために満を辞して創り上げたBluetoothスピーカー、それが新作「MONTEREY BLUETOOTH SPEAKER」だ。それが今、誰にも媚びない独自のクリエイションと情熱的なホスピタリティで業界をリードし、フォロワーを増やし続けるショップ、レストラン、カフェそしてヘアサロンといった濃密なカルチャー漂う空間に、最高の音楽を届けている。東京の個性的な6スポットを巡るMONTEREYの旅をお届けしよう。


2nd STAGE: waltz

Tokyo Hot Spots Surrounded by FENDER

中目黒の住宅地の一角に居を構える「waltz(ワルツ)」は、世界でも類を見ない“カセットテープ専門店”だ。一糸乱れぬ様子で中央の棚にズラリと並んでいるのは驚くなかれ、すべてが“新作”。カセットは今、デジタル配信やCD、レコードの先にある“未来型メディア”として、常に新しい表現方法を模索するアーティストたち、とくにカセット時代をリアルタイムで体験していないミレニアル世代以降のクリエイターたちの目に、きわめて魅力的なソフトとして輝かしく映っているのだ。エアチェック(=TVやラジオのリアルタイム録音)時代を懐かしむノスタルジーとも、味気ないデジタルサウンドへの反動ともいえない、でもなんだか温かくてハッピーなムード漂うこの不思議なムーヴメントを牽引する存在が、今回ご紹介する「waltz」である。

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「waltz」に足を運ぶゲストたちが口にするカセットテープの魅力は十人十色で実に面白い。「ザラついたような音の質感が生っぽくて艶がある」とポエティックに表現する音楽ファンもいれば、「繰り返し聴き込むうちにテープが伸びてくるから、まるでメロディーが成長しているようだ」と新解釈を示す人もいる。また「プラスチックの質感や、手のひらに収まるコンパクトなサイズ感、二つの穴を持つシンメトリーな形が可愛い!」という女子もいる(いわゆる“インスタ映え”というやつだ)。何はともあれ、カセットが音楽メディアとして隆盛を極めた1990年代半ば以降は、CDやMDにメジャーの座を取って替わられ、カセット(=ソフト)も、それを再生するデッキ(=ハード)もめっきり見かけなくなってしまい、平成も25年を超えてくるとすっかり“過去のカルチャー”に衰退してしまった…ように見えたが「カセットテープの時代はまだ始まったばかり」と断言するのが、この「waltz」のオーナー、角田太郎さんだ。

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角田さんが「waltz」をオープンしたのは2015年8月。それまでは世界一のEコマースカンパニー「アマゾンジャパン」で14年間にわたり、音楽事業や映像事業を続々と立ち上げ、インターネットビジネスを成功させてきた超一流の敏腕マネージャーだ。その一方で趣味としてカセットテープやレコードを集め続け「この膨大なコレクションを使って、自分にしかできないビジネスをしたい!」と一念発起。事業部長というポジションもハイサラリーも捨てて独立を志したとき、周囲は驚き呆れたという。しかし、その斬新なコンセプトとラインナップ、そして強い“カセット愛”は、オープンからじきに、カルチャー感度の高い国内外の若者やアーティストの心を捉えて離さなかった。「中目黒にいろんな意味で“ジェニック”な店ができた」という評判はすぐに広まり、音楽業界だけでなく、ファッション業界や家電業界など、実にさまざまな分野のクリエイターがインスピレーションを求めて世界中から押し寄せることになる。

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角田さんの元には、世界中のレーベルや個人から、毎日10件以上の音源がメールで寄せられるという。オープン前に、届いた音源を一旦すべてMONTEREY BLUETOOTH SPEAKERで視聴してみるのが角田さんの日課。「店の雰囲気に合うか合わないかで取り扱いを決めますが、どんなジャンルのアーティストであれ、日々彼らの音楽と接していると、カセットテープはいま“進化中”なんだとひしひし感じるんです。往年のカセット時代を経験していない若者たちも含めて、あえてカセットというフォームを通じて作品をリリースする人が世界的に増えている。過去のものではなく、ポテンシャルを秘めた未来のものなんです。さらに、これだけソフトが充実してきたからには、再生する環境も整わなければ。今、店では、デッキもポータブルも含めてメンテナンスしたヴィンテージのプレーヤーを販売していますが、日本にはデッキ作りの高いスキルを持った技術者が大勢いるので、家電業界とも上手く連携しながら、カセットカルチャーを盛り上げていきたいです」。 「waltz」に並ぶカセットひとつひとつの作品にはそれぞれ、角田さん自ら綴った熱量高めのPOPがついている。「“老眼で解説が読みにくい!“と嘆くお客さまが文字を拡大して読めるよう、Instagramを始めたのですが、メンションやリツイートなどでの情報拡散パワーに目を見張ります。世界がぐっと近づいてきた感じです」と顔をほころばせる角田さんの眼差しは、あくまで冷静に、しかし情熱的に、音楽の明るい未来を模索している。

MONTEREY BLUETOOTH SPEAKER

SHOP INFORMATION


ADRESS : 東京都目黒区中目黒4-15-5
TEL : 03 - 5734 - 1017
OPEN : 13:00 - 21:00
URL : http://waltz-store.co.jp/
Instagram : @waltz_tokyo_japan

(Photo by Mao Nakazawa)