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Tokyo Hot Spots Surrounded by FENDER

最高の音が彩る、東京のクリエイティヴな空間。

ロック、ポップ、ヒップホップ、EDM、ダンス、ジャズ、レゲエetc.、さまざまな音楽のジャンルにおいて欠かせないフェンダーのサウンド。1946年のブランド創設以来72年間もの間、多くのアーティストとともに音楽カルチャーを築き上げてきたフェンダーが、音楽の魅力を余すことなくクリアに、かつ緻密に表現するために満を辞して創り上げたBluetoothスピーカー、それが新作「MONTEREY BLUETOOTH SPEAKER」だ。それが今、誰にも媚びない独自のクリエイションと情熱的なホスピタリティで業界をリードし、フォロワーを増やし続けるショップ、レストラン、カフェそしてヘアサロンといった濃密なカルチャー漂う空間に、最高の音楽を届けている。東京の個性的な6スポットを巡るMONTEREYの旅をお届けしよう。

4th STAGE: kilico.

上質で洗練されたライフスタイルを求めて世界中から多くのファッショニスタが集う街、代官山。駅から徒歩1分という好立地に、今回のステージである「kilico.（キリコ）」は居を構えている。気鋭のヘア＆メイクアップアーティストとして業界をリードする大ベテラン、Jiro for kilico.さんがディレクションするヘアサロンだ。耳に心地よい軽快なネーミングは「実直に“切り子（＝髪を切る人）”であれ」というJiroさんの哲学を体現したもの。彼は、ファッションもビューティもどんなクリエイションの現場においても、老若男女モデルとなる人自身が持つ“素の美しさ”を即座にキャッチし、ごく限られた時間のなかで、目指すべきイメージに近づけ、その魅力を最大限に引き出す天才だ。彼のハイセンスな感性と、無駄のないミニマルで正確なヘアメイク技術は、実に多くのフォトグラファーやスタイリスト、モデル、エディターなどから揺るぎない信頼を得ており、自分自身のヘアまでも、Jiroさんとそのチームのスキルにすべてを委ねに集まってくるのだ。

ファッションに関心の高い人ほど己の髪型にはこだわるし、どうせなら憧れのスタイルを持つヘアスタイリストに任せたいと切に願っている。その点「kilico.」のスタッフは、カットやカラー・パーマといった施術スキルの高さはもちろん、ファッションセンスやルックスのよさも含めた魅力的なキャラクターを擁する好人物が揃う、きわめて希少な少数精鋭チームだ。この日のスタッフは、「kilico.」オープニング当初からJiroさんの片腕として屋台骨を支えるショップマネージャーの井上卓也さん（中）と、新進ヘア＆メイクアップアーティストとしても注目される宇津木明子さん（左）、そしてサロンマネージメント業務全般を担当する松野笑美子さん（右）。彼らは日々のサロンワークのほかに、Instagramやブログを駆使して、自分のクリエイションやライフスタイルを独自に発信するインフルエンサーでもある。トレンドや時代ごとのムードを意識しながら、対峙するひとりひとりの個性やリアルに合わせたヘアデザインを提案してくれる最強チームなのだ。

端正なルックスと気さくなキャラクターで多くの顧客を抱える井上さん。“素敵な男性が可愛いと思う理想のスタイル”にしてほしい! と期待を込めてやってくる女性陣はもちろんだが、実は子どもたちにも大人気。長時間じっとしているのが難しいキッズのカットに長けたスタイリストは業界内でもレアな存在なのだが、彼は巧みなトークと素早い施術であっという間に仕上げてしまう。正確無比で高度なカット技術がなければできないことだ。週末に、夫婦に子どもとファミリー総出で井上さんのカットを順番に待つ姿を見かけると、実に微笑ましい気持ちになる。

サロンワークと並行し、ヘア＆メイクアップアーティストとしても活躍する宇津木さん。美容業界誌、雑誌、カタログ、広告、CMからアーティストの撮影まで、その活動は多岐に渡る。ファッションセンスも抜群の彼女は、ゲストの希望の“ちょっと先”を提案するのが得意。真摯なコミュニケーションと丁寧なカウンセリングを経て、カットやカラー・アレンジなど、さまざまなアプローチを提案することで、その人のちょっと新鮮で新しい魅力を引き出すマエストロだ。「イメチェンしたいが躊躇している」というスタイル迷子こそ、宇津木さんに相談してみてほしい。

そんな「kilico.」のインテリアは、ホワイトを基調とした非常にシンプルな空間。鏡面からチェア、ヘアケア剤からドライフラワーに至るまで、Jiroさんやスタッフの審美眼にかなうハイセンスなモノだけが存在を許される無駄のなさ。それは自分に本当に似合うスタイルを、全幅の信頼を置くスタイリストとともに模索しながら集中して創り上げるにはぴったりの空間だともいえる。従って、流れるBGMもまるで空気のように当たり前でありながら耳に心地よく、心底くつろげる。選曲は主にJiro.さんが行い、シックなジャズがメイン。しかし、営業終了後の清掃やアシスタント鍛錬タイムになると、スタイリスト修行中の若者たちがモチベーションを上げるべく、MONTEREY BLUETOOTH SPEAKERでお気に入りの音楽を爆音で流すのだそう。最近のブームは「Moroha」というMC＆アコースティックギターの異色ユニット。強烈なメッセージラップを聴きながら黙々とマネキンに向かってハサミを動かしていると、スタイリストデビューの夢にグンとリアルに近づく感じがして高揚するのだそうだ。いい音楽といい音が働き手を常に支える空間からは、絶えず素晴らしいヴィジョンが生まれている。「kilico.」はその好例だ。

MONTEREY BLUETOOTH SPEAKER

（Photo by Mao Nakazawa）