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SCANDAL「SCANDAL TOUR 2017『SCANDALの47都道府県ツアー』」

2017年4月15日(土)、Zepp Tokyoにて行われた全国ツアー「SCANDAL TOUR 2017『SCANDALの47都道府県ツアー』」の模様をレポート。

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バンド結成10周年を記念して、今年2月15日にリリースした2枚組ベスト・アルバム『SCANDAL』をひっさげ、”SCANDAL TOUR 2017「SCANDALの47都道府県ツアー」”を敢行中のSCANDAL。その彼女たちがツアー18公演目となる東京公演を、4月15日(土)、Zepp Tokyoで開催した。

近年、勢いを増すばかりのガールズ・バンドのシーンをリードする人気バンドだけあって、この日ももちろんソールドアウト。スタンディングの1階のみならず、座席がある2階席も立ち見が出るほど。超満員と言える観客が見守る中、ライブは「瞬間センチメンタル」でスタート。2階席はすでに総立ちで、MAMI(G)がギター・ソロをキメるやいなや、客席から「オイ! オイ! オイ!」という野太い歓声が上がる。女の子たちの憧れのバンドと思いきや、改めて客席を眺めてみると、ファン層は思っていた以上に幅広い。30代、いや、40代と思しき男性も含む幅広いファン層からは、彼女たちが単にガールズ・バンドに止まらない、いろいろな魅力を持っていることが窺えた。

「東京!踊れ~!!」HARUNA(Vo, G)が呼びかけ、バンドは1曲目から熱烈な歓迎ぶりを見せた客席に息つくヒマも与えず、2曲目の「テイクミーアウト」につなげる。そこからたっぷり2時間。ステージの4人は熱演を披露。それに応え、観客全員が手を挙げ、手を振り、飛び跳ね、タオルを振り回し、声を上げた。

演奏した曲はアンコールを含め、ベスト・アルバムからの全18曲。毎回、セットリストはちょっとずつ変えているという。しかし、7月17日に東京・豊洲PITで行うツアー・ファイナルまで「47都道府県ツアー」はまだまだ続くので、このレポートでは、どの曲をやったのか詳細は控えさせてもらうが、そのベスト・アルバムの収録曲はファン投票で選ばれたんだからライブが盛り上がらないわけがない。ファンそれぞれに思い出や思い入れがあることは、曲を演奏するたび、大きな歓声が上がったことからも窺えた。もちろん、それはメンバーたちも同じこと。10年の軌跡を改めて辿る今回のツアーはファンのみならず、演奏する4人にとっても特別に感慨深いものになったはずだ。

ところで、この日、HARUNAは“Skullsilver”の愛称でお馴染みの自身のシグネイチャー・モデルであるHARUNA TELECASTER他計3本を使用。キラキラと輝きを放つ銀色のボディにあしらわれたガイコツ柄が存在感を放つ“Skullsilver”だが、新たに導入したAmerican Professional Telecaster Deluxeも要注目。ソニックグレイの爽やかなルックスもさることながら、「Stamp!」他の楽曲で、鳴らしたコードがぱきっとした音像を作り上げる活躍を見せていた。

一方、スポーティなファッションでステージに立ったMAMIは愛器であるFender American Standard Stratocaster他計2本を使用。そのストラトは黒いボディに自らペイントしたという鮮やかなサークル柄に自分が持つ楽器に対するこだわりや愛着が窺えた。そして、TOMOMI(B)は黒いボディにゴールドのストライプが映えるDeluxe Active P Bass Specialに加え、黒いボディにラメを散りばめたFender Precision Bassもプレイ。歌に寄り添う一方で、「スイッチ」では演奏の推進力になったり、「HARUKAZE」では厚みも担ったRINA(Dr)のドラムとともに演奏を支えながら、スラップをはじめ、指弾きで印象的なフレーズを織り込んでいった。

そんな彼女たちの演奏を見ながら、ガールズ・バンドという一言では語りきれないユニークなアンサンブルを持ったバンドだということを改めて実感させられた。何がユニークって、メロディを奏でるいわゆるリード・ギター的なフレーズも交えるものの、2本のリズム・ギターを軸にアンサンブルを作っている曲が多いことだ。そんな魅力はリズムがダンサブルな「Flashback No.5」「EVERYBODY SAY YEAH!」やHARUNAとMAMIがかき鳴らすファンキーなカッティングが絡み合う「少女S」に顕著に表れていた。軽やかにコードをかき鳴らしながらメロディを浮かび上がらせるMAMIのしなやかな手首の動きにも感心させられた。

あっと驚かせる超絶プレイだけに頼らず、手堅いプレイに熱を込めるアンサンブルは、華やかさも魅力の一つとして持つ彼女たちにこの言葉を使うのもどうかと思うが、まさに質実剛健。SCANDALの楽曲の大きな魅力は、あらゆる音楽ファンにもアピールできるポップさには違いないが、歌をじっくりと聴かせる「HARUKAZE」のような曲も、実はそのアンサブルは立体的に考えられたものだった。

バンドはやはりライブを見なければわからないし、ライブを見れば、音源を聴いているだけではわからない、いろいろなことが見えてくる。そんな意味でも見応えあるライヴだった。そして、「47都道府県ツアー」が終わったとき、SCANDALはバンドとして、また新たな魅力が増えているにちがいない。

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