#FenderNews / SCANDAL「SCANDAL TOUR 2017『SCANDALの47都道府県ツアー』」

SCANDAL「SCANDALの47都道府県ツアー」レポート

7月17日(月)、東京・豊洲PITで開催された”SCANDAL TOUR 2017「SCANDALの47都道府県ツアー」”ファイナル公演の模様をレポート。

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全53公演が見事すべてソールドアウトとなり、改めてバンドの大人気を印象づけた約5カ月にわたる長い長い「SCANDALの47都道府県ツアー」が7月17日の豊洲PITにて、ついにファイナルを迎えた。ライヴはMAMI(G, Vo)が奏でるリフが印象的な「SCANDAL BABY」でスタート。“歌える!?”というHARUNA(Vo, G)の呼びかけに、いきなりシンガロングが起こって、HARUNAが“サイコー!!”と快哉を叫ぶと、バンドは今年2月、バンド結成10周年を記念してリリースした2枚組ベストアルバム『SCANDAL』の収録曲を次々と披露していった。

毎回、セットリストを変え、行く先々でさまざまなベスト選曲を楽しませた今回のツアー。前回、見た時は16分でカッティングを刻む2本のギターのアンサンブルにSCANDALというバンドのユニークさを感じたが、この日はMAMIがシングル・コイル・サイズのハムバッカーを載せたサークル柄が鮮やかな愛器、Fender StratocasterとLes Paul Standardを使い分け、歪みをきかせながらダイナミックに鳴らしたハード・ロッキンなリフにロックバンドとしての魅力が前回見た時以上に感じられた。

そんなギター・プレイは、「SCANDAL BABY」をはじめ、序盤からたっぷりと味わえたが、圧巻はアンコールの「Image」と「LOVE SURVIVE」の2曲。MAMIがこの日、演奏したどの曲よりもきつい歪みを加え、リフを奏でた疾走ロック・ナンバーがイメージさせたのは、ここからまた走りだすバンドの姿だった。

一方、歌うだけに止まらず、センターに立つフロント(ウー)マンとして、“暴れたい奴は手を挙げろ! 騒ぎたい奴はジャンプしろ!”“そんな声じゃファイナル迎えられないでしょ!”と客席を煽りながらリズム・ギターも担ったHARUNAはこの日、“Skullsilver”の愛称でお馴染みの自身のシグネイチャー・モデル、HARUNA TELECASTER、セミ・ホロウ・ボディーのTelecaser Thinline、そして今回のツアーから導入したAmerican Professional Telecaster Deluxeの3本を使用。MAMIのプレイとは対照的に、それほど歪ませないカッティングは、「夜明けの流星群」「HELLO」をはじめ、MAMIのリード・ギターと見事なアンサンブルを奏でていた。ハムバッカーを載せたTelecasterは、力強い音色と音の抜けを求めてのことだと思うが、そんなところにも自分が奏でる音色に対するこだわりがうかがえた。

そして、忘れちゃいけないのがFender Precision Bassを迫力のある低音で鳴らしたTOMOMI(B)のベース・プレイだ。耳に残るフレーズを作るセンスももちろんだが、「瞬間センチメンタル」でHARUNAとMAMIが奏でる2本のリズム・ギターの間を縫うように差し込んだスラップをはじめ、随所で閃かせた、ある意味キャッチーとも言えるプレイは、ライヴにおけるけれんみという意味で、大きな役割を担っていた。中でも自由度の高いフレーズを奏でながらRINA(Dr)のドラムと絶妙のコンビネーションで演奏のノリを作っていた「HELLO」のベース・プレイは、この日の大きな見どころの一つだった。

アンコールを含め全17曲を演奏した2時間の熱演から、楽曲のポップな魅力とともに改めて立体的なアンサンブルの妙を実感した。

 


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