名プレイヤーたちによって魔法をかけられた’74 JAZZ BASS®とは?

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1960年、フェンダーは話題になっていたJAZZ BASS®をリリースしました。このデラックスな楽器には、兄弟分のPRECISION BASS®の1ピックアップとは異なり、8ポールピースのスリムなピックアップ2組が採用されました。

ジャコ・パストリアス、フリー、ゲディ・リーらが長年に渡って愛用し、人気の高まったベースで、音楽の歴史における最も重要な楽器の中で一定の地位を獲得ました。中でも1970年代中頃は、その伝説の中でも特別な時期でした。

Parliament Funkadelicのブーツィー・コリンズや、Earth, Wind & Fireのヴァーダイン・ホワイト、そしてもちろんジャコが、ベース・プレイを別のレベルへと進化させたのです。

1974年、JAZZ BASS®の最も賞賛された革新が起きました。ネックにメイプルのフィンガーボードを採用し、白色のバインディングにブロック・インレイが施されました。さらにピックアップも、当時のマーケットの主流モデルとはやや異なり、エナメル線をシェラックで固めています。

「JAZZ BASS®の70年代中期モデルは、特に人気があります」とフェンダー・カスタム・ショップを率いるマイク・ルイスは言います。「ブロック・インレイはとても魅力的で、ピックアップのエナメル線はワックスでなくシェラックで固めています。オリジナルのワイヤはフォルムバール皮膜で、より明るいサウンドを実現しました。エナメル線は高音をややロールオフし、ミッドレンジがより強調された枯れたトーンになります」

‘74 JAZZ BASS®は、ピックアップがユニークなトーンを作り出します。

「シェラックは、マイクロフォニックの除去に大きな効果がありますが、サウンドがやや変わってきます」とLewisは言います。「オープンかつクリアで、高音はややロールオフされ、大きく迫力のあるサウンドを実現します」

ネックは厚みのあるUシェイプで、バウンド・フィンガーボードに採用されたメイプル素材が弾きやすさを実現しています。そして言うまでもなく、ブロック・インレイが美しく配置されています。

全体的にJAZZ BASS®はPRECISION BASS®の進化版ということができ、アーティストからのフィードバックを受けながらモダンミュージックの流れを作ってきました。

「フェンダーがエレクトリック・ベースを作った当時、親指で弾くのか、その他の指か、またはピックを使うのかなど、プレイヤーたちがどのように使うのかわかりませんでした。我々は、スタンドアップ・ベースのサウンドを目指しました」とマイクは言います。「最初期のエレクトリック・ベース・プレイヤーたちは、元はギターか、スタンドアップ・ベースのプレイヤーでした。オリジナルのPRECISION BASS®は、角張って大きなものでした。ゴージャスなデザインでしたが、8〜9年経過すると、人々はよりよいトーンや機能を求めるようになりました」

「そこでオフセット・ボディを開発し、ピックアップを2つにし、ネックも細くしました。JAZZ BASS®はやや流線型です。私は、JAZZ BASS®がプレイヤーたちからのインプットを受けて生まれたものだ、ということを常に忘れずにいます」