HOLIDAY STORIES =The BASICS & FENDER=

一年のうちで、人々の心がもっとも躍り、街がきらめきに包まれる季節がやってきた。大切な人へ贈るなら、フェンダーが提案する音楽のパワーがぎゅっと詰まった個性的なギフトはいかがだろう? 世界中で永く愛され続けるスタンダード名品とともに、ちょっとユニークな4つのストーリーお届けしよう。

3rd Story: POWER of BOOKSHELF(旅人を魅了する本棚)

HOLIDAY STORIES =The BASICS & FENDER=

Photos: Tomoka Tanaka   Cooperation: AWABEES

ちょっと悪趣味かもしれないのだが、ホームパーティなどで他人の家におよばれしたとき、その家の“本棚”をつい見てしまうという人は、決して少なくないはずだ。家主や家族の趣味・嗜好はもちろん、生い立ちや理想、目標とする姿までが、カンのよい人ならなんとなく把握できてしまうからだ。

たとえば、おしゃれなビジュアルの写真集が集まっていればクリエイションの元ネタがわかるし、ファンタジー小説が多ければちょっと空想家っぽいところがあるのかもしれないし、ビジネス系の啓蒙書ばかりなら「仕事で悩んでいるのかな!?」と心配になるし、子どもに読ませている絵本の傾向まで、実に興味深い観察の対象となる。いわば「頭のなかをのぞいた気分になる」から、ちょっぴり悪甘い楽しみだったりする。

編集者はその生業から、骨太なセンスがあふれる本棚を持つ人に惹かれる。ヨシコさんもそのひとりだ。デイタイムはグラフィックデザイナー、夜はDJとダブルワークに励みながら、両親から受け継いだアパートの1Fを広めの1LDKに改装し、Airbnbとして、主に海外からの旅行客に貸し出している。

この家の本棚がものすごく充実していて超圧巻なのだ!

8畳ほどのリビングの壁いちめんに本、レコードそしてCDがぎゅうぎゅうに、しかしほどよく空白スペースを保ちながらリズミカルに並んでいるそしてそれがもれなく玄関まであふれ出ており、シューズシェルフには靴ではなく本が納まっている。しかしおしゃれな家とは不思議なもので、重量オーバーで一部たわんだ棚も、乱雑に積み重ねてある様子すら、いずれもサマになっていて、なんだか悔しい気分になる。

毎年12月の第2日曜日は、そのAirbnbのリビングに集まり、クリスマスパーティを催すのが仲間内での恒例行事になっている。この期間はたいていAirbnbをお休みするのだが、滞在期間がたまたまこの日に重なった場合はゲストにももれなく参加してもらう。たいていが外国人だが、今年はオランダ人のカップル。この家にはクリスマス直前まで滞在し、一旦アジア一周の旅に出て(=寒い地方は避けて、あったかい南のほうへエスケイプするらしい)、また桜の咲くころ、東京に戻ってくるという。何その優雅な生活!余暇はできるだけ世界中を旅して回っているという彼らは、ヨシコさん宅がことのほかお気に入りのようで「せっかく日本にいるんだから、もっといろんなタイプのAirbnbに泊まってみればいいのに!」と、パーティでふるまう餃子を包みながら勧めてみたのだが、彼氏のほうが優しく微笑みながらこう答えた。

「この家は本棚が抜群に面白いんだ! 当分リピーターになるからよろしく、ヨシコ」。

いわく「日本語は読めないけれど、日本のリアルなカルチャーがよくわかるし、そのうえ古いのも新しいのも紙の香りがたまらない」らしく、天気の悪い日などは観光には出かけず、ヨシコさんセレクトの推薦盤を聴きながら(最近はYMO)、2人してコーヒー片手に片っ端からめくってみるのだそうだ。“最高のカウチコーヒー”らしい。

とくにお気に入りは漫画(MANGA)だそうで、なかでも芦沢ムネト氏のコミック『毎日フテネコ』にはまってしまったそうだ。実家にネコがいて、独特のタッチで描かれたモノクロームなネコたちのツンデレな感じがたまらなく似ているらしい。「ニャー」というカタカナのセリフが日本でいうネコの鳴き声であることをこの本で学んだ、とうれしそうに頬を赤らめる(可愛い)。また、バンド活動やギター、ベース、ドラム、ヴォーカル、ライヴハウスといった、音楽にまつわるエピソードが多く登場するのも親近感が沸くのだとか。
アウトプットされる言葉は違っても、"本"そのものが持つ魅力や面白さは確実に伝わるのだ。そう、まるで"音楽"のように。


Futeneko(フテネコ)
お笑いユニット「パップコーン」に所属する芦沢ムネト氏が、自身のTwitterで発信し人気を博するネコキャラクター。美大出身で『SCHOOL OF ROCK!』教頭をつとめるなど、音楽好きな彼が描くロックでシュール、ちょっとふてぶてしいユニークなネコたちが繰り広げるエピソードにはファンならずとも癒される。書籍、雑誌、LINEスタンプ、Instagramなどさまざまなメディアに登場している。週刊ザ・テレビジョンで「ニャ・テレビジョン」連載中。

Fender™ Tele Body Bookends
フェンダーを代表するアイコニックなギター『テレキャスター』のボディシェイプをモチーフとし、大胆にもセパレートカットしたユニークなデザインが目を引くブックエンド再生アルダー材を使用し、カリフォルニアのコロナ工場で製作された本格派。日常のインテリアにパンチを効かせる、垂涎のコレクターズアイテム。
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