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Bass VI: バリトンギター?あるいはベース?

物議を醸し出しそうなこの楽器を見ていきましょう。

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これはベースなのです。

近年Squierのコレクションとして復活をしたBass VIは、6弦のベースです。1961年から75年までの間に特別なベースとして設計され、販売されました。現在も同じコンセプトで設計販売されています。

バリトンギターではありません。

では、Bass VIとバリトンギターの違いとは?同じものを2つの呼び方で読んでいる訳では無いので、違いが存在するはずです。

バリトンギターはその名の通りギターです。通常のギター(25インチスケール)とベース(約34インチスケール、ショートスケールの場合は約30インチスケール)の間の約27インチスケールですが、ギター用の弦が張られています。また、バリトンギターは、通常のギターと同じチューニング(E-A-D-G-B-E)をすることはありません。ほとんどのバリトンギターは、通常のギターよりも低いチューニング(B-E-A-D-F-#B)を使用しており、5弦のE音がギターの6弦のE音と一致します。("A-D-G-C-E-A"や"C-F-Bb-Eb-G-C"など、もっと低い音にチューニングされる場合もあります。)

現在Squierブランドで販売されているBass VIは、専用の弦を使用していますが、ベース弦が張られています。また、ほとんどのショートスケールベースと同じ約30インチスケールで、通常のギターより1オクターブ低くチューニング(E-A-D-G-B-E)されています。

もちろん必要に応じて、Bass VIのチューニングを変更することはできますが、それはバリトンギターではなく、"変則チューニングを使用したBass VI"なのです。27インチスケールの楽器にベース弦を張ると少しテンションが低くなり過ぎて、うまくいかないでしょう。また、チューニングキーもギター用ではうまく弦を巻くことができないでしょう。

やはり、2つの呼び方がある訳ではなく、バリトンギターとBass VIは別の楽器なのです。

以前、フェンダーはBass VIではなく、バリトンギターも販売していました。2000年のSub-Sonic Baritone Stratocasterや、2005年のJaguar Baritone Special HHなどがそれにあたります。これらの楽器は全て27インチスケールです。

しつこい様ですが、Bass VIはベースの一種でバリトンギターではありません。

ちなみに、現在販売されているBass VIは、ヘッドストックに"Bass VI"とは記載されておらず、"Squier VI(またはFender VI)"と記載されています。これは1961年のオリジナルモデルの記載に基づきます。(1960年代後半から、70年代に生産されたものは、"Bass VI"の記載になります。)