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Fender American Series Vol.2 | American Professional【後編】

 American Series

それぞれ特徴のあるシリーズ分けにより、幅広いラインナップとなったフェンダーのAmerican Series。現在は3つのシリーズがラインナップされているが、先週に引き続き、東京スカパラダイスオーケストラの加藤隆志、そして日野"JINO"賢二という、楽器パートを超えたトッププレイヤーによる対談から、American Professionalの魅力を伝えたい。

最新モデルに持ち替えたときにも違和感がなかったことに驚きました。ー 加藤隆志(東京スカパラダイスオーケストラ)
 

加藤隆志(以下:加藤) 初めてこのAmerican Professionalを持つ前は、正直、ヴィンテージから持ち替えたときの違和感がもっとあると思っていたんですよね。どちらかと言うと、ギターといえばヴィンテージでしょ!っていう考えでここまで来たので。実際、90年代に当時の現行モデルを試したこともあったんですけど、ここ最近の新モデルは、ヴィンテージ楽器の分析から新しいものを生み出している印象がするんですよ。分析力が上がっているうえに、ヴィンテージブームを経てからの今のフェンダーの取り組みを感じて。だから、このAmerican Professionalなど、最新モデルに持ち替えたときにも違和感がなかったことに驚きました

日野"JINO"賢二(以下日野) 初心者にとっても、最初に良い楽器に出会うことが大事ですね。それによって、どんどんうまくなっていくからね。あとは、ヘッドのスパゲティロゴもカッコいいじゃないですか! 僕らはスパゲティじゃなくて、パスタロゴって呼んでいるんです(笑)。

加藤 パスタロゴって言い方に変えたのはJINOさんですから(笑)。

日野 すいませんでした(笑)。でも最近出ているフェンダーのシリーズは、当たりハズレがなくて、すべてが良いんですよね。何よりも弾きやすくて軽い。

加藤 そして製品に安定感がありますよね。だから個体ごとの差がそんなにないんですよ。あと、海外とか長い旅に出たときなど、安定感が一番大事ですもんね。ヴィンテージだったらコンディションに依る部分もあったりするんだけど、このAmerican Professionalは本当に弾き倒せるというか暴れ倒せるというか。

日野 日本は湿度が高いから、アメリカに持って帰ったら、サウンドが変わってしまうベースがいっぱいあるんですよ。

加藤 確かに。あと、このAmerican Professionalは色がシブいところを突いてきますよね。グリーンとグレーが混ざったような……。

日野 Antique Olive やSonic Grayは良いですよね

加藤 僕らの衣装に合う色ですよね。サウンドに関しては、ものすごく素直っていうか、全体のレンジがちゃんと均一でフラットに出てくる感じなので、逆に音作りはラクというか、そういう印象はありますね。フレットの高さは僕の好みですし。

 
 
 

日野 また、Fenderは指板アールがある点がいいんですよね。ネックを握ったときに指板にアールがついていると、すごく弾きやすいんです。

加藤 僕も、指板アールがないと弾くのが難しいって思っていました。

日野 あと、それぞれの特徴は60年代のモデルに近いんだけど、ヴィンテージの音は出るし、シェイプはヴィンテージと同じなんだけど、ブリッジがずっしりしているんですよ。ベースにとっては重要なんです。あと、弦は裏通しにすることができるんですよね。だから、弦のテンションの好みに合わせて、裏通しと表通し、チョイスすることができるんです。

加藤 とにかくオールマイティですよね。オールジャンルで活用できる楽器だと思います。


American Professional Series

ヴィンテージのサウンドとモダンなプレイアビリティを融合させたハイブリッドなモデル。American Professionalシリーズは、クリエイティビティと表現の境界を押し広げ、従来の表現の域を超えようと願うすべてのプレイヤーのために開発されました。新開発のV-Modピックアップは複数種類のアルニコマグネットを独自にミックス配列し、よりヴィンテージなトーンを実現します。ハムバッカーに関しては再デザインされたShawbuckerを搭載。ナロートールフレットを採用、ネックシェイプについてはAmerican Professional StratocasterAmerican Professional Telecasterでは、「モダンC」と「U」の中間ともいえる「Deep C」。また、American Professional Precision Bassは'63プレシジョンベースネック形状を、American Professional Jazz Bassはパフォーマンスを追求したスリムかつモダンな「Slim C」ネック形状がスムーズな演奏をサポートします。

PROFILE

加藤隆志(東京スカパラダイスオーケストラ)
ジャマイカ生まれのスカという音楽を、自ら演奏する楽曲は"トーキョースカ"と称して独自のジャンルを築き上げ、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、南米と世界を股にかけ活躍する大所帯スカバンド。アメリカ最大のフェスティバル、Coachella Music Festivalでは日本人バンド初となるメインステージの出演を果たした。オーセンティックなSKAからジャズ、ロックまでをも提示できるミュージカルパフォーマンスで世界中のSKAバンドの中でも特筆すべき存在であり、海外のアーティスト、音楽関係者も来日の際にはスカパラの音源を手に入れるためレコード店に足を運ぶなど、世界中のSKA愛好家たちにとってその名は憧れの対象であり続けている。89年、インディーズデビュー。幾度となるメンバーチェンジを乗り越え、現在のメンバーは合計9人。今なお常に最前線で走り続けている。
› Website:http://www.tokyoska.net


日野"JINO"賢二
ベーシスト、ソングライター、シンガー、アレンジャー、音楽プロデューサー。東京に生まれ、7歳の時に家族でNYに移り住む。NYの音楽と芸術の専門高校へ入学し、同学校の卒業生にあたるマーカス・ミラーに影響を受ける。またその頃にジャコ・パトリアスに師事。卒業後、アポロシアターでのハウスバンドをはじめ、Joe,ジェシカ・シンプソン,メーシー・グレー,ネーザン・イースト,ブロンディ−のデボラ・ハリー、数多くのアーティストと活動を共にする。 2003年、初のリーダー・アルバム『ワンダーランド』、続いて『JINO』をユニバーサル・ミュージックよりリリースし,グループとしてでは: 『TKY』(Sony),Faz Jaz (Vega),TetsuJino (King),Tri-Horn Buffallo(CJE)これを機に活動拠点を日本に移す。

近年はMISIAツアーメンバーやレコーディングに参加。数々のアーティストの作曲,アレンジャーやプロデューサーとして、Boyz II Men,AI,Def Tech,西野カナ,黒木メイサ,May J.,さかいゆう,Minmiなど数々のライブ/レコーディング・ワークスで活躍している。三枚目のリーダーCD最新アルバムは2014『JINO JAM』,DJ Jeff Millsのバンド「スパイラル・デラックス」三枚目2018年9月15日リリース
› Website:https://www.facebook.com/kenji.hino


› Vol.1 American Professional【前編】
› Vol.2 American Professional【後編】
› Vol.3 American Original【前編】
› Vol.4 American Original【後編】
› Vol.5 American Elite【前編】
› Vol.6 American Elite【後編】(近日公開予定)


 American Series

› フェンダー X デジマートのスペシャル企画。3つのAMERICANシリーズを徹底解剖。詳しくはデジマートの特集ページで。