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Why We Play vol.14:平井 大【前編】

音楽と人、そして楽器。さまざまな表現手段の中から、なぜギターを選んだのか?そんな素朴な疑問にフォーカスを当て、プレイヤーの内面に深く迫る連載企画「Why We Play」。今回は、日本のサーフポップの若きパイオニア、平井 大が登場。前半はギターに対する思いを中心に聞いた。

Why We Play
好きな時に好きなように自分に寄り添ってくれるのが ギターのいいところなんです
 

―  まずは音楽を始めたきっかけから教えてください。

平井 大(以下:平井) “この日がきっかけです”とか “これがきっかけで音楽にのめり込みました”っていうのがないんですよ。生活の中にあった音楽を自然にピックアップしていった感じです。

―  では、ギターとの出会いは?

平井 ギターとの出会いも、物心ついた時には家にギターがあって、気が付いたら手にしていたっていう感じなんですよ。“よし! ギターを始めよう”みたいなきっかけはなくて(笑)。ギターを手にする前、3歳の頃にウクレレを祖母からもらってずっといじっていたので、ギターを初めて手に取った時に違和感というものは全然なかったですね。だけど、“今日からギターを始めます!”みたいなものはなかったんですね。だから僕、こういうインタビュー向かないんです(笑)。

―  (笑)。3歳の時におばあちゃんからウクレレをもらったのは楽器英才教育的な?

平井 完全におもちゃです(笑)。弦をつま弾くという認識は3歳の頃にはなかったので、振り回したり叩いてみたりですよね。でも、面白い音が出るっていうところから自分なりに興味を持っていきました。ちなみに、今でも楽器はおもちゃです(笑)。その感覚はあまり変わっていないです。

―  どうやって演奏できるように?

平井 コード進行を意識し始めたのは小学校に上がってからだと思います。その時期から弾いているものが段々と曲になっていったんです。

―  基本的には独学で?

平井 そうですね! 興味のあるミュージシャンはたくさんいて、例えばエリック・クラプトンは大きな影響を自分に与えているなと思うし、彼のプレイを見て真似もしたけど、基本的には独学です。

―  最初にコピーした曲は覚えていますか?

平井 コピーはあまりしないんですよ(笑)。なので、最初からオリジナルなんです。

―  では、ギターを弾くと同時に歌も始めたんですか?

平井 歌は全然歌わなかったです。最初はインストでした。自分が気持ちいいと思う音を弾いたり、あとは父がギターを弾いていたので、父のギターに合わせてソロパートを自分で考えてみたりとかですね。

―  1日にどれくらいギターを弾いていたんですか?

平井 学校から帰って来たらすぐにギターを手にしてましたね。友達もそんなに多くなかったので(笑)。スケートボードをやるかギターを触るかでした。

―  ギターの何がそんなに平井さんを虜にしたんでしょうね?

平井 物事全般に言えますけど、練習すればするだけ上達していくのが僕は大好きなんです。それが一番顕著に出たのがギターだったんじゃないかなって、今振り返ると思いますね。

―  歌うようになったきっかけは?

平井 ハワイのホノルルフェスティバルっていうイベントがあったんです。環太平洋の文化をハワイに集結させて、フェスティバルをやるっていう内容で。そのテーマソングを作ってくれという依頼が来て。最初は僕、歌うわけではないと思ってたんです(笑)。歌じゃないだろうと思って引き受けたら、歌わなきゃいけないことになって。基本的にはそこからですね。年齢でいうと18歳とかですね。

―  本人としては“ギターボーカル”か、それとも“ギタリストだけど歌も歌ってます”のどちらですか?

平井 どうなんですかね…。今から歌うのを辞めろと言われたら食べていくのが厳しいからなぁ(笑)。ただ、ギターを手放せって言われてもそれは厳しいです。どちらか選べと言われたらギターを選ぶかなとは思いますね。

―  今もギターは毎日弾いています?

平井 まったく弾かない日もありますし、ずっと弾いている日もあります。好きな時に好きなように自分に寄り添ってくれるのがギターのいいところなんです。そもそも僕ってすごくマイペースなので、弾きたくない時はまったく弾きたくないんですけど、弾きたい時はすごく弾きたいんです。そんなマイペースな僕にギターはピッタリなんです。だって、手を伸ばして抱えるだけで弾けるんですから。弾かないなら置けばいい。組み立てたりする必要もないわけで、こんな都合のいいもの世の中にはなかなかないですよ(笑)。あと、いろんなところへ持って行けますしね。旅が好きでよく旅に出るのですが、ギターとウクレレを持っていくこともあります。実は昨日、旅から帰ってきたんですけど、ギターとウクレレも持っていってました。

―  ギターを持っていったのは曲を作る目的?

平井 違いますね。オフの時は僕、仕事したくないんですよ(笑)。でも、まったく弾けない状況になるとちょっと不安になっちゃうので、なるべく近くに置いておいて、弾きたい時に弾けると嬉しいなぁって。だから、ギターってもはや体の一部っていう感覚に近いかもしれないですね。使う時もあれば使わない時もあるっていう(笑)。

―  影響を受けたギタリストとして、エリック・クラプトンの名前が出ていましたが、エレキも弾くんですか?

平井 家ではけっこうエレキを弾いていますね。エレキは2本持っているのですが、そのうちの1本はフェンダーのStevie Ray Vaughan Stratocasterです。

―  Stevie Ray Vaughan Stratocasterを選んだ理由は?

平井 やっぱり音がすごくいいからです。伸びもいいですし。あとはライヴで弾きやすいです。音の表情がたくさんあるので、繊細に表現できるんです。表現しやすいっていう部分が一番強いかもしれないですね。だから、フェンダーには感謝をしています。いいギターを作ってくれて本当にありがたいなって。それがないと僕も職業にならないですもん(笑)。だから作ってくれている方々に対しては、感謝の気持ちをいつも持ってフェンダーのギターを弾いています。

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Newporter Classic

Why We Play

音量を抑えながら素晴らしいレゾナンスを実現するブレイシング、素晴らしいサスティーンのためにアップグレードされたボーンナットとサドルを搭載。Newporterのボディ シェイプに合わせて特別にフェンダーとFishman®がデザインしたプリアンプシステムにより、アンプを通してもギターのナチュラルサウンドを損なうことなく聴かせる。
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PROFILE


平井 大
91年5月3日、東京都出身。ギターとサーフィンが趣味の父の影響で幼少の頃より海に親しみ、3歳の時に祖母からもらったウクレレがきっかけで音楽に興味を持つ。印象的な耳に残る優しい歌声と歌詞、キャッチーなメロディーラインは聴く人の気持ちを癒し、穏やかにしてくれる。2013年7月、ミニアルバム「Dream」でメジャーデビュー。2017年11月、ディズニーのカバーアルバムとしては2枚目となる「HIRAIDAI plays DISNEY」をリリース。
› Website:http://hiraidai.com