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Why We Play vol.16:Nobuo Oki【ACIDMAN 大木伸夫】

音楽と人、そして楽器。さまざまな表現手段の中から、なぜギターを選んだのか? そんな素朴な疑問にフォーカスを当て、プレイヤーの内面に深く迫る連載企画「Why We Play」。宇宙や生命の神秘ついて歌う大木伸夫は、その独特な歌の世界観が注目されることが多いが、3ピースバンドACIDMANを支えるギタリストでもある。後編では、愛用しているフェンダーのTelecasterについてを中心に聞いた。

Why We Play
世界のまだわからないところを知りたくて、 ギターをそのツールにしているんです
 

―  ライヴでもフェンダーのTelecasterを使っていただいていますが、フェンダーのギターは何本持っていますか?

大木伸夫(以下:大木) フェンダーのギターは2本ですね。今日持ってきたTelecasterと、もう1本Jazzmasterを持っています。僕はずっと他のメーカーのギターを弾いてきて、それで満足していたんですけど、ある時に乾いた音でカッティングを弾きたいなと思った時に、うちのローディーさんがフェンダーのカスタムショップ製のTelecasterを持っていて、貸してもらって弾いたらすごくいい音だったんです。ザラッとしているけど乾いていて、とにかくその時の気持ちにピタッとくるような音が出せて、それでフェンダーのTelecasterを借りるようになったんです。でも、僕の気持ちの中で表現したい欲望は3割ぐらいだったんですね。だからずっと探し続けていたものの、借りればいいやと思っていたんです。それから段々とそういう曲を作りたくなっていき、やっとこのTelecasterと出会えた感じです。

―  このTelecasterを購入したのはいつですか?

大木 正確には覚えていないけど、10年くらい前だと思います。

―  借りるのではなく自分のものとしてTelecasterを使い込んで、改めてテレキャスというギターの魅力を言葉にすると?

大木 僕の中で音の幅がとても広がりました。今はこのTelecasterと他社のギターの2つがメインなのですが、ジャギジャギした音やパンクっぽい音の時はこのTelecasterが威力を発揮してくれます。

―  Jazzmasterはどういう時に使うのですか?

大木 Jazzmasterはデビュー当時に、見た目がとにかくカッコいいから買ったんです。でもあまり調整していなくて、しばらく使っていなかったんですよ。でもこの間、やっとフェンダーさんに調整してもらって、生まれ変わってすごく良くなりました。なので、Jazzmasterを使ってザクザクした音の曲がまた作れるかもしれないですね。

―  プレイヤーとして、こだわっていることは何ですか?

大木 僕はギタリストという感覚はまったくなくて。そんなに上手くないので(笑)。僕の場合、ギターを聴かせるといういわゆる普通のギタリストの方とは違うプレイなので、あまりギタリストのこだわりに関しては意識していないです。あえて言うなら、自分が言葉にできない感情、感覚に近い音を探すことは絶対に諦めないということです。そこは譲歩しないようにしています。“こういう響きだな”ってイメージができたら、その音を徹底的に探すようにしています。

―  “響き”という言葉がありましたけど、大木さんの場合は、ギターを弾いてるというより響かせているイメージが強いですよね。ACIDMANの歌の世界と大木さんの鳴らすギターの響きが、いかに調和するかをすごく気を遣われている感じがします。

大木 ありがとうございます。おっしゃる通りで、そこは大事にしています。

―  3ピースバンドなので、ライヴでは同期はゼロではないと思うのですが、生の演奏で鳴らそうとしていますよね。3ピースでもなるべくフィジカルに演奏する。それもまたすごく意味があることなのかなと感じます。

大木 ありがとうございます。ただ僕らは同期が嫌なわけじゃなく、同期を使う時もあり、絶対的に生にこだわっているわけでもないんです。ただ、目に見えない世界もあると思っていて、音に何かが宿るには、その人の想いとか念があるほうが人間にとってはいいんだろうなとは思いますね。

―  さて、“Why We Play”というテーマのインタビューなのですが、大木さんはなぜギターを弾き続けているのですか?

大木 僕の場合、他のミュージシャンと少し違っていて、自己の探求というか、この世界の仕組みを知りたいという欲求にずっと突き動かされているんです。ロックは楽しいぜ!音楽は楽しいぜ!という感情だけでギターや歌をやっているわけじゃなくて、この世界のまだわからないところを何とか知りたくて、その中でたまたまギターを手にしたので、ギターをそのツールにしているんです。だから、間違っているんだと思います(笑)。でも楽しいですよ、ギターという楽器は。シンプルに楽しい。ちょっと頑張れば誰にでも弾けるようになるし。しかもルールがないので、上手く弾ければいいわけではまったくなくて、下手だったら下手なりにカッコいい。そう、カッコ良ければ何でもいいんですよ。そういうルールを全部壊してくれるところが面白いなと思いますね。

―  こういうギタリストになりたい、ギターヴォーカルになりたいという夢はありますか?

大木 上手くはなりたいですね(笑)。コードをあまり知らないんですよ。自分で音を探してコードを作るタイプなので。基本的なことは知っているんだけど、もっといろんなコードを知って、自分でパッと弾けるようになれたらもっといいのになって思います。

―  では、大木さんにとってギターとは?

大木 大人のオモチャじゃないですかね(笑)。でも、もはやオモチャじゃないな。月並みですけど、僕の心や想いを表現するために欠かせない存在だと思いますね。目に見えないものを、ちょっとだけ形にしてくれる存在だと思います。

―  さて、今秋にはメジャー1stアルバム「創」(2002年)の再現ツアーをやる予定ですね。

大木 最初はちょっと不純な動機で企画したツアーなんです。実は、最近レコードで音楽を聴くようになってきて。もともと僕は家ではまったく音楽を聴かなかったのですが、ある時にシガー・ロスのレコ―ドが出るということで聴いたら、ずっと聴いていたシガー・ロスの音とレコードで聴く音があまりにも違って。“良い”の基準は人それぞれかもしれないですけど、僕にとってはレコードの音がすごく沁みたんです。耳で聴いている感覚じゃなく、身体で聴いている感覚になったんです。レコードで音を鳴らすのは、こんなにもすごいことなんだと。で、自分の曲もレコードで聴いてみたくなり、「創」のレコードを作りたいと思ったのが最初です。それをきっかけに、もう一度ツアーをやろうと。どういう形にするか具体的にはまだ決まってはいないですが、長くやれたからこそできる贅沢な試みだと思うので、お願いしてやらしてもらうことになりました。

―  当時から比べて、メンバー全員がプレイヤーとしてのスキルも当然上がっていると思うのですが、ご自身はギターヴォーカルとしてどう変化したと思いますか?

大木 ギタープレイに関してはわかりません。でも、歌の世界観に関しては、斜めから見ることをやめましたね。当時は、ずっと斜めから見ている視点のアルバムなんですよ。“人間なんて”という目線だったり、“この世界は悪いほうに進んでいる”と思っている時代の歌なので、やさぐれている言葉使いが多かったりするんだけど今は逆です。人間はどんどん良くなっているし、世界はどんどん良くなっている。だから、もっともっとこの一瞬を全うしようぜっていうメンタルなんです。そういう想いで、過去の自分の、若かりし頃の想いを歌うのは楽しみではありますね。

―  そのツアーが終わると、来年はまた新しい音源のリリースですかね。

大木 そうですね。来年に向けていい曲が作れたら、録ってどんどん出していきたいなと思います。フェンダーのTelecasterを相方に。

› 前編はこちら

 
 

CUSTOM DELUXE TELECASTER

Why We Play

10年以上前から使用している愛機。3プライのミントグリーンピックガード、ネック形状は52年製Telecasterと同様のUシェイプを採用。ピックアップは、フロントがTwisted Tele、リアがHot Nocaster。塗装はボディ、ネック共にニトロセルロース・ラッカーとなっている。

 

PROFILE


ACIDMAN
大木伸夫 (Vo&G)、 佐藤雅俊 (b)、 浦山一悟 (dr)からなる“生命”、“宇宙”をテーマにした壮大な詩世界、様々なジャンルの音楽を取り込み、“静”と”動”を行き来する幅広いサウンドで3ピースの可能性を広げ続けるロックバンド。埼玉県私立西武文理高校時代に出会い、当時四人組で結成。受験休業を経て、大学進学後、下北沢を中心に1997年ライブ活動開始。1999年、ボーカルが脱退。以降、現在のスリーピースで活動。下北沢、渋谷を中心にライブ活動、2枚のインディーズ盤シングル(『赤橙』、『酸化空』)のリリースを経て、2002年、1stアルバム『創』でメジャーデビューを果たす。第17回日本ゴールドディスク大賞「ニュー・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」を獲得。その後、2ndアルバム『Loop』、3rdアルバム『equal』、4thアルバム『and world』をリリース、映像と音楽のコラボレートイベント「Cinema」を主催、ROCK IN JAPAN、FUJI ROCK、SUMMER SONIC等各地フェスに多数出演。MUSIC VIDEO「彩~廻る、巡る、その核へ」は2004年 文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞、 2004年オーディエンス・チョイス・アワード受賞、SPACE SHOWER Music Video Awards 05 BEST ROCK VIDEO受賞、Vila Do Condo(ポルトガル映画祭)コンペ部門ノミネート、クレモンフェラン映画祭 招待作品、SICAF Animation Film Festival 優秀賞受賞獲得。2007年には5thアルバム『green chord』ツアーにて、初の日本武道館LIVEを大盛況に収める。2008年には6thアルバム『LIFE』ツアー幕張メッセにて日本最大級の映像を 演出で多くのオーディエンスを魅了した。2009年7thアルバム『A beautiful greed』、2010年8thアルバム『ALMA』を発表。過去3回の日本武道館や台湾、韓国での海外公演を大盛況に収めた。2012年バンド結成から15年目、メジャーデビュー10年目を迎える。2013年、坂本龍一氏をゲストに迎えた楽曲「風追い人」を含む9thアルバム『新世界』を発表し、 同年6月に自身による事務所「FREESTAR」を立ち上げ、新たな一歩を踏み出す。
› Website:http://acidman.jp/