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60年を迎えたスタイル

オフセットボディ、スリムなネック、2基のシングルコイルピックアップを特徴とする60th Anniversary Jazz Bassは、オリジナルの"デラックス"なベースサウンドとスタイルを再現しています。

60th Anniversary Jazz Bass

1960年に登場したJazz Bassは、紛れもなく"クラシック"な楽器と言えるでしょう。でも"クラシック"という言葉を鵜呑みにしてはいけません。ジャコ・パストリアスやラリー・グラハムのようなフュージョン&ファンクのパイオニアから、ノエル・レディングのようなクラシックロックのアイコン、ゲディ・リー、スティング、アダム・クレイトン、フリーのようなプログレ、パンク、オルタナティブロックのスターと共に、Jazz Bassは音楽シーンの中で確固たる地位を築いてきました。

なぜこれほど多彩なジャンルのプレイヤーたちに愛されている楽器が"Jazz Bass"という名前になったのでしょうか。なぜなら発売当初はJazzのプレイヤーに向けて販売されていたモデルで、アップライトベースに取って代わるとても演奏し易く、大きな音が出る(そして容易に持ち出せる!)モデルとして広まっていきましたが、実際すぐにはヒットしませんでした。

フェンダーベースの"デラックス"バージョンとして生まれたJazz Bassは、フェンダーが初めて発売したPrecision Bassの9年後にデビューを飾りました。もっとも象徴的だったのはそのボディの形状で、Precision BassのTelecaster (のちにStratocasterに変更)のようなボディから、当時の新製品であったJazzmasterを彷彿させる曲線的なオフセットボディに変更されました。加えてPresision Bassの太くてがっしりとしたネックをスリムな形状に変更し、より複雑な演奏を求めるプレイヤーにとって理想的なものとなりました。

Jazz Bassの"デラックス"という表現に疑問を感じる人がいたら、Jazz Bassのピックアップ構成を見てみてください。当時のPrecision Bassは低音と音量にフォーカスした1基のシングルコイルピックアップのみだったのに対し、Jazz Bassは2基のシングルコイルピックアップを搭載することでより深みのあるトーンを生み出し、新たに追加されたリアピックアップによって、中高域もカバーしたこれまでに無いクリアなサウンドを提供したのです。

 
 

その洗練されたルックスと、高いプレイアビリティ、幅広いトーンを考えれば、Jazz Bassが60年もの間、最前線に居続けるのも不思議では無いでしょう。その60周年という記念すべき節目に、60th Anniversary Jazz Bassがリリースされたのです。

美しいオフセットシェイプのボディにはアルダー材が使用され、60年代当時のUシェイプメイプルネックに、ホワイトパーロイドのドットポジションマーク、そして20本のヴィンテージトールフレットが打ち込まれたローズウッド指板を採用しています。

コントロールもオリジナルモデルと同様に、スタックされたボリュームとトーンノブを装備しています。その他にも、ねじ式のスチールサドルを備えたブリッジや、当時を彷彿させるピックアップカバー、リバースオープンギアチューナーなどヴィンテージスタイルを継承しています。美しいアークティックパールカラーのボディには、べっ甲柄のピックガードが装着され、マッチングヘッドとネックのバインディングも特徴的です。

この60th Anniversary Jazz Bassは、時代を超えた"クラシック"であり、その偉大な歴史を引き継いでいるのです。