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雨のパレード：ame_no_parade Oneman Tour 2018 “COLORS” レポート

2018年4月21日（土）日比谷野外大音楽堂にて行われた「ame_no_parade Oneman Tour 2018 “COLORS”」の模様をレポート。

amenoparade

（Photo by 田中聖太郎）

「（晴れと雨）どっちを期待してた？　選べたんだけどさ、今日、晴れにしました（笑）」と中盤、福永浩平（Vo）が冗談を言ったようにバンド名とは裏腹に雨のパレードが初めてロックの聖地、日比谷野外大音楽堂で開催したワンマン公演は無事、好天に恵まれた。

多彩な音楽性が混じり合うことで、雨のパレード色になっていることを、あらゆる色の素になる色の3原色を混ぜると、黒になることにたとえ、「Reason of Black Color」と名づけた3rdアルバムをひっさげ、札幌から福岡まで、全国8カ所を回った「ame_no_parade Oneman Tour 2018 “COLORS”」――野音で迎えたそのファイナル公演は「Reason of Black Color」からの「You & I」でスタート。そこからたっぷり2時間にわたって、「このツアーで俺らは、各会場でいろんな色をもらって、いろいろ成長してきました。今日は俺らが染める番です！」（福永）という思いを込めながら、最新アルバムからの曲を含む新旧の全20曲を披露。ダブステップ、R&B、ハウス、EDMといったダンスミュージックの要素を、巧みにポストロックライクなバンドアンサンブルに落とし込みながら、J-POPとして奏でるこのバンドが持つユニークさを存分に印象づけた。

曲調という意味では、バンド名どおりメランコリックなトーンのものが多いものの、楽曲を構成する要素は曲ごとに違うため、ギターとシンセサイザーを使い分けながら、いわゆるウワモノを担当する山崎康介（Gt&Syn）のプレイも自然と、その曲においてベストと言える楽器、音色、フレーズを選んだものになる。

雨のパレードの存在を、多くの人が知るきっかけになった「Shoes」をギターレスにすることで、単にノスタルジックなだけに止まらない楽曲に作り上げたセンスは抜群だと思うが、山崎のギタープレイはあえてフレーズにしないアンビエントと言うか、音響系のプレイが本当は得意なんじゃないかと思わせる一方で、たとえば「You & I」では音色を歪ませ、ギタリスト然としたオーセンティックなソロを演奏に差し込んだり、「Tokyo」では細かいミュートカッティングが80年代のUKニューウェーヴっぽいニュアンスを醸し出したり、福永と2人で演奏した「H.Apartment（Acoustic）」と「You（Acoustic）」の2曲ではアコースティックギターを爪弾いたり、SOIL&“PIMP”SESSIONSからトランペット奏者のタブゾンビをゲストに迎えたソウルフルな「ice」では、中音域を強調したファンキーかつ骨太なカッティングで曲が持つアーバンな魅力を際立たせたり、生々しいバンドサウンドを打ち出した「MARCH」のソロではチョーキングでギターを泣かせたり――曲にふさわしい景色を描き出したり、楽曲に色を塗ったり、耳に残るアクセントを加えたりする変幻自在のプレイは、決してでしゃばるものではないが、プレイヤーとしての存在感を十二分にアピールするものだったと思う。

その山崎がこの日、大半の曲でプレイしていたのがフェンダーのAmerican Original 50s Stratocaseter（Aztec Gold）だ。ことさらにロッキンな音色が必要な「Horizon」や「MARCH」のような曲でこそ他のギターに持ち替えてはいたが、多彩な音色、フレーズを1曲の中で使い分けるプレイは、このギターが持つ汎用性の高さと粒立ちのいいクリアなサウンドを印象づけるものでもあったのだ。

この日のライヴに大きな手応えを得た雨のパレードは、「もっとデカいところに行きたい！　そこら中を俺ら色に染めたい！」と宣言。そして、「最高の夜になった。人生の思い出になった」と福永が言ってからアンコールで演奏したのは、異色と言えるほど明るい「What's your name?」。その曲では、それまでの彼とは違うやんちゃと言うか、ギターキッズらしい無邪気な一面を覗かせていたことを、最後に付け加えておきたい。

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（Photo by 田中聖太郎）

セットリスト
1. 01. You & I
02. Dive
03. Horizon
04. Tokyo
05. new place
06. Petrichor
07. Shoes
08. (soda)
09. H.Apartment（Acoustic）
10. You（Acoustic）
11. Reason of Black Color
12. Hwyl
13. Hometown feat. TABU ZOMBIE（from SOIL&”PIMP”SESSIONS）
14. ice feat. TABU ZOMBIE（from SOIL&”PIMP”SESSIONS）
15. GOLD
16. Change your mind
17. epoch
18. Count me out
19. MARCH

＜アンコール＞
20. What's your name?

› 雨のパレード：http://amenoparade.com/