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HIRAIDAI Concert Tour 2019 THE GIFT レポート

平井 大が11月17日（日）横浜アリーナにて、全国ツアー「HIRAIDAI Concert Tour 2019 THE GIFT」を開催。その模様をレポート。

今年7月31日にアルバム「THE GIFT」をリリースした平井 大。この作品は“後世に伝え残したい”をテーマに、言葉と音を1枚に詰め込んだ愛に溢れたメッセージアルバム。そんな彼の全国ツアー「HIRAIDAI Concert Tour 2019 THE GIFT」のファイナル（振替公演除く）が、11月17日（日）横浜アリーナにて開催された。

自身初となる横浜アリーナでのワンマン公演。トロピカルなステージセットに登場すると、満員の観客の拍手と歓声に迎えられ、最新アルバムからのナンバー「Seize the Sky」でスタートした。ゆったりとしたサウンドに乗せ、アコースティックギターを奏でながら温かみのある歌声を聴かせる。さらに、代表曲である「Life is Beautiful」ではウクレレに持ち替え、さらに軽やかな空気感を生み出し、会場をぐっとリラックスさせる。そして、最近結婚したというカップルに向けてバラードナンバー「Promise」を歌ったりと、観客との距離と縮めていく。

華やかでダンサブルな「Summer Queen」で会場を揺らした後は、「Story of Our Life」でStevie Ray Vaughan Stratocasterにチェンジし、まろやかな音色でブルージーなフレーズを響かせる。艶のあるサウンドでありながら立ち上がりの鋭いトーンは、まさにシングルコイルならではの魅力。彼の歌声と呼応するかのように、切ないソロを澄んだ音でじっくりと聴かせていた。

「最近、キュンキュンしたことってありますか？　僕はパートナーの寝顔を見ている時なんです。なかなか男は気持ちが素直に伝えられないですけど、次の曲をかけて心の支えにして、愛している人に伝えてみてください」

ウクレレに持ち替えてそう紹介したのは、心地いいバラードの「MyLove」。レゲエビートに乗せ、ファルセットを交えた優しい歌がまっすぐに届く。

ここで本人がいったん退場し、メンバーのインストコーナーになるのだが、その途中から平井大がFENDER CUSTOM SHOP製の2018 LTD Tomatillo Stratocasterを携えて客席に登場。シェルピンクボディだが、レリック加工のため、遠目にはホワイトボディにも見える淡い絶妙なカラーリング。メロウなフレーズを弾きながら客席を練り歩き、一人ひとりの顔をしっかりと目に焼き付けていくように笑顔を振りまいていく。

こちらのストラトはStevie Ray Vaughan Stratocasterよりも音が太く、ミドルレンジが強調されたサウンドだ。そのせいかアタック感がパワフルに前面に出てきて、存在感たっぷりの音色になっていた。

ステージに戻ると、「me+you」を弾きながら歌う。アルペジオであっても1音1音に厚みがあるので、どっしりとした聴き応えだ。スケール感のある「SUN DAY」では、エモーショナルな歌を全身で表現し、このストラトが歌に寄り添うようにもうひとつの表情を加えていた。

「SONG FOR TWO」では再びStevie Ray Vaughan Stratocasterにチェンジ。再びソリッドな音色で歌を輝かせていく。さらに、曲の後半ではクランチ気味に歪ませた音へと変化し、迫力を増したギタープレイで魅了した。

ピアノと平井大の歌だけで始まった「Road to You」は、大切な人への想いを込めた繊細なバラードだ。静かに始まりながらも、じわじわと感情が溢れ出すようなヴォーカルが胸を打つ。間奏ではストラトが生むクリーントーンの澄み切ったサウンドが、楽曲の世界観をさらに際立たせていた。

大量のスモークにステージが包まれる幻想的な演出の「祈り花」、アコースティックギターのキラキラしたサウンドと切ない歌がマッチした「To Say Goodbye」を経て、再びStevie Ray Vaughan Stratocasterを手に「tonight」を披露。伸びやかなクリーントーンから生み出されるリフに乗せて高らかに歌い上げると、会場は静まり返ったように曲に聴き入る。バックライトに照らされて浮かぶシルエットも印象的だったが、エンディングでは長めのギターソロで感情を爆発させ、起伏に富んだ演奏でドラマティックに曲を彩ってみせた。

「僕のお客さんはみんな、心が優しくて温かい人たちだなと日々感じています。皆様の愛で僕はできているんだなと。僕の音楽は皆様の愛に支えられています、本当にありがとう。そんな僕が大好きな皆様に向けて、最後に届けたいのがこの曲です。こんなにたくさんの人に僕の音楽が届けられる日が来るとは思っていなかったから、本当に幸せな時間になりました。感謝の気持ちを込めて歌います」

そう語ると、『映画ドラえもん のび太の月面探査機』の主題歌である「THE GIFT」を本編最後に披露。希望を感じさせる感動的な歌と、メロディアスなギターソロで美しく締めくくった。

盛大なアンコールに応えて登場すると、開放感あふれる「Slow & Easy」で会場にさらに大きな一体感が生まれる。

「これからも、皆様のライフスタイルにフィットする音楽を作っていきたいと思います。応援よろしくお願いします。あと、メッセージとしては、あまり生き急がないでほしいなというのがあります。僕なんか列を譲っちゃうから、乗る予定の電車に乗れなくて（笑）。忙しくて時間に追われているように感じる時もあるんですけど、のんびりいこう。そんな余裕が大事かなと思います。あと、自分が正しいと思っている時、怒られてもまったく気にしない。もっと素直に生きていいと思います。好きなものは心の底から愛しましょう。そうすると、僕みたいになるから（笑）」

そんな自由度の高いメッセージが込められた曲に続き、「ONE LOVE～Pacific Harmony～」では、一緒に音楽を始めて10年になるパーカッションのYuiと2人だけで曲を届ける。10年の蓄積を感じさせる、息の合った歌と演奏に会場からは溜め息が漏れていた。

「今日は心の底からありがとう。ここはまだまだ旅の通過点ですから、これからもっとみんなと一緒に素晴らしい旅を、これからもずっと続けていきたいと思います。もし、その中でつらいこと、乗り越えられない壁があったら、僕らはいつでもここにいます。こうやってみなさんが音楽を聴きに来てくれるのを待っていますから、いつでも遊びに来てください」

ラストの曲は「Beautiful Journey」。爽やかな歌とブライトなトーンを聴かせるStevie Ray Vaughan Stratocasterがここでも絶妙にマッチし、ライヴのラストに相応しく、明るく広がりのある楽曲で幕を閉じた。

今月には自身初のアナログレコード版をリリースするなど、今後も彼の音楽は必聴だ。

セットリスト
01.Seize the Sky
02.Faraway
03.Life is Beautiful
04.Tokyo Love in the Air
05.Surf Time
06.Promise
07.Summer Queen
08.Story of Our Life
09.MyLove
10.me+you
11.SUN DAY
12.SONG FOR TWO
13.Road to You
14.祈り花
15.To Say Goodbye
16.tonight
17.THE GIFT

ENCORE
01.Slow & Easy
02.ONE LOVE～Pacific Harmony～
03.Beautiful Journey

› 平井大: https://hiraidai.com